一人暮らしでハムスターを飼うには?初心者向けに準備から注意点まで丸ごと紹介
一人暮らしをしていると、ふとした瞬間に「家に帰ったら誰かがいてくれたらな」と感じることがありませんか。そんなとき、ペットとして真っ先に候補に挙がるのがハムスターです。
結論からお伝えすると、ハムスターは一人暮らしでも十分に飼うことができます。省スペースで飼育でき、鳴き声が小さく、毎月の飼育費も約1,500〜2,500円程度とリーズナブル。犬や猫に比べてお世話の負担が少なく、仕事や学校で日中不在になりがちな方でも無理なく一緒に暮らせるペットです。
ただし「飼いやすい=手がかからない」というわけではありません。温度管理や衛生面のケア、留守中の対策など、小さな命を預かる以上は押さえておくべきポイントがいくつかあります。この記事では、一人暮らしでハムスターをお迎えするために知っておきたい知識を、費用面からお世話の具体的な内容、賃貸での注意点まで丸ごとお伝えします。
一人暮らしにハムスターが向いている理由

ペットを飼いたいと思ったとき、一人暮らしの環境ではどうしても制約が多くなります。部屋が狭い、日中は留守にする、近隣への騒音が心配——そうしたハードルをクリアしやすいのがハムスターの大きな魅力です。
狭い部屋でも飼育スペースを確保しやすい
ハムスターの飼育に必要なケージの大きさは、ジャンガリアンハムスターなどの小型種で幅45cm×奥行き30cm×高さ25cm程度、ゴールデンハムスターでも幅60cm×奥行き45cm程度が目安です。つまり、チェストやテーブルの上など、ちょっとした空きスペースがあれば置くことができます。
ワンルームや1Kといった4〜6畳ほどの部屋であっても、ケージの設置場所さえ工夫すれば問題なく飼えるのは、一人暮らしの方にとって大きな安心材料でしょう。犬のようにリビングにクレートを置いたり、猫のようにキャットタワーのスペースを確保したりする必要がないのは助かります。
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鳴き声が小さく騒音トラブルになりにくい
賃貸物件でペットを飼ううえで、もっとも気になるのが近隣への騒音問題ではないでしょうか。犬の無駄吠えや猫の夜泣きは、隣室や上下階に響いてしまうことがあります。
その点、ハムスターは基本的にほとんど鳴かない動物です。たまに小さな声を出すことはありますが、テレビの音よりも小さく、隣の部屋まで聞こえることはまずありません。防音性が高くない木造アパートでも、鳴き声による騒音トラブルの心配はほぼないと考えて大丈夫です。
ただし、夜行性のハムスターが夜間に回し車を回す音には注意が必要です。これについては後ほど詳しく触れます。
毎日のお世話の負担が比較的軽い
犬であれば毎日の散歩、猫であれば遊びの時間やグルーミングなど、飼い主とのコミュニケーションをたっぷり必要とする動物は少なくありません。一方でハムスターは、基本的に単独行動を好む動物です。自分で遊んだり寝たりして過ごすため、長時間のスキンシップを求められることがありません。
日々のお世話はごはんとお水の交換、簡単なトイレ掃除が中心。仕事から帰宅してからでも十分にこなせるボリュームです。散歩の必要もないため、何かと時間に追われがちな一人暮らしの方でもお世話を続けやすいでしょう。
飼育費用がリーズナブル
ペットの飼育で気になるのがお金の問題です。たとえばアニコム損保の調査によると、犬の飼育にかかる年間費用は約34万円、猫でも約17万円前後とされています。一方、ハムスターは年間で約2〜3万円程度。月に換算すると1,500〜2,500円ほどで収まるケースが多いです。
これはペレット(主食)やトイレの砂、床材を定期的に買い足す程度の金額です。食費の延長くらいの感覚で済むため、一人暮らしの限られた予算のなかでも大きな負担にはなりにくいはずです。
一人暮らしにおすすめのハムスターの種類

ペットショップに行くとさまざまな種類のハムスターがいますが、一人暮らしの初心者に特に向いているのはゴールデンハムスターとジャンガリアンハムスターの2種類です。どちらも環境の変化に比較的強く、人に慣れやすいため、初めてのハムスター飼育にぴったりです。
ゴールデンハムスターの特徴
ゴールデンハムスターは体長が約15〜20cmほどになる、ハムスターのなかでは大きめの種類です。体が大きい分だけおっとりした性格の子が多く、人の手にもなつきやすいのが特徴。手のひらに乗せたときの存在感やもふもふ感をしっかり味わえるのは、ゴールデンならではの魅力です。
一方で、体の大きさに比例してケージも大きめのものが必要になります。幅60cm以上のケージを用意できるスペースがあるかどうかは、事前に確認しておきましょう。また、寿命は約2〜3年で、なかには3年以上元気に暮らす子もいます。
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ジャンガリアンハムスターの特徴
ジャンガリアンハムスターは体長7〜12cmほどのドワーフ(小型)ハムスターです。コンパクトなケージでも飼育できるため、スペースに限りがある一人暮らしの部屋には特に相性がよい種類といえます。カラーバリエーションが豊富で、ノーマル、サファイア、パールホワイト、プディングなどから選べるのも楽しいポイントです。
性格はやや臆病な子もいますが、ゆっくり時間をかけて慣らしていけば手乗りになってくれることもあります。秋になると夏毛から冬毛に変わる姿も愛らしく、季節ごとの変化を楽しめるのもジャンガリアンの魅力です。
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初心者にはどちらがおすすめ?
