デグーは本来、表情豊かでコミュニケーション能力が高く、小動物の中でも魅力的な存在です。ただ、SNSや飼育本で紹介される「犬のようになつく」「賢くて飼いやすい」といったイメージが先行しすぎて、お迎え前の期待と実際の飼育とのあいだにギャップが生まれてしまう飼い主さんもいるかもしれません。
この記事では、デグー飼育で飼い主さんがストレスを感じやすいポイントと、その気持ちを和らげるための考え方、そして具体的な対処法についてお伝えしていきます。

デグーは本来、表情豊かでコミュニケーション能力が高く、小動物の中でも魅力的な存在です。ただ、SNSや飼育本で紹介される「犬のようになつく」「賢くて飼いやすい」といったイメージが先行しすぎて、お迎え前の期待と実際の飼育とのあいだにギャップが生まれてしまう飼い主さんもいるかもしれません。
この記事では、デグー飼育で飼い主さんがストレスを感じやすいポイントと、その気持ちを和らげるための考え方、そして具体的な対処法についてお伝えしていきます。


デグーの飼い主さんがストレスを感じやすいポイントには、いくつかの共通点があります。ここでは、よく聞かれる悩みを7つに分けて紹介していきます。
デグーをお迎えするときに「人懐っこい」「よくなつく」という情報を見て期待していた方ほど、思ったように懐いてくれない現実にがっかりしてしまう傾向があります。餌を手渡ししようとしても奪い取ってすぐ逃げていく、近づこうとすると警戒して丸まってしまう、何ヶ月経っても抱っこさせてくれないといった声は珍しくありません。
実際のところ、デグーがなつくまでにかかる期間には個体差がかなりあります。1週間程度で飼い主に寄ってくるようになる子もいれば、半年以上かかってようやく心を開いてくれる子もいます。中には最後まで警戒心が強いまま過ごす子もいて、すべてのデグーが「犬のようにベタ慣れする」わけではないのが現実です。

デグーの飼い主さんの多くが頭を悩ませているのが、ケージを噛む問題です。金網をガシガシと噛む音は想像以上に大きく、特に夜や早朝に続けられると睡眠の妨げになってイライラが募ります。
デグーがケージを噛むのにはいくつかの理由が考えられます。ケージの外に出たいという要求、退屈やストレスの発散、歯のお手入れ、さらには「噛むと飼い主が反応してくれる」と学習してしまっているケースもあります。原因は一つとは限らず、複数の要因が重なっていることも多いため、デグーの様子をよく観察することが対処の第一歩になります。
デグーは齧歯類なので、何でもかじるのは本能的な行動です。歯が一生伸び続けるため、硬いものをかじって削る必要があるのですが、その対象が家具や壁、電気コード、服、ぬいぐるみなど手当たり次第になってしまうことがあります。
部屋んぽ中に目を離した隙に壁紙をかじられて退去時に修繕費を請求された、お気に入りの服に穴を開けられた、スマホケースをボロボロにされたといった体験談は数多く聞かれます。デグーに悪気はないとわかっていても、大切なものを壊されると腹が立ってしまうのは当然のことでしょう。
デグーは犬や猫のようにトイレを完全に固定するのは得意ではありません。決まった場所でおしっこやうんちをするようにしつけることが難しく、ケージの中でも部屋んぽ中でもあちこちに粗相をしてしまいます。
ただし、排泄する場所がケージ内の一角に偏りやすい個体も多く、よくする場所にトイレ容器や床材を寄せて「掃除しやすい形に誘導する」ことは可能です。とはいえ、犬猫のように「ここでしなさい」と教えられるわけではないため、こまめな掃除が欠かせません。デグー自体にはほとんど体臭がありませんが、放置された尿は強いアンモニア臭を発するため、この掃除の負担がストレスになっている飼い主さんは少なくありません。
デグーに噛まれた経験がある飼い主さんは多いのではないでしょうか。甘噛みであってもデグーの噛む力はかなり強く、加減がわからない子に噛まれると出血することもあります。
デグー同士のコミュニケーションでは毛づくろいの一環として軽く噛み合うことがあり、飼い主に対しても同じことをしているケースがあります。これは信頼の証ともいえる行動ですが、痛みを感じるほど強く噛まれてしまうと素直に喜べないものです。また、警戒しているときや怒っているときに本気で噛んでくる子もいて、扱いに苦労することがあります。
デグーは「アンデスの歌うネズミ」と呼ばれるほど、さまざまな鳴き声でコミュニケーションを取る動物です。嬉しいときの小さな「ピルピル」という声はかわいらしいものですが、警戒鳴きや呼び鳴きは想像以上に大きく甲高いため、騒音に感じることがあります。
特に単頭飼いのオスは呼び鳴きが激しくなることがあり、飼い主の姿を見るたびに「ピィー!ピィー!」と大きな声で鳴き続けるケースもあります。ドアを閉めていても隣の部屋まで聞こえるほどの音量になることもあり、ノイローゼ気味になったという体験談も見られます。
「小動物だから手軽に飼える」というイメージを持ってデグーをお迎えした方ほど、日々のお世話の大変さにギャップを感じやすい傾向があります。
毎日のケージ掃除、餌やり、部屋んぽの時間確保、温度管理など、デグーの飼育には手間がかかります。デグーは暑さや高温多湿が苦手で、室温が高くなりすぎると熱中症で命を落とす危険もあるため、夏場は特にエアコンでの温度管理が欠かせません。また、社会性の高い動物なので、かまってもらえないとストレスを溜めてしまいます。仕事や家事で忙しい中、毎日一定の時間をデグーのために確保するのは簡単なことではありません。

デグーにイライラしてしまう自分を責めている方もいるかもしれません。ここでは、少し視点を変えてみることで気持ちが楽になるかもしれない考え方をお伝えします。
デグーの行動の多くは、本能や習性に基づいた自然なものです。ケージを噛むのも、何でもかじるのも、トイレを覚えにくいのも、デグーという動物の特性であり、しつけで完全になくすことは難しいものばかりです。
たとえばケージ噛みは、デグーにとって「歯を削る」「退屈を紛らわす」「飼い主に何かを伝える」といった意味を持っています。問題行動として捉えるよりも、デグーが何を訴えているのかを読み取るサインとして受け止めると、対応の仕方も変わってくるかもしれません。

デグーは確かに小動物の中ではコミュニケーション能力が高く、人に懐きやすい傾向があります。しかし、すべてのデグーが犬のようにベタベタ甘えてくるわけではありません。
デグーの性格には個体差が大きく、人懐っこい子もいれば警戒心が強い子もいます。「犬並みになつく」という情報は、ごく一部の特に人懐っこい個体の話であり、それを期待してお迎えすると現実とのギャップに苦しむことになります。「この子はこういう性格なんだ」と受け入れることで、気持ちが少し楽になることもあります。
デグーとの信頼関係は、一朝一夕で築けるものではありません。お迎えして数週間や数ヶ月で「なつかない」と判断するのは早すぎることも多いです。
飼い主の匂いに慣れ、この人は危険ではないと理解するまでには時間がかかります。焦って距離を縮めようとすると逆効果になることもあるため、デグーのペースに合わせてゆっくり関係を築いていくことが大切です。半年、1年と時間をかけて少しずつ変化が見られたという飼い主さんの体験談も多くあります。

気持ちの持ち方を変えるだけでなく、実際に行動を起こすことで状況が改善することもあります。ここでは、すぐに試せる対処法を紹介します。
ケージ噛みを減らすためには、まずデグーがなぜ噛んでいるのかを観察することから始めましょう。退屈やストレスが原因であれば、かじり木を複数設置したり、回し車を用意したりして発散できる環境を整えることが有効です。
ケージの扉付近ばかり噛んでいる場合は「外に出たい」というサインであることが多いので、可能であれば毎日決まった時間に部屋んぽの時間を設けてあげると落ち着くことがあります。また、かじり木フェンスを扉部分に取り付けることで、金網ではなく木をかじるように誘導することもできます。なお、「噛むと飼い主が来てくれる」と学習している場合は、ケージ噛みをしているときにすぐ反応しないことも一つの方法です。
噛まれたときは、大声で叱らず、いったん動きを止めて距離を取ることが基本です。噛んだ直後に飼い主が大きく反応したり、要求が通ったりすると、「噛めば何かが起こる」と学習してしまうことがあります。落ち着くまで構わない(無反応にする)ことで、噛んでも意味がないと伝えていくことができます。
ただし、頻繁に本気噛みが出る場合は、恐怖や痛み、縄張り意識など別の原因が隠れていることもあります。改善が見られない場合は、エキゾチックアニマルに対応した動物病院に相談して、行動の原因を確認してもらうことをおすすめします。
毎日の掃除が負担になっている場合は、少しでも手間を減らせる工夫を取り入れてみましょう。デグーがよくおしっこをする場所だけでも毎日ウェットティッシュで拭くようにすると、臭いはかなり軽減されます。
排泄場所が偏りやすい個体であれば、その場所にトイレ容器や吸水性の高い床材を集中的に配置することで、掃除の効率が上がることもあります。床材は汚れた部分だけをこまめに取り除くようにし、全体の交換は週に1回程度でも問題ないことが多いです。ただし、デグーには何でもかじる習性があるため、ペットシーツを使う場合は誤食して体内で膨張する危険がないか、様子を見ながら判断してください。
懐かないデグーに対して、無理にスキンシップを取ろうとするのは逆効果です。追いかけ回したり、無理やり抱っこしようとしたりすると、デグーにとっては「この人は怖い存在」という印象が強まってしまいます。
デグーから近づいてくるまでひたすら待つ、という姿勢が基本です。ケージの外から声をかけたり、手から餌を食べてもらったりすることから始めて、少しずつ信頼を積み重ねていきましょう。デグーにとって飼い主は自分の何十倍もの大きさを持つ巨大な存在です。そんな相手に自分から近づくことがどれほど勇気のいることか、想像してみてください。

ここまで読んでも「やっぱりつらい」「もう限界」と感じている方もいるかもしれません。そんなときに少しだけ立ち止まって考えてほしいことがあります。
まず、外に放す、捨てるという選択は絶対に避けてください。屋外は気温の変化や天敵、事故などリスクが大きく、デグーの命に関わります。加えて、動物の遺棄は法律で禁止されており、罰則の対象になります。
どうしても飼育の継続が難しいと感じたときは、まず購入先のペットショップやブリーダー、エキゾチックアニマルに対応した動物病院に相談してみましょう。譲渡先を紹介してもらえたり、飼育のアドバイスをもらえたりすることがあります。里親募集サイトやSNSでの譲渡は、相手の飼育環境が確認しにくいなどのリスクもあるため、まずは専門家や信頼できる窓口に相談することをおすすめします。
マイナスな気持ちを和らげるためには、デグーの習性を理解すること、過度な期待を手放すこと、そして時間をかけて関係を築いていく姿勢が助けになります。ケージ噛みや噛み癖、掃除の負担といった具体的な問題には、環境改善や工夫で対処できることも多くあります。
生き物を迎えた以上、最後まで一緒に暮らす方法を探っていくことが大切ですが、それでも「もう無理」と感じたときは、一人で抱え込まずに専門家や信頼できる窓口に相談してみましょう。



