ハムスターはネズミなの?生物学的な分類と5つの違いを詳しく解説
「ハムスターってネズミの仲間なの?」「見た目は似ているけど、何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか。結論から言うと、ハムスターは広い意味ではネズミの仲間ですが、生物学的には別の動物として分類されています。
どちらも「齧歯目(げっしもく)」という哺乳類のグループに属しており、鋭い歯で物をかじる習性を持っています。しかし、ハムスターは「キヌゲネズミ亜科」、私たちが一般的にネズミと呼んでいるドブネズミやハツカネズミは「ネズミ亜科」に分類されるため、厳密には異なる生き物なのです。
この記事では、ハムスターとネズミの違いを見た目から生態まで詳しく解説していきます。
ハムスターとネズミの生物学的な分類について

ハムスターは「キヌゲネズミ亜科」の動物
ハムスターは、齧歯目(げっしもく)キヌゲネズミ科キヌゲネズミ亜科に属する動物です。「キヌゲネズミ」という名前は、絹のように美しく滑らかな毛並みに由来しています。実際にハムスターの被毛はふわふわとした柔らかい手触りで、光沢があるのが特徴です。
ハムスターの仲間は少なくとも中新世まで遡るとされ、北半球で進化した最も古いネズミ類の一つと言われています。野生では中近東からヨーロッパ、中国にかけての乾燥地帯に分布しており、日本には野生のハムスターは生息していません。私たちがペットショップなどで見かけるハムスターは、すべて愛玩動物として繁殖されたものになります。
一般的なネズミは「ネズミ亜科」の動物
一方、私たちが日常的に「ネズミ」と呼んでいる動物は、齧歯目ネズミ科ネズミ亜科に属しています。具体的には、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミといった家ネズミ(人間の生活圏で活動するネズミ)を指すことがほとんどです。
ネズミは世界中に広く分布しており、日本国内だけでも20種類以上の野生ネズミが生息しています。環境への適応力が極めて高く、都市部から農村、森林地帯まであらゆる場所で生活できるのがネズミの特徴です。
広い意味では仲間だけど別の動物
このように、ハムスターとネズミはどちらも齧歯目に属する動物であり、鋭い歯を持っていること、夜行性であること、繁殖力が高いことなど共通点も多くあります。ちなみに、リスやプレーリードッグ、カピバラなども同じ齧歯目の動物です。こう考えると、彼らもまた広い意味ではネズミやハムスターの仲間ということになりますね。
しかし、分類学上では「亜科」のレベルで異なる動物として区別されているため、ハムスターをネズミと同一視するのは正確ではありません。そして、この分類の違いは見た目や生態の違いにもはっきりと表れています。
ハムスターとネズミの5つの違い

①しっぽの長さが全然違う
ハムスターとネズミを見分けるうえで、最もわかりやすいポイントがしっぽの長さです。ハムスターのしっぽは極めて短く、毛に埋もれてほとんど見えないほど。一方、ネズミのしっぽは体の長さと同じか、それ以上の長さがあります。
この違いは、それぞれの生活スタイルに関係しています。ネズミは木に登ったりジャンプしたりと立体的な動きをするため、長いしっぽでバランスを取る必要があるのです。リスや猫、猿なども同様に、高い場所を移動する動物はしっぽが長い傾向にあります。
ハムスターはというと、野生では地面を歩き回ったり、地中に穴を掘って生活したりしています。立体的な動きをしないため、長いしっぽは邪魔になるだけ。そのため進化の過程でどんどん短くなり、現在のような姿になったと考えられています。ただし、チャイニーズハムスターだけは例外で、ハムスターの中では比較的長いしっぽを持っています。
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②頬袋があるかないか
ハムスターといえば、ほっぺたに食べ物をパンパンに詰め込んだ姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。このほっぺたの部分が「頬袋」と呼ばれる器官で、ハムスターには肩まで広がる大きな頬袋がありますが、ネズミには頬袋がありません。
ハムスターの頬袋には驚くほどの収納力があり、ゴールデンハムスターの場合は数十個ものひまわりの種を詰め込むことができると言われています。頬袋に入れた食べ物は巣穴に持ち帰って吐き出し、貯蔵しておく習性があります。これは「貯食行動」と呼ばれるもので、野生で食料が乏しい時期を乗り越えるための本能的な行動です。
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③体型と顔つきの違い
全体的な体型を比べてみると、ハムスターはずんぐりとした丸っこい体型で、ネズミは細長くスマートな体型をしています。ハムスターは四肢もしっぽも短く、地中生活に適応するために進化した体型と言えます。
顔つきにも違いがあり、ハムスターは丸くてふっくらとした顔立ちなのに対し、ネズミは面長で横顔を見ると鼻が突き出るような三角形に近い輪郭をしています。耳の形も異なり、ハムスターの耳は比較的小さくて丸みを帯びているのに対して、ネズミの耳は頭に対して大きく、薄い膜状で毛が少ないのが特徴です。
目の位置にも違いがあり、ハムスターの目は大きくて丸く黒いのに対し、ネズミの目は比較的小さめで頭部の側面に位置しています。
④毛質と毛色が異なる
ハムスターの被毛は、その名前の由来にもなっている通り「キヌゲ(絹毛)」のように柔らかくてふわふわとした質感です。触ると滑らかで光沢があり、目を閉じて触ってもネズミとの違いがわかるほどと言われています。
毛色のバリエーションも豊富で、ゴールデンハムスターのような茶色や白のまだら模様だけでなく、クリーム色のキンクマ、グレーのジャンガリアン、さらにはプリンのような薄い黄色のプディングなど、多彩なカラーが存在します。ペットとして品種改良が進んだ結果、野生では見られないような毛色のハムスターも多く誕生しています。
一方、一般的なネズミの毛はハムスターに比べて硬めで短く、毛色もグレーや黒、茶色など地味な色合いが中心です。これは夜間の活動に適した、目立ちにくい色に進化した結果と考えられています。
⑤生活スタイルの違い
生活スタイルにおいても、ハムスターとネズミには大きな違いがあります。最も顕著なのは群れで生活するか単独で生活するかという点です。
ハムスターは基本的に縄張り意識が強く、単独で生活する動物です。野生では自分専用の巣穴を掘り、寝床や食料の貯蔵庫などを備えた複数の部屋を持つ住居で暮らしています。そのため、ペットとして飼育する場合も多頭飼いは避けたほうが無難で、同じケージに複数のハムスターを入れると争いが起こることがあります。
一方、ネズミは群れを作って社会的な構造の中で生活する動物です。1匹のネズミを見かけたら、近くに仲間が複数匹いる可能性が高いと言われています。
まとめ
ハムスターとネズミは、見た目こそ似ていますが生物学的には異なる動物として分類されています。しっぽの長さ、頬袋の有無、体型、毛質、そして生活スタイルなど、比べてみると様々な違いがあることがわかりましたね。
ペットとしてのハムスターは、その愛らしい見た目と比較的飼いやすいという特性から多くの人に親しまれています。もしこれからハムスターをお迎えしようと考えているなら、温度管理や夜行性という習性、そしてハムスターのペースに合わせた接し方など、基本的な知識を身につけたうえで素敵なハムスターライフを送ってください。
記事の執筆者
- Minima編集部
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