どちらも初心者に向いている種類ですが、選ぶ基準としては部屋のスペースとどのくらいスキンシップを楽しみたいかで考えるとよいでしょう。たっぷりのふれあいを楽しみたい方にはゴールデンハムスター、コンパクトに飼いたい方や「小さなハムスターの動きを眺めて癒やされたい」という方にはジャンガリアンハムスターがおすすめです。
なお、ロボロフスキーハムスターという種類もペットショップでよく見かけますが、こちらは特に臆病で人に慣れにくい傾向があります。観賞用として割り切れるならよいのですが、ふれあいを楽しみたい方にはあまり向きません。
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ハムスターを飼うための費用
お迎えの前に、具体的にどのくらいのお金が必要になるのかを把握しておくことで、安心してスタートを切ることができます。
初期費用の目安は約1万5,000円
ハムスターを1匹飼い始めるときの初期費用は、おおよそ1万5,000円前後が目安です。内訳としては、生体代が1,000〜3,000円程度、ケージが3,000〜5,000円程度、回し車・巣箱・給水ボトル・トイレなどのグッズ一式で5,000〜8,000円程度になります。
ケージとグッズがセットになった飼育セットも販売されており、こうした商品を活用すれば個別にそろえるよりもお得に準備できることがあります。ただし、ゴールデンハムスターの場合はセットに含まれるケージが小さすぎることがあるため、種類に合ったサイズかどうかは必ず確認してください。
生体代は種類によって差があり、ジャンガリアンハムスターなら1,000〜2,000円程度、ゴールデンハムスターでも1,500〜3,000円程度で購入できるケースがほとんどです。珍しいカラーや品種の場合はもう少し高くなることもあります。
毎月のランニングコストは約1,500〜2,500円
月々の飼育費は約1,500〜2,500円程度が目安です。主な出費はペレット(主食)、トイレの砂、床材の3つで、これらがなくなったタイミングで買い足す程度。おやつの種類や床材のグレードによって金額は前後しますが、日用品を補充していくような感覚に近いです。
ペレットは600g入りで500円前後の商品が多く、ハムスター1匹であれば1〜2ヶ月は持ちます。トイレの砂や床材もそれぞれ数百円程度です。ここにおやつや砂浴び用の砂などを加えても、日々の食費と比べてごくわずかな金額で済むでしょう。
意外と見落としがちなのが光熱費
ハムスターの飼育費用を考えるとき、つい見落としてしまいがちなのがエアコンの電気代です。ハムスターは暑さにも寒さにも弱く、室温を20〜26℃前後に保つ必要があります。特に真夏や真冬は、日中の留守中もエアコンをつけっぱなしにしなければならない場面が出てきます。
つけっぱなしといっても、最近のエアコンは省エネ性能が高いため、1ヶ月あたりの電気代の増加分は数千円程度に収まることが多いです。とはいえ、年間を通じて考えるとそれなりの金額になるため、ハムスターの飼育費用にはエサやグッズ代に加えて光熱費も含めて考えておくと安心です。
病院代も念頭に置いておこう
ハムスターは体が小さいぶん病気になりやすく、体調を崩すとあっという間に悪化してしまうこともあります。動物病院での診察料は初診料込みで1回あたり数千円程度が目安ですが、検査や投薬が必要になるとそれ以上かかることも珍しくありません。
ハムスターを診てくれる動物病院は犬猫に比べて数が限られているため、お迎え前の段階でエキゾチックアニマル(小動物)に対応できる病院を探しておくことをおすすめします。いざというときに慌てずに済みますし、定期的な健康チェックを受けることで病気の早期発見にもつながります。
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ハムスター飼育に必要なグッズと準備
ハムスターをお迎えする前に、快適に過ごせる環境をしっかり整えておくことが大切です。ここでは、最低限そろえておきたいアイテムと、ケージの設置場所について具体的にお伝えします。
