「デグーを飼いたいけれど、どんなケージを選べばいいんだろう」「ハムスター用のケージでも大丈夫なのかな」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。デグーは活発に動き回る動物で、ケージの中で一日の大半を過ごすことになります。だからこそ、ケージ選びはデグーの健康と快適な暮らしを左右する大切なポイントです。
結論からお伝えすると、デグーのケージは通気性の良い金網タイプで、できるだけ広いサイズを選ぶのがおすすめです。デグーは本来、仲間と一緒に暮らす社会性の高い動物なので、複数飼育が望ましいとされています。そのため、ケージも複数のデグーが快適に過ごせる広さを意識して選ぶことが大切です。また、回し車やステージ、砂浴び用品などを設置してレイアウトを工夫することで、デグーがストレスなく過ごせる環境を整えることができます。
この記事では、デグーのケージの選び方からサイズの目安、ケージの種類、レイアウトのコツまで詳しくお伝えしていきます。
デグーのケージ選びで押さえておきたい基本

デグーは「アンデスの歌うネズミ」とも呼ばれる、とても賢くて活発な動物です。ハムスターより一回り大きく、体長は尻尾を含めると20cm以上になることもあります。野生のデグーは群れで暮らす社会性のある動物で、仲間同士でコミュニケーションを取りながら生活しています。
ケージ選びで最初に意識したいのは、デグーの習性に合った環境を用意してあげることです。デグーには「かじる」という本能があり、歯は一生伸び続ける「常生歯」と呼ばれるタイプです。何かをかじって歯を削る習性があるため、ケージ自体をかじってしまうこともあります。プラスチック製のケージだとあっという間に穴を開けられてしまうので、丈夫な素材のケージを選ぶことが大前提となります。
また、デグーは湿度が高い環境が苦手です。通気性が良く換気のできるケージを選ぶことで、ケージ内の湿気がこもるのを防ぎ、デグーが快適に過ごせるようになります。衣装ケースなどの密閉性が高い容器での飼育は、湿度管理が難しくなるためおすすめできません。
デグーに適したケージのサイズ

ケージのサイズは、デグーの頭数や飼育スペースによって変わってきます。狭すぎるケージはデグーのストレスになるだけでなく、運動不足や怪我の原因にもなりかねません。デグーは本来、ペアや小グループでの飼育が望ましい動物なので、最初から複数飼育を前提にケージを選んでおくのも一つの考え方です。
複数飼育の場合
デグーは野生では群れで暮らしているため、同種の仲間と一緒に飼育することが推奨されています。2匹以上のデグーを飼育する場合は、できるだけ広いケージを用意してあげましょう。
海外の動物福祉団体のガイドラインでは、2〜4匹のデグーを飼育する場合の目安として、高さ120cm以上、幅90cm以上、奥行60cm以上のサイズが示されています。日本で入手しやすいケージでここまでの大きさを確保するのは難しいこともありますが、「大は小を兼ねる」の考え方で、設置スペースが許す限り広いケージを選ぶのがデグーのためになります。
複数飼育の場合は寝床を複数用意したり、餌入れを複数設置したりすることも考えると、やはり大きめのケージが必要です。デグーの寿命は5〜8年、個体によっては10年以上生きることもあります。長い付き合いになることを考えると、最初からゆとりのあるサイズを選んでおくのがよいでしょう。
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単頭飼いの場合
やむを得ない事情で1匹だけで飼育する場合もあるかもしれません。その場合でも、できるだけ広いスペースを確保してあげることが大切です。幅40cm×奥行50cm×高さ60cm程度が最低ラインの目安として挙げられることがありますが、これはあくまでも「最低限」の数値です。
ケージの中には回し車やステージ、餌入れ、給水器などを設置することになります。特に回し車はデグーの運動に欠かせないアイテムで、直径30cm以上のサイズが必要です。これらを設置してもデグーが自由に動き回れるスペースを確保できるかどうかを考えてサイズを選びましょう。
単頭飼いの場合は、飼い主さんがより積極的にコミュニケーションを取ってあげることも大切です。デグーは社会性のある動物なので、一人ぼっちの時間が長いとストレスを感じやすくなります。
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デグーのケージの種類と特徴

