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ハリネズミを飼って後悔する人は? 知っておきたい7つの現実

ハリネズミを飼って後悔する人は? 知っておきたい7つの現実

丸まった姿に一目惚れして、気づけばハリネズミを迎えたものの、思った以上に大変で後悔......。そんな経験をする飼い主さんは実は少なくありません。

愛らしい見た目とは裏腹に、ハリネズミの飼育には意外と多くの知識と準備が必要です。温度管理や夜行性への対応、病院選びなど、知っておくべきポイントは実はたくさんあります。

この記事では、ハリネズミと幸せに暮らすために知っておきたい大切な情報を詳しく解説します。

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ハリネズミを飼って後悔する人の3つの共通点

カップに入ったハリネズミ

可愛さだけで判断して、後になって飼育を後悔してしまう方には、いくつかの共通点があります。これらに心当たりがある方は、飼育を始める前に、もう一度よく考えてみることをおすすめします。

1. 触れ合いへの期待が大きすぎる

ペットショップでの愛らしい姿に魅了され、「家に帰ってからも、いつでも可愛がれる」と期待してしまう方が多くいます。しかし、ハリネズミは人との触れ合いを好まない臆病な性格が一般的。一日中触れ合える存在を求めている場合、現実とのギャップに悩むことになります。

2. 夜行性を軽く考えている

「昼間は仕事だから、夜に一緒に遊べて理想的」と考える方もいますが、実際は違います。深夜のホイール音や、早朝までの物音に悩まされることも。また、帰宅後の夕方はまだ彼らの活動時間ではないため、思うように触れ合えないというジレンマも生じます。

3. 手間とコストを見誤っている

後悔している人間

見た目の小ささから、「飼育は簡単そう」「費用もそれほどかからない」と考えがちです。しかし実際は、温度管理、毎日の掃除、こまめな健康チェックなど、予想以上の手間が必要です。また、設備投資や医療費など、経済的な負担も決して小さくありません。

ハリネズミの飼育で直面する7つの現実

お花とハリネズミ

これから紹介する7つの課題は、多くの飼い主が経験することばかりです。実際にハリネズミを迎えてから後悔しないためにも、生活をイメージしながら読んでみてくださいね。

1. 温度管理を徹底する必要がある

ハリネズミは温度変化に敏感な動物です。中でも24〜29℃が最も快適な温度帯とされています。

個体差はあるものの、一般的に温度が30℃を超えると夏眠、20℃を下回ると冬眠のリスクが生じると言われています。特に気をつけたいのは夏眠で、体の機能が著しく低下し、最悪の場合、命に関わる事態になることもあります。なお、冬眠できる種類のハリネズミは、現在日本では特定外来生物に指定されているため、ペットとして飼育できません。

そのため、サーモスタットによる温度管理システムがおすすめです。さらに、停電などの緊急事態に備えて、予備のヒーターを用意しておくと安心です。温度管理は機械だけでなく、毎日の確認も大切にしましょう。

2. 夜行性なので夜に活動する

ハリネズミは生まれながらの夜行性動物です。日中はぐっすりと眠り、夕暮れ以降に活発な活動を始めます。昼間に遊びたい気持ちはわかりますが、無理に起こすのは避けましょう。

夕方から夜にかけてのケアが基本となり、餌やりもこの時間帯が理想的です。これは、ハリネズミが本来の習性として、夜間に餌を探して活動する生態に合わせているためです。また、夜中のホイール運動による音が気になる場合もあるため、設置場所や防音対策を事前に考えておくと快適に過ごせます。

3. ハリネズミを診てくれる病院は少ない

医者のイメージ

犬や猫の知識はあっても、エキゾチックペット診療に対応できる動物病院は、まだまだ少ないのが現状です。特にウサギやハムスターではなく、ハリネズミに詳しい獣医師となると、さらに限定されます。急な体調不良や怪我の際、適切な治療の機会を逃してしまう可能性もあります。

飼育を始める前に、ぜひ近隣の専門医療機関をリサーチしてみましょう。信頼できる獣医師を見つけ、日頃から相談できる関係を築いておくことで、より安心な飼育生活を送ることができます。実際の診察経験や口コミ情報も参考になるでしょう。

4. 予想以上に臆病な性格の持ち主

ハリネズミは基本的に臆病な性格で、人との触れ合いを好まない個体も少なくありません。愛らしい姿に魅かれて期待しすぎると、その距離感に戸惑うことになるかもしれません。