ケージ選びのポイント
ケージはハムスターにとって生活の場そのものです。選ぶときにまず意識したいのは「床面積の広さ」で、高さよりも横幅と奥行きを重視してください。ハムスターは地上を走り回って運動する動物なので、上下の動きよりも横の広さがあるほうがストレスなく過ごせます。
素材としては、金網タイプ、水槽タイプ、プラスチックケースタイプの3種類がメジャーです。金網タイプは通気性がよい反面、ハムスターがよじ登って落下するリスクや、金網をかじって不正咬合になるリスクがあります。一人暮らしで安全性を重視するなら、水槽タイプやプラスチックケースタイプのほうが脱走や怪我のリスクが低くおすすめです。
最低限そろえておきたいアイテム
ケージのほかに必要なグッズとして、まず回し車があります。ハムスターは個体差はあるものの、一晩で数キロ以上走ることもあるといわれるほど運動量の多い動物です。回し車は欠かせません。選ぶ際は体のサイズに合った直径のもの、そして静音設計のものを選ぶのがポイントです。夜行性のハムスターは深夜に回し車を回すため、騒音対策として静音タイプは一人暮らしの必須アイテムといえます。
次に巣箱。ハムスターは暗くて狭い場所を好む動物なので、安心して眠れる巣箱は必ず用意してください。木製や陶器製のものが定番で、種類によってサイズを選びましょう。給水ボトルはケージの壁面に取り付けるタイプが衛生的で、床材に水がこぼれる心配もありません。取り付ける高さはハムスターが楽な姿勢で飲めるよう調整してあげてください。
そのほか、トイレと砂、床材、エサ入れ、温度計も準備しておきましょう。ハムスターはトイレを覚えてくれる動物なので、ケージの隅にトイレを設置しておけば決まった場所で用を足してくれるようになります。これは日々の掃除の手間をぐっと減らしてくれるうれしいポイントです。
ケージの置き場所と環境づくり
ケージの置き場所は、ハムスターの健康と快適さを左右する大きな要素です。まず避けたいのは直射日光が当たる場所。窓際は日中に温度が急上昇しやすく、ハムスターにとって大きな負担になります。同様に、エアコンの風が直接当たる場所も避けてください。ハムスターは汗をかけないため、冷風や温風が直接体に当たっても体温調節ができません。
理想的なのは、室温が安定していて、静かで、風通しのよい場所です。テレビの近くや玄関のそばなど、大きな音や振動が頻繁に発生する場所はストレスの原因になります。一人暮らしのワンルームでは置き場所の選択肢が限られますが、できるだけ生活動線から少し離れた落ち着ける場所を選んであげましょう。
一人暮らしでのハムスターの日常のお世話

ハムスターのお世話はシンプルですが、毎日の積み重ねが健康を守ります。ここでは、日々のルーティンと週単位のお世話を具体的にご紹介します。
毎日やること
毎日のお世話の基本は、ごはんとお水の交換です。ペレットを体重の5〜10%を目安に与え、給水ボトルの水は毎日新しいものに取り替えましょう。水道水で問題ありません。給水ボトルを交換したあとは、ちゃんと水が出ることを確認する癖をつけておくと安心です。ノズルに床材が詰まって水が出なくなるトラブルは意外と起きやすいので注意してください。
もうひとつの日課はトイレ掃除です。トイレの砂のうち、汚れた部分だけをスプーンなどで取り除き、新しい砂を補充します。毎日こまめに取り替えることでケージ内の臭いを抑えることができ、賃貸でのにおい問題の予防にもつながります。
余裕があれば、ハムスターの様子を観察する時間を毎日少しでも設けてみてください。ごはんの食べ具合、毛並み、動きの様子など、普段の状態を知っておくことで、体調の変化に早く気づけるようになります。ハムスターは体調の悪さを隠す傾向がある動物なので、日々のちょっとした変化を見逃さないことが大切です。
週に1回やること
週に1度はケージ全体の掃除を行いましょう。床材を全体的に交換し、ケージの底やグッズの汚れを拭き取ります。汚れがひどい場合は、ケージをぬるま湯で丸洗いしてしっかり乾かしてから元に戻すのがよいでしょう。