デグー用のケージは大きく分けて「金網タイプ」と「アクリル・ガラスタイプ」があります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、生活環境やデグーの性格に合わせて選んでみてください。
金網タイプのケージ
金網タイプは、デグー飼育で最も多く選ばれているケージです。
金網タイプの最大のメリットは通気性の良さです。デグーは湿度が高い環境が苦手なので、空気がこもりにくい金網ケージは飼育環境として適しています。また、金網にステージやかじり木、ハンモックなどを取り付けやすく、レイアウトの自由度が高いのも魅力です。飼い主さんにとっては、ケージ内のレイアウトを考えるのも楽しみの一つになるでしょう。
ただし、金網の床(メッシュ床)をそのまま使うと、デグーの足裏を傷めてしまう可能性があります。床材を敷いて足裏を保護してあげることが大切です。柔らかい素材の床材や、木製のステージを床面に敷き詰めるなどの工夫をしましょう。
また、デメリットとして、デグーがケージ内を移動したり金網をかじったりすると音が響きやすい点があります。夜間に気になることがあるかもしれません。金網の隙間から餌や排泄物が外に飛び散りやすいので、ケージ周りの掃除はこまめに行う必要があります。
金網をかじる癖がついてしまうと、歯並びが悪くなる「不正咬合」につながる可能性もあります。かじり木をケージ内に設置して、金網以外にかじれるものを用意してあげることで対策ができます。
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アクリル・ガラスタイプのケージ
アクリルやガラスで作られたケージは、デグーがかじりにくいのが特徴です。全面がクリアな素材で覆われているため、ケージ内の様子が観察しやすく、写真撮影もしやすいというメリットがあります。また、餌や排泄物がケージの外に飛び散りにくいので、周囲を清潔に保ちやすいです。
保温性が高いため、寒い冬場には重宝することがあります。一方で、通気性が悪く、夏場は空気がこもりやすいため温度管理が難しくなります。デグーは暑さにも湿気にも弱いので、アクリルケージを使用する場合は特に換気と温度管理に細心の注意を払う必要があります。
デメリットとしては、金網タイプに比べてステージやおもちゃの設置がしにくい点も挙げられます。壁面に取り付けるタイプの用品が使いにくく、レイアウトの自由度は低くなりがちです。また、価格も金網タイプより高めの傾向があります。
アクリルケージは条件次第では使いやすい場面もありますが、通気確保や温度管理の難しさを考えると、初心者の方には金網タイプの方が扱いやすいでしょう。
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避けた方がよいケージ
ハムスター用のプラスチック製ケージは、デグーの飼育には向いていません。デグーのかじる力はかなり強く、プラスチックはあっという間にかじられてしまいます。穴を開けて脱走してしまう危険があるだけでなく、プラスチックの破片を飲み込んでしまう恐れもあります。
また、衣装ケースでの飼育も避けた方が無難です。最大の問題は通気性の悪さで、湿気がこもりやすく換気が難しい点です。デグーが快適に過ごせる低湿度の環境を維持することが困難になります。
初めてデグーを飼う場合は、市販のデグー用ケージを購入するのが安心です。自作ケージは強度の予測が難しく、デグーのいたずらにどこまで耐えられるかわかりません。市販のケージでデグーの行動パターンを観察してから、自作を検討するのがよいでしょう。
ケージ内に必要なアイテム

ケージを用意したら、次はデグーが快適に過ごすためのアイテムを揃えていきましょう。デグーの生活に欠かせないアイテムをケージ内に配置することで、運動不足やストレスを防ぐことができます。
回し車
回し車は、デグーの運動に欠かせないアイテムです。野生のデグーは広い場所を走り回って暮らしているため、ケージの中だけでは運動量が不足しがちです。回し車があれば、デグーは好きなときに好きなだけ走ることができます。
デグー用の回し車は直径30cm以上(12インチ以上)のサイズを選びましょう。ハムスター用の小さな回し車では体に合わず、背中を丸めて走ることになってしまうため避けてください。
回し車を選ぶ際は、踏み面がメッシュ(網目)になっているタイプは足を引っかけて怪我をする可能性があるため注意が必要です。踏み面が詰まったソリッドタイプで、金属製のものが安全です。静音性に優れた製品を選ぶと、夜間に回しても音が気になりにくくなります。
