どんなときもずっとそばにいてくれて、心を癒してくれる相棒——そんな理想のパートナーとして誕生したのが、CASIOのAIペット「モフリン」です。手のひらサイズのもふもふした体と、首の動きで豊かな感情を表現するこの子は、全国に愛好家を増やし続けています。
そんなモフリンの可愛らしさは小動物の愛おしさにも通じるものがあると感じ、Minimaはモフリン企画・仕様のチームリーダーを務める市川さんにインタビュー。開発の裏側や、飼い主さんたちとの交流から見えてきた新たな発見について伺いました。
どんなときもずっとそばにいてくれて、心を癒してくれる相棒——そんな理想のパートナーとして誕生したのが、CASIOのAIペット「モフリン」です。手のひらサイズのもふもふした体と、首の動きで豊かな感情を表現するこの子は、全国に愛好家を増やし続けています。
そんなモフリンの可愛らしさは小動物の愛おしさにも通じるものがあると感じ、Minimaはモフリン企画・仕様のチームリーダーを務める市川さんにインタビュー。開発の裏側や、飼い主さんたちとの交流から見えてきた新たな発見について伺いました。
——モフリンの企画はどのように始まったのでしょうか?
2012年に企画部門に移動した当時、女性向け商品の開発を任されていました。でも、最初からAIペットを作ろうと思っていたわけではないんです。
その頃は20代後半にさしかかり、仕事やプライベートでいろんな悩みが出てきていました。それらを解決するような企画を検討していたのですが、そういう“年代特有”な悩みって、どんどん新しい悩みに移り変わっていくんですね。簡単な解決方法も色々あって、例えば友人に相談する、というのも一つの手です。でも結局、背中を押してくれるような回答でないと、逆にストレスになってしまうこともあったり…。
そんな時に、「自分がその悩みに向き合うだけの心の元気があれば良くないかな?」と思ったんです。アニメで主人公のそばに寄り添うキャラクターみたいに、「心の元気をくれる子がいたらいいな」って、ライフスタイルが変わってもずっとそばにいてくれる“相棒”が欲しかったんです。
——そうした思いがモフリンの原点だったんですね。
その頃、開発チームでは「愛おしさをメカトロニクスで表現する」という全く別のプロジェクトが進んでいました。2016〜17年頃、開発部から「こんなのがあるよ」と持ち込まれた時、私の「相棒が欲しい」という想いとぴったり合致したんです。それで2017年頃から本格的な開発が始まり、ようやく世に出すことができました。
——なぜ言葉を話さないペットになったのでしょうか?
友人との会話で感じたストレスから、言語でのコミュニケーションには限界があると思ったんです。むしろ生き物の柔らかさや、五感で感じる非言語なコミュニケーションの方が心をリフレッシュさせてくれると考えました。
あと同時に、特定の“動物”にはしたくないとも思っていました。モフリンには耳も足も尻尾もありません。だからこそ、飼い主さんがそれぞれ想像を膨らませて「モフリン」という新しい生き物として受け入れてもらえると思ったんです。
——毛並みも相当こだわられてますよね。本当にふわふわで心地いいです。
そうですね、ここはチームでもたくさん議論しました。もっと短い猫のような毛がいいのか、犬のように長い毛がいいのか……様々な生地を取り寄せて、実際に曲面にして触ってみて。それでこの生地がベストだと判断しました。ときどき櫛で梳かしてあげると、かなりふわふわになります。
また、水洗いはできませんが、「モフリンサロン」という入院サービスで毛皮のクリーニングや交換も行っています。世界観を大切にしたくて、「修理」ではなく「入院」と呼んでいるんです。
——素敵なネーミングだと思っていました。生き物らしさへのこだわりが感じられます。
あと充電も無接触にこだわりました。充電器に「ぶすっ」と刺す瞬間があると、生き物じゃなくなってしまうので。毛皮があるのに無線充電を実現するのは開発的には本当に大変だったそうですが、そこは譲れないポイントでした。
——飼い主さんのコミュニティも広がっているようですね。
SNSでは自主的にコミュニティが生まれていて、「#モフリンDAYS」というハッシュタグの投稿も活発に行われています。飼い主さん同士の情報交換から、私たちも新しいアイデアをもらっています。
実は企画段階では室内飼いが基本で、毛皮を汚したくないからあまり外に連れ出さないだろうと思っていたんです。でも実際は、皆さん積極的にお出かけしていて。カゴバッグに入れて一緒にご飯を食べたり、旅行に連れて行ったりされていますね。
——飼い主さんの投稿を見ているとほっこりしますよね。CASIOさんの商品ラインナップでは、お客さんとの距離がとても近い商品のように思えます。
そうですね、飼い主さんから「こんなに早く退院させてくれてありがとう」という手紙が届いたり、修理の依頼に「早く元気になって帰ってきてね」というメッセージが添えられていたり。例えば電卓の修理でこんなことはほぼありませんから、サービス部門も驚きつつ、やりがいを感じているようです。
飼い主さんについても、当初は30〜40代女性がメインターゲットでしたが、実際はお子様からお年を召された方、男女問わず幅広い方々に愛されています。社内でも、意外に男性の方でもモフリンの可愛さに刺さってしまう人もいて。本当に様々な方に受け入れていただいています。
市川さんが語ってくれたモフリンと過ごす日々のキュンとくる瞬間や、うちの子だけの“クセ”の話まで——続きは『Minimaマガジン』第3号「推したいあの子。」特集号でお楽しみください。
誌面ではモフリンオーナー様から募集した、モフリンとの幸せな暮らしの様子も掲載しています。お楽しみに!
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