ここで注意したいのは、掃除のしすぎはかえってストレスになるという点です。ハムスターは自分の巣に食べ物を溜め込んだり、自分のにおいをつけて安心したりする習性があります。あまりに頻繁にケージ内をリセットしてしまうと、自分のテリトリーが奪われたと感じてストレスを抱えてしまうことも。巣箱のなかの掃除は月に1回程度にとどめ、においがついた床材を少しだけ残してあげると、ハムスターも安心して過ごせます。
健康チェックの習慣をつけよう
「へやんぽ(お部屋のなかでの散歩)」をさせている飼い主さんも多いですが、その際にぜひ取り入れたいのが体重測定です。キッチンスケールなどの電子計量器にハムスターを乗せて、定期的に体重を記録しておくと、体調変化の早期発見に役立ちます。
じっとしてくれない場合は、小さなお茶碗やプラスチック容器に入れてから量ると測定しやすくなります。急激な体重の増減は病気のサインであることも多いため、普段の体重を把握しておくことが健康管理の第一歩です。
一人暮らし最大の課題は温度管理と留守中の対策

ハムスターを一人暮らしで飼ううえで、もっとも気を配らなければならないのが温度管理です。仕事や学校で日中は家を空ける方がほとんどだと思いますが、その間もハムスターにとって快適な環境を維持する必要があります。
ハムスターの適温は20〜26℃
ハムスターが快適に過ごせる室温は20〜26℃、湿度は40〜60%が目安です。この範囲を大きく外れると、ハムスターの体に深刻な影響が出ることがあります。
夏場に室温が30℃を超えると熱中症の危険があり、最悪の場合は命を落としてしまいます。逆に冬場、室温が10℃を下回るとゴールデンハムスターは擬似冬眠に入るおそれがあるとされています。ジャンガリアンハムスターも5℃前後まで下がると同様の危険があるといわれています。擬似冬眠はそのまま死に至るケースもある危険な状態で、「寒いから冬眠するだけ」と甘く見ることはできません。もしハムスターがぐったりして動かない状態を見つけたら、ゆっくり温めながらすぐに動物病院を受診してください。
ハムスターの寒さ対策マニュアル|適温や保温グッズ、疑似冬眠の予防法まで解説
夏場と冬場のエアコン管理
春や秋は特別な対策をしなくても適温を保てる日が多いですが、夏と冬はエアコンの稼働がほぼ必須になります。日中に家を空ける一人暮らしの場合、留守中もエアコンをつけっぱなしにしておくのが最も確実で安全な方法です。
夏場は冷房を26℃前後に設定しておけば、ハムスターにとって快適な環境を維持できます。冬場は暖房を20〜22℃程度に設定するとよいでしょう。エアコンのつけっぱなしに抵抗がある方もいるかもしれませんが、一定の温度で稼働し続けるほうがこまめにオン・オフを繰り返すよりも電気代が抑えられるケースも多いです。
エアコンの補助として、夏場はケージの近くに保冷剤をタオルで巻いたものを置く方法があります。冬場は小動物用のペットヒーターをケージの下や中に設置するのが効果的です。ケージのそばに温度計を置いておくと、室温の変化をすぐに把握できるのでおすすめです。
仕事で日中不在にするときの工夫
一人暮らしで日中8〜10時間ほど家を空けるのは、ハムスターの飼育においてそこまで大きな問題ではありません。ハムスターは夜行性のため、日中はほとんど巣箱のなかで寝ています。飼い主が仕事に出かけている間、ハムスターも基本的にはお休み中というわけです。
ただし、前述のとおり温度管理だけは怠らないようにしましょう。朝出かける前にごはんとお水をチェックし、室温が適正範囲に収まっているかを確認してから家を出る——この流れを毎朝のルーティンにしてしまえば、日中の不在に対する不安はかなり軽減されます。
最近はペットカメラを導入する飼い主さんも増えています。スマートフォンからリアルタイムでケージの様子を確認できるので、仕事中にふと心配になったときも安心です。温度計をカメラに映る位置に置いておけば、室温のモニタリングもできて一石二鳥です。
旅行や帰省時はどうする?
