ハリネズミを飼い始めたものの、思っていたのと違ってイライラしてしまう。そんな経験をお持ちの方は、実は少なくありません。SNSで見る可愛らしい姿とは裏腹に、実際の飼育では様々な困難に直面することがあります。本記事では、ハリネズミにむかつく原因とその対処法について、飼い主の本音を交えながら詳しく解説していきます。

「ハリネズミにむかつく…」はあるある? 共感必至の3つの困りごと
ハリネズミにむかつく!共感必至の3つの困りごと

1. 威嚇行動による針攻撃
ハリネズミの最大の特徴である針は、飼い主にとって悩みの種になることがあります。特に飼い始めて間もない頃は、触ろうとするたびに丸くなって針を立てられ、手のひらが痛い思いをすることも。慣れない環境でストレスを感じているハリネズミは、防御本能から頻繁に威嚇行動を取ります。
優しく接しているつもりでも拒絶されると、飼い主としては悲しく、時にはイライラしてしまうのも無理はありません。毎日お世話をしているのに敵扱いされる感覚は、精神的にも疲れてしまいます。
2. 夜行性による深夜の騒音
ハリネズミは完全な夜行性動物です。人間が寝静まる深夜に最も活発になり、回し車をガラガラと回したり、ケージ内を動き回ったりします。アパートやマンションでは、階下への騒音が心配になることも。
特に寝室の近くにケージを置いている場合、睡眠不足に悩まされる飼い主も多く、日中の仕事や勉強に支障をきたすケースもあります。静音タイプの回し車に変えても、完全に音を消すことは難しく、慢性的な寝不足からイライラが募ることがあります。
3. なつきにくい性格
犬や猫のように積極的に甘えてくることは稀で、ハリネズミとの距離感に悩む飼い主は多いです。名前を呼んでも反応せず、抱っこを嫌がり、触れ合いを楽しみたい飼い主の期待とは大きくかけ離れることがあります。
YouTubeやInstagramで見る人懐っこいハリネズミは、実は稀なケースです。大半のハリネズミは警戒心が強く、飼い主を認識するまでに数ヶ月から1年以上かかることもあります。

ハリネズミの行動特性を理解しよう
臆病で警戒心の強い性質
野生のハリネズミは捕食される側の動物であり、生まれながらに強い警戒心を持っています。この本能は飼育下でも変わらず、突然の物音や動きに敏感に反応します。飼い主が良かれと思って近づいても、ハリネズミにとっては脅威と感じることがあるのです。
この性質を理解せずに無理に触ろうとすると、お互いにストレスを感じる結果になります。ハリネズミのペースに合わせることが、良好な関係を築く第一歩となります。
性格は個体差が大きい
同じハリネズミでも、性格には驚くほど個体差があります。生まれつき人懐っこい子もいれば、どれだけ時間をかけても警戒心を解かない子もいます。ペットショップで大人しかった子が、家に来てから攻撃的になることもあり、予想外の性格に戸惑う飼い主も少なくありません。
この個体差を受け入れることができるかどうかが、ハリネズミとの生活を楽しめるかの分かれ目になります。理想と現実のギャップに苦しむよりも、その子の個性として受け止める心の余裕が大切です。

イライラを解消する具体的な対処法

環境を整えて安心感を与える
ハリネズミが落ち着ける環境作りは、威嚇行動を減らす最も効果的な方法です。ケージは静かで温度変化の少ない場所に設置し、隠れ家となるハウスを必ず用意します。また、急な物音や振動を避け、一定のリズムで生活することで、ハリネズミも安心して過ごせるようになります。
温度管理も重要で、24〜26度を保つことでストレスを軽減できます。寒すぎると冬眠の危険があり、暑すぎると夏バテを起こすため、温度計を設置して常に確認することが大切です。
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段階的な慣らし方
いきなり触ろうとせず、まずは存在に慣れてもらうことから始めます。最初の1週間は必要最低限のお世話だけにとどめ、その後も少しずつ接触時間を増やしていきます。手のひらに乗せる前に、匂いを覚えてもらうことも効果的です。
おやつを使った慣らし方も有効で、ミルワームなどの好物を手から与えることで、飼い主への警戒心を和らげることができます。ただし、与えすぎは肥満の原因になるため、1日2〜3匹程度に留めましょう。
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騒音対策の工夫
夜間の騒音問題は、サイレントホイールの導入や防音マットの使用で改善できます。また、ケージの下に厚手のタオルを敷くだけでも、振動音をかなり軽減できます。
どうしても音が気になる場合は、寝室から離れた場所にケージを移動することも検討しましょう。リビングや廊下など、生活音がある程度許容できる場所なら、飼い主のストレスも軽減されます。
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気持ちの切り替え方

期待値を調整する
ハリネズミに対する期待値が高すぎると、現実とのギャップに苦しむことになります。犬や猫のような愛情表現を求めるのではなく、ハリネズミならではの可愛さを見つけることが大切です。
例えば、警戒しながらも餌を食べる姿や、安心して眠っている様子など、小さな変化や成長を楽しむ心の余裕を持つことで、イライラも自然と和らいでいきます。
ストレス発散方法を見つける
飼育のストレスは誰にでもあるものです。SNSで同じ悩みを持つ飼い主と交流したり、ハリネズミカフェで他の個体と触れ合ったりすることで、気分転換になります。
また、飼育日記をつけることもおすすめです。日々の小さな変化を記録することで、確実に関係が前進していることを実感でき、モチベーションの維持につながります。
まとめ
ハリネズミがむかつくと感じるのは、決して珍しいことではありません。威嚇行動や夜行性による騒音、なつきにくい性格など、飼育には想像以上の忍耐が必要です。しかし、その行動の裏には臆病で繊細な性質があり、時間をかけて信頼関係を築くことで、少しずつ心を開いてくれます。
大切なのは、ハリネズミのペースに合わせ、過度な期待を持たずに接することです。イライラしたときは一度距離を置き、気持ちをリセットすることも必要でしょう。ハリネズミとの生活は確かに大変ですが、その分、小さな成長や変化に大きな喜びを感じることができます。焦らず、ゆっくりと、お互いにとって心地よい関係を築いていきましょう。
記事の執筆者
- Minima編集部
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