大切なのは、彼らのペースに寄り添う気持ちです。無理に触れ合いを求めるのではなく、手からの餌やり優しい声かけを通じて、少しずつ信頼関係を築いていくことをおすすめします。

5. 想定外の飼育コストに悩むことも

ハリネズミの飼育には多くの設備投資が必要です。ケージ、ホイール、ヒーター、温度計など、初期費用だけで数万円程度を見込んでおく必要があります。さらに、ペットシーツや餌などの消耗品も定期的に必要となります。

また、突然の体調不良や健康診断など、医療費の準備も重要です。飼育を始める前に、継続的な支出を考慮した資金計画を立てましょう。

6. 気まぐれな食欲に振り回される

野生ではコオロギや木の実などを食べていることから、ハリネズミは意外なほどの美食家です。一般的に市販のペレットで栄養は十分と言われていますが、ある日突然、いつもの餌を食べなくなることも少なくありません。そんなときは、フードをふやかしてみる、一時的に他の餌を試してみるなど、柔軟な対応も必要です。

健康維持のために、虫類や野菜なども適度に取り入れると、より豊かな食生活になります。食事の種類や量、与えるタイミングなど、日々の観察が大切です。

ハリネズミの食事についてはこちらの記事をご覧ください。

ハリネズミの食べ物を徹底解説。専用フードから副食までのサムネイル画像
ハリネズミの食べ物を徹底解説。専用フードから副食まで

7. 日々の健康管理に手がかかる

ハリネズミの飼育には、欠かせない日々のケアがあります。ケージの掃除、爪切り、時にはシャンプーなど、想像以上に多くの作業が必要になります。

また、トイレのしつけが難しいという特徴もあり、ケージ内のあらゆる場所で排泄をします。特に回し車での運動中に排泄することが多く、体が汚れやすい傾向にあります。自然界では水浴びをしない習性を持つハリネズミのお手入れは、基本的に蒸しタオルで優しく拭いてあげるだけで大丈夫です。

ただし、汚れが気になる場合は、皮膚の健康や衛生面を考慮して、状況に応じてシャンプーを検討してみましょう

ハリネズミを飼う前に確認したい3つのポイント

毛布とハリネズミ

愛らしいハリネズミとの生活を始める前に、ぜひ以下の3点を確認してみましょう。

1. 安心できる住環境があるか

ハリネズミの健康と安全のために、飼育環境を慎重に確認しましょう。他のペットや小さな子どもと一緒に暮らす場合は、ハリネズミ専用の安全なスペースが確保できるかが重要です。

マンションやアパートにお住まいの方は、まずペット飼育に関する規約を確認してください。また、年間を通して適切な温度管理ができる環境かどうかも、飼育の成否を分ける重要なポイントとなります。

2. ハリネズミの性格を受け入れられるか

ハリネズミは気ままで独立心の強い動物です。犬や猫のように家族全員と仲良く触れ合えると期待すると、大きな誤解を招くことになります。

一匹一匹の性格は大きく異なり、中には人との触れ合いを極端に嫌がる子もいます。このような個性を理解し、尊重できる心の余裕があるかどうかを、よく考えてみましょう。

3. 継続的なケアができる環境か

ハリネズミの飼育には、予想以上の時間と費用が必要です。初期費用の準備はもちろん、餌代、ケア用品、医療費など、毎月の支出も覚悟しておく必要があります。

さらに、毎日の掃除、餌やり、健康チェックなど、欠かすことのできないケアもたくさんあります。これらの負担を現実的に受け止め、長期的な視点で飼育を検討しましょう。

まとめ

ハリネズミ

ここまで紹介してきたように、ハリネズミの飼育には想像以上の手間と責任が伴います。しかし、事前に現実を知り、適切な準備をするからこそ、ハリネズミとの幸せな生活がおくれるはずです。

飼育を検討されている方は、ぜひこの記事で紹介した内容を、ご自身の生活に照らし合わせて考えてみてください。彼らの特徴をしっかり理解し、十分な準備と覚悟を持って迎えることで、きっとハリネズミとの充実した時間を過ごすことができるはずです。

記事の執筆者

Minima編集部

小動物のかわいさと、ペットとしてお迎えするときに知っておきたい情報を、Minima編集部がお届け。

おうちでの豊かでしあわせな暮らしをサポートします。

なお編集部のペットはクレステッドモルモット。実体験に基づいた、確かな情報をお伝えしていきます。

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