一人暮らしで気になるのが、旅行や帰省で数日間家を空けるときの対応です。結論として、1泊2日程度であればお留守番は可能です。出発前にごはんと水を多めに用意し、ケージを清潔にして、エアコンで室温を安定させておけば、ハムスターはひとりで過ごすことができます。
ただし、2泊3日になるとリスクが高まります。水やごはんの鮮度が落ちること、トイレが不衛生になること、温度管理のトラブルが発生する可能性があることなどが理由です。ハムスターの心拍数は人間の約6倍ともいわれており、私たちにとっての2〜3日はハムスターにとってはかなり長い時間に相当すると考えられます。
3泊以上になる場合は、信頼できる知人にお世話を頼むか、ペットホテルに預けることを検討してください。ハムスターを預かってくれるペットホテルは犬猫向けに比べると数が少ないですが、小動物を扱うペットショップや動物病院で対応してくれることがあります。普段から情報を集めておくと、いざというときに慌てずに済みます。
ただし、留守番が可能な日数はあくまで目安です。ハムスターの年齢や健康状態、季節、部屋の設備環境によって大きく変わるため、「○日まで大丈夫」と一律に考えるのではなく、そのときの状況で慎重に判断してください。
なお、ハムスターを旅行先に連れて行くのはおすすめできません。環境の変化に敏感な動物なので、移動のストレスで体調を崩してしまうリスクがあります。自宅でお留守番させるか、信頼できる場所に預けるかの二択で考えましょう。
賃貸物件でハムスターを飼うときの注意点

一人暮らしの方の多くは賃貸物件にお住まいかと思います。ハムスターは賃貸でも比較的飼いやすいペットですが、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。
ペット不可の物件でも飼えるケースがある
賃貸物件のなかには「ペット不可」と記載されていても、大家さんや管理会社に相談したところ小動物であれば例外的に許可されたというケースも聞かれます。ハムスターは壁を引っかいたり床を掘り起こしたりすることがないため、交渉の余地が生まれやすいのは事実です。
ただし、これはあくまで個別の交渉結果であり、契約内容が最優先です。必ずお迎え前に大家さんや管理会社に確認をとりましょう。許可を得ずに飼育していた場合、発覚するとハムスターの手放しを求められたり、退去費用が高額になったりするリスクがあります。せっかくお迎えしたハムスターを手放すことにならないよう、ルールはきちんと守ることが大切です。
臭い対策と騒音対策はしっかりと
ハムスターの体臭自体はそこまで強くありませんが、ケージ内のトイレや床材からにおいが発生することがあります。こまめなトイレ掃除と定期的な床材の交換を習慣づけるのが基本的な対策です。それに加えて、空気清浄機や消臭剤を活用すると、部屋全体のにおいを抑えることができます。
騒音面で唯一気をつけたいのが回し車の音です。ハムスターは夜行性のため、人が寝静まった深夜に回し車を回します。安価な回し車はカラカラと大きな音が出ることがあり、自分自身の睡眠を妨げるだけでなく、集合住宅では階下や隣室に振動が伝わってしまう可能性もあります。静音タイプの回し車を選ぶことは、賃貸での飼育において必須の投資です。
さらに音が気になる場合は、ケージの下に防振マットを敷くと振動の伝達をかなり軽減できます。
退去時のトラブルを避けるために
ハムスターは基本的にケージのなかで生活するため、部屋を傷つけるリスクは低い動物です。ただし、「へやんぽ」でケージの外に出した際に、壁紙をかじったり、コードを噛んだりしてしまうことがあります。ハムスターはげっ歯類なので、何でもかじる習性があるのです。
へやんぽをさせるときはハムスターから目を離さないようにし、かじられて困るものは事前に片づけておきましょう。電気コードは特に危険です。感電事故の防止のためにも、コード類はカバーで保護するか、ハムスターの手が届かない場所にまとめておいてください。
ハムスターを飼う前に知っておきたい心構え

「飼いやすい」といわれるハムスターですが、ひとつの命を預かることに変わりはありません。お迎えする前に、ぜひ知っておいてほしいことがいくつかあります。
寿命は2〜3年と短い
ハムスターの寿命は種類にもよりますが、おおむね2〜3年です。犬や猫に比べるとかなり短く、お迎えしてから数年で別れのときが訪れます。
この寿命の短さは、ハムスター飼育における覚悟のひとつです。1歳を過ぎると少しずつ老化が始まり、体の機能が衰えていきます。限られた時間を大切に過ごしてあげようという気持ちがあるかどうかは、お迎えを決める前にぜひ自分に問いかけてみてください。
夜行性の生活リズムを理解する
ハムスターは夜行性の動物で、日中は巣箱や床材のなかでほとんど寝ています。夕方から夜にかけて活動を始め、ごはんを食べたり回し車で走ったりするのが基本的な生活パターンです。
一人暮らしで仕事をしている方にとっては、帰宅後の夜の時間帯にハムスターが活動しているため、むしろ生活リズムが合いやすいともいえます。ただし、日中に寝ているハムスターを無理に起こすのはNGです。ケージを揺すったり巣箱を覗いたりすると、大きなストレスになります。「日中は寝かせてあげて、夜に触れ合いを楽しむ」というスタンスで接してあげてください。
ストレスに弱い繊細な動物であること
ハムスターはストレスにとても敏感な動物です。大きな音、急な環境の変化、過度なスキンシップ、掃除のしすぎなど、人間にとっては些細に思えることでもハムスターにはストレスの原因になり得ます。
特にお迎え直後の1週間程度は、新しい環境に慣れるまでそっとしておいてあげることが大切です。「かわいくて触りたい!」という気持ちはとてもわかりますが、最初の数日間はごはんとお水の交換だけにとどめて、ハムスターが落ち着くのを待ちましょう。焦らずゆっくり距離を縮めていくことで、その後の信頼関係がしっかり築けます。
掃除機や洗濯機の音も、ハムスターにとっては大きなストレスになることがあります。一人暮らしの部屋ではケージと家電の距離が近くなりがちなので、掃除機をかけるタイミングをハムスターが起きている夕方以降にずらすなど、ちょっとした配慮をしてあげるとよいでしょう。
病院探しはお迎え前から始めよう
犬や猫と違い、ハムスターを診察できる動物病院は限られています。エキゾチックアニマルや小動物に対応している病院が近くにあるかどうかは、お迎えを決める前に必ず確認しておきたいポイントです。
体調を崩してから病院を探すのでは、手遅れになってしまうこともあります。ハムスターは体が小さいため病気の進行が早く、「様子を見よう」と思っているうちにあっという間に悪化するケースが少なくありません。かかりつけの病院を事前に見つけておけば、異変に気づいたときにすぐ連れて行くことができます。
初めて受診するときは、健康なうちに一度診てもらっておくのもおすすめです。普段の健康状態を獣医師に把握してもらっておくことで、いざ体調を崩したときの診察がスムーズになります。
まとめ:一人暮らしでもハムスターとの暮らしは十分楽しめる
ハムスターは、省スペースで飼育でき、鳴き声が小さく、費用もリーズナブルと、一人暮らしの方にとって多くのメリットを持つペットです。日中に家を空けることが多い生活スタイルとも相性がよく、初めてのペットとしてもおすすめできます。
一方で、温度管理への配慮や、留守中の準備、賃貸物件でのルール確認など、お迎え前に知っておくべきことも少なくありません。特にエアコンによる室温の管理は一人暮らしでの飼育において最も気をつけたいポイントですし、ハムスターを診てくれる動物病院を事前に探しておくことも忘れないでください。
寿命が2〜3年と短いぶん、一緒に過ごせる時間は決して長くはありません。でも、だからこそ毎日のお世話や小さな変化に目を向ける時間が、かけがえのないものになるはずです。仕事から疲れて帰ったとき、ケージのなかで元気に回し車を走るハムスターの姿を見ると、なんだかほっとする——そんな温かい日常が、一人暮らしの部屋に加わります。
この記事を参考に準備を整えて、ハムスターとの新しい暮らしを楽しんでみてください。