犬でも猫でもない、「小さな家族」と暮らす日々。近年、ハリネズミやフクロモモンガ、爬虫類などのエキゾチックアニマルを飼育する人が増えています。しかし、彼らを診療できる動物病院は限られており、いざという時に頼れる場所を見つけられないという課題があります。
小動物メディアMinimaは、この課題に向き合うため、エキゾチックアニマルに特化した動物病院の情報共有サービス「ミニケア」を立ち上げます。
サービス開始に先立ち、特別連載「エキゾのはなし。」をスタート。飼い主、事業者、そして獣医師の方々に登場いただき、エキゾチックアニマルとの暮らしや、ケアの現状と課題について様々な視点から語っていただきます。
第12回のゲストは、フェレットを特集する雑誌『ふぇれっと1年生』を制作・発行している「管理人たん」さん。飼育しているフェレットが急変した際に行なった“緊急対応”が命をつないだ、貴重な体験を聞きました。
ペットショップで偶然出会ったフェレット
ーー今日はよろしくお願いします。現在フェレットを3匹飼われているんですよね。
長女のもちこちゃん、長男のぎんがくん、末っ子のやしゃまるくんの3匹です。全員マーシャルフェレットですね。他にもミーアキャットとモルモットも一緒に暮らしています。

ーーフェレットを飼い始めたきっかけを教えてください。
2022年の2月から飼育を始めました。元々ハムスターを飼っていて、2匹目をお迎えしたいなと思って近所のペットショップに行ったんです。そのときにたまたまフェレットがいたんです。それが初めてのフェレットとの出会いでした。
ーーペットショップでフェレットに出会えるのは珍しいですよね。
最近は、少しずつ見るようになりましたが、当時は近所のペットショップを何軒かハシゴしてもフェレットは見ませんでした。そして、元々ハムスターを迎える前提だったので、いきなりフェレットを迎えるのは覚悟ができていなくて。なので、生涯かかるお金や病気の種類、医療費とか調べて、「大丈夫だろう」って判断してからお迎えしました。それが最初のもちこちゃんです。

ーー人懐っこいイメージがありますが、実際はどうですか?
かなり人懐っこいです。でも性格によるみたいですよ。うちの子は3匹ともすごい甘えん坊で、女の子のもちこちゃんが1番しっかりしていて、男の子たちは結構甘えん坊でやきもち焼きですね。おもちゃを加えて走ってきて「一緒に遊んでよ」みたいなこともよくあります。言葉が通じてるのかな?って思うくらい、コミュニケーションが取れるときもあります。
真夏の夜、突然の血尿。命をつないだ緊急対応
ーーやしゃまるくんが昨年、体調を崩されたと聞きました。
2025年の6月26日の20時頃、急に具合を崩してしまったんです。その日の朝は普通だったのですが、いま考えてみるといつもより多く寝ていたかな、という印象はありました。
その日は夜に遊ばせたのですが、やしゃまるだけ元気がなくて。「眠いのかな」と思って様子を見ていたら、ちょこちょこっと歩き始めて、急にクッションの上で力尽きてしまって。抱き抱えたら、真っ赤な血尿が出てしまっていたんです。
ーーそれは慌てますね。でも20時過ぎだと、通常の動物病院は閉まっていますよね。
そうなんです。いつもの病院も開いていなくて、夜間救急動物病院に電話したら「今すぐ来てください」と言われて。雨の中、車で2時間半ぐらいかけて行きました。
診てもらったら、尿路結石ができていて、それが尿道に詰まって傷がついて血尿が出ている状態でした。カテーテルで詰まりを取る応急処置をして、深夜3時に連れて帰りました。本当は入院した方がよかったらしいのですが、空きがなくて。
ーーその後も大変だったのでは...?
また明け方になったら、今度は脱水症状が出てきて。ペットの粉末イオン飲料(アクアコール)を与えても全然飲んでくれなくて。その日は真夏日で36度ぐらいあって、移動だけでも負担になる状態でした。
このままでは救急病院までの2時間半も体力が持たないと思って、家の近くの動物病院に電話して「点滴だけでもやってくれませんか」とお願いしたんです。そこの動物病院はエキゾチックアニマルは診療外だったんですけど、急遽受け付けてくれて。そこで点滴してもらって命をつないで、そのまま救急病院に行きました。
ーーその判断が良かったですね。
本当にそうですね。初めましての病院にいきなり電話して状況を説明して「点滴だけどうか……」って言ったら、「いいですよ、すぐ連れてきてください」って言ってくださって。おかげでなんとかなりました。

