フクロモモンガを飼い始めると、ケージの中や手の上に残された小さなうんちが気になる場面が増えます。フクロモモンガのうんちは、体の状態を映し出すバロメーターです。健康なときの便は濃い茶色から黒褐色で、米粒ほどの大きさにまとまった形をしています。
一方、色が極端に薄い、水っぽい、あるいは何日も出ていないといった変化が見られたら、食事内容や体調に問題が隠れているサインかもしれません。この記事では、正常なうんちの特徴から異常便の見分け方、トイレまわりの掃除術まで、日々の飼育で役立つ知識をまとめています。

フクロモモンガを飼い始めると、ケージの中や手の上に残された小さなうんちが気になる場面が増えます。フクロモモンガのうんちは、体の状態を映し出すバロメーターです。健康なときの便は濃い茶色から黒褐色で、米粒ほどの大きさにまとまった形をしています。
一方、色が極端に薄い、水っぽい、あるいは何日も出ていないといった変化が見られたら、食事内容や体調に問題が隠れているサインかもしれません。この記事では、正常なうんちの特徴から異常便の見分け方、トイレまわりの掃除術まで、日々の飼育で役立つ知識をまとめています。


正常なフクロモモンガのうんちは、長さ5mm〜1cm前後の楕円形で、濃い茶色から黒褐色をしています。指で軽くつまむと形が崩れず、かといってカチカチに硬いわけでもない、適度な弾力があるのが理想的な状態です。においは果物を発酵させたような甘酸っぱさが混じった独特の臭気がありますが、鼻を近づけなければ気にならない程度に収まっていれば問題ありません。
排便の回数は食事内容や活動量、個体の体質によって大きく異なりますが、夜間の活動中に複数回に分けて少量ずつ排泄するのが一般的なパターンです。フクロモモンガは夜行性のため、飼い主が寝ている間に活動してケージ内のあちこちに便を落としていることが多く、朝ケージを確認したときに数個のうんちが散らばっている光景はごく普通のことです。回数