ケージの壁面に取り付けるタイプと床置きタイプがありますので、ケージのサイズやレイアウトに合わせて選んでください。
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ステージ・ステップ
デグーは上下の移動も好む動物なので、ステージやステップを設置して立体的な空間を作ってあげると喜びます。木製のステージやコーナーステージなど、さまざまな種類が販売されています。
ステージはデグーが休憩する場所にもなりますし、ケージ内を移動するための足場にもなります。複数のステージを段階的に配置することで、デグーが歩いて上り下りできる「階段」のような動線を作ることができます。
木製のステージはかじっても安心ですが、消耗品と考えておいた方がよいでしょう。かじってボロボロになったら新しいものに交換してあげてください。メッシュ(網目)タイプのはしごは足を引っかける危険があるため、避けた方が無難です。
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かじり木
デグーの歯は一生伸び続けるため、かじり木を用意して歯を削れる環境を整えてあげることが大切です。かじり木があると、ケージの金網をかじる頻度も減りやすくなります。
リンゴの木やクルミの木など、デグーがかじっても安全な素材のものを選びましょう。ケージに取り付けるタイプや、ぶら下げるタイプなど、形状もさまざまです。デグーによって好みが違うので、いくつかの種類を試してみるとよいでしょう。
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砂浴び用品
デグーは砂浴びをして体を清潔に保つ習性があります。水でお風呂に入ることはできないので、砂浴びがデグーにとっての「入浴」にあたります。小動物用の砂浴び砂と、砂を入れる容器を用意しましょう。
砂浴びは週に数回程度、時間を決めて行うのがよいとされています。砂浴び用の容器をケージ内に入れっぱなしにしておくと、砂が排泄物で汚れてしまったり、デグーが砂を過剰に浴びて皮膚を傷めたりすることがあります。砂浴びの時間を設けて、終わったら容器を取り出すようにしましょう。
ケージの掃除のタイミングで砂浴びをさせるのも効率的です。砂は小動物専用の清潔なものを使い、汚れたら交換してください。
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給水器・餌入れ
給水器は、ケージの壁面に取り付けるボトルタイプが一般的です。ケージの種類に対応した給水器を選び、デグーが飲みやすい高さに設置しましょう。水は毎日新鮮なものに交換してください。
餌入れは、デグーがかじっても壊れない陶器製のものがおすすめです。プラスチック製だとかじられてしまう可能性があります。ペレット用の餌入れと、チモシー(牧草)を入れるフィーダーをそれぞれ用意しましょう。
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巣箱・ハンモック
デグーが落ち着いて休める場所として、巣箱やハンモックを設置してあげると喜びます。巣箱は隠れ家としての役割も果たし、デグーが安心して眠れる場所になります。木製の巣箱が一般的ですが、布製のハンモックも人気があります。
ハンモックは柔らかい素材でできているため、デグーがくつろぐ姿を見ることができます。ただし、かじって穴を開けてしまうこともあるので、定期的に状態をチェックして傷んだら交換しましょう。
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ヒーター(冬場)
デグーは寒さにも弱い動物です。冬場はケージ用のヒーターを設置して、温かく過ごせる場所を作ってあげましょう。パネルヒーターをケージの下や横に設置するタイプが一般的です。
ヒーターを使う際は、ケージ全体が温まりすぎないように注意が必要です。デグーが自分で涼しい場所と温かい場所を選べるように、ケージの一部だけを温めるようにするのがポイントです。ヒーターのコードをかじられないよう、コードカバーを取り付けるなどの対策も忘れずに行いましょう。
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ケージのレイアウトで気をつけるポイント

ケージ内のレイアウトは、見た目だけでなくデグーの安全にも関わる大切なポイントです。デグーが怪我をしないよう、いくつかの点に注意してレイアウトを考えましょう。
落下防止の工夫
高さのあるケージを使う場合、特に気をつけたいのが落下事故です。デグーはリスのように木から木へ飛び移るタイプの動物ではなく、岩場や地面を走り回って暮らしています。ステージからステージへジャンプさせるようなレイアウトは、着地に失敗して落下する危険があります。
ステージやステップは、デグーが「歩いて」移動できるように配置するのが基本です。階段のように段差を小さくして、飛び跳ねなくても上り下りできる動線を作りましょう。
また、ケージ内に「吹き抜け」を作らないことも大切です。高い場所から一気に下まで落ちてしまう空間があると、骨折などの怪我につながる可能性があります。メッシュデッキなどを使って、途中に床を設けるなどの工夫をしてみてください。
危険なアイテムを避ける
ケージ内に設置するアイテムの中には、デグーにとって危険なものもあります。ロープやスイングなどの吊り下げタイプのおもちゃは、足や体が絡まって怪我をする恐れがあります。メッシュ(網目)タイプのはしごも、足を引っかけてしまう危険があるため避けた方が安全です。
レイアウトを考える際は、見た目のかわいさだけでなく、デグーが安全に使えるかどうかを第一に考えましょう。不安な場合は、実際にデグーを飼育している方のレイアウト例を参考にするのもよい方法です。
床材で足裏を保護する
金網タイプのケージを使う場合、床面に床材を敷いてデグーの足裏を保護してあげましょう。金網の床をそのまま使うと、長時間立っていることで足裏を傷めてしまうことがあります。
木製のステージを床面に敷き詰めたり、小動物用の床材を使ったりする方法があります。布製のマットを敷く方もいますが、かじって飲み込んでしまう可能性があるため、こまめに状態をチェックしてください。
脱走対策をする
デグーは好奇心旺盛で、ケージの外の世界にも興味津々です。扉のロックがしっかりしているか、金網の隙間から抜け出せないかを確認しておきましょう。金網の間隔は、子デグーが抜け出せない程度の狭さであることが大切です。
特に注意したいのは、デグーが金網をかじって隙間を広げてしまうことです。毎日ケージをチェックして、かじられて歪んでいる箇所がないか確認する習慣をつけておくと安心です。かじり木を充実させて、金網以外にかじるものを用意してあげることも脱走対策になります。
掃除のしやすさを考慮する
デグーはトイレを覚えにくい動物で、ケージのあちこちで排泄します。そのため、掃除のしやすさもレイアウトを考えるうえで大切なポイントです。
底面がトレイ式になっているケージは、トレイを引き出すだけで掃除ができるので便利です。ステージや用品をたくさん設置していると掃除の際に手間がかかりますが、取り外しやすい配置を心がけておくと日々のお手入れが楽になります。
デグーの排泄物自体はあまり臭いが強くありませんが、放置すると不衛生になります。毎日のこまめな掃除を習慣にして、清潔な環境を保ちましょう。
理想のケージの置き場所は?
ケージをどこに置くかも、デグーの快適な暮らしに影響します。直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。デグーは暑さにも寒さにも弱いため、急激な温度変化がある場所は適していません。
テレビの近くなど、大きな音が頻繁に発生する場所も避けた方がよいでしょう。デグーは聴覚が敏感なので、騒がしい環境だとストレスを感じることがあります。
理想的なのは、人の気配を感じられつつも、落ち着いて過ごせる場所です。デグーは社会性のある動物で、飼い主さんとのコミュニケーションを好みます。家族が過ごすリビングの一角など、適度に人の目が届く場所に置くと、デグーも安心して過ごせるでしょう。
また、換気が良く、湿度が低い場所を選ぶことも大切です。ケージの周りには掃除しやすいようにスペースを確保しておくと便利です。キャスター付きのケージであれば、移動も楽に行えます。
まとめ
デグーは本来、仲間と群れで暮らす社会性の高い動物です。できれば複数飼育が望ましく、ケージもそれに合わせた広さを確保してあげましょう。
海外のガイドラインでは2〜4匹の飼育で高さ120cm以上、幅90cm以上のサイズが目安とされていますが、日本で入手しやすいケージの中から、できるだけ広いものを選ぶのがよいでしょう。単頭飼いの場合でも、最低限の目安にとらわれず、できるだけゆとりのあるサイズを選んであげてください。