腎臓の腫れは手術せず、ホームケアで回復
ーーその後の経過はいかがでしたか。
救急病院で手術して石を取って一旦は回復したんですけど、またぶり返して再入院になりました。そこから3週間ぐらい、原因がわからないと言われてしまい。石が原因ではなくて、何が原因か全然わからないけど調子が悪い、という謎の期間が続いたんです。
3週目くらいに、夜に先生から電話がかかってきて「やしゃまるくんの腎臓がピンポン玉みたいに硬くなって急に腫れています」と。膀胱炎みたいな状態になっていて、尿が出なかった期間に腎臓がダメージを受けてしまい、機能低下してしまったらしくて。尿を排出する機能がちゃんと働いていない状態で、腎臓に溜め込んで腫れているということでした。
ーー手術はされたんですか?
その時点でやしゃまるは体力がなかったので、手術はリスクが高いとのことでした。なので、このままだと破裂するかもしれないけど、手術しても死んでしまうかもしれない。先生と相談して、万が一手術でそのまま亡くなるよりは、自宅でできるケアをして少しでも命をつなげられたらと思い、連れて帰ることにしました。
ーーそういう判断をされたのですね。自宅ではどんなケアをされましたか?
毎晩自宅で点滴をしています。あとは腎臓に負担のない生活を提供すること。腎臓が悪い子はタンパク質の高いご飯がダメなので、やしゃまるくんはまだ1歳で若いのですが、シニア用のご飯に変えました。
そうやってケアしていたら、だんだん調子を取り戻してくれて。普通に前みたいに遊ぶようになって、1ヶ月ぐらいしたら、ふやかしたご飯しか食べてくれなかったのが、またカリカリのご飯を自分で食べるようになってくれたんです。今はもう、見た感じ普通のフェレットちゃんと変わらないぐらい元気に過ごしてくれています。

ーー手術せずにホームケアで回復されたんですね。
腫れたままではあるので、現状維持という感じです。悪化はしていないけど、という状態ですね。でも食欲もあるし、みんなと同じペースで暮らして遊んで、ということができるようになりました。今回の場合はホームケアがよかったのかなと、結果的に思うようになりました。なんでも手術すれば良くなるという保証もないし、リスクもあるので、慎重に考えるべきですね。
『ふぇれっと1年生』を始めた理由
ーーフェレットを取り扱う雑誌『ふぇれっと1年生』を作り始めたきっかけを教えてください。
元々編集の仕事をしていたわけではなくて、書こうと思って書き始めたんです。きっかけは、フェレットに関連する商品が全然どこにも売っていないことと、フードの種類もすごく少ないし、そもそも情報がすごく少ないということが気になっていて。
1番ショックだった出来事があって。ペットショップに電話して「フェレットフードって置いてますか」って聞いたら、「ふっ」て鼻で笑われて、「フェレットなんて飼ってる人いないわ」「フードなんて取り扱ってるわけないでしょ」みたいに門前払いされたんです。「そんなことあるんだ……」と思って。
この子たちがもうちょっと生きやすい世の中になってほしいし、私と同じように困っている人が他にもたくさんいるだろうし。せっかくのご縁でお迎えしたから、何か私でもできることがあるなら広める活動をしたいなと思って書き始めました。
『ふぇれっと1年生』BASEショップよりーー2023年から制作されているんですよね。今は5号まで出ているとか。
そうですね。特大号の時は60ページぐらいあります。毎回ネタを変えて、読者様が面白いと思えるような内容を考えて、被らないように工夫しています。Xでフォロワーさんに「どんな特集だったら面白いと思いますか?」って聞いてみたりして、企画したりとかもしています。
ーー販売はどこでされていますか?
ネットのBASEショップと、埼玉県浦和区のフェレット専門ペットショップ「フェレットリンク&ラビットリンク」さん、愛知県小牧市の小動物専門店「shop fuu」さんで取り扱っていただいています。先月は「わいわい祭り」というフェレットのイベントに委託販売で出しました。
ーー私たちも『Minimaマガジン』を作っているので、心から応援しています。小動物の雑誌って本当に少ないですよね。
『うさぎと暮らす』とかはありますけど、個人でやられている方は全然いないですよね。Minimaさんが出てきて「あら珍しい!」って思うくらいでした。今、本離れが進んでいるみたいですけど、やっぱり紙で読む本っていいですよね。そういうのがなくならないでほしいなって思います。
フェレットって本当に可愛くて、コミュニケーションもたくさん取れる素敵な動物です。でも、医療や情報がまだまだ少ないのが現状です。困っている方の力になれればと思って『ふぇれっと1年生』を作っていますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
Minimaでは「ミニケア」の本格始動に向けて活動中!
小さな命を守るために、エキゾチックアニマルの診療環境を一緒に変えていきませんか。
詳細はミニケア公式Xをフォローしてお待ちください。
クラウドファンディングURL(達成):https://readyfor.jp/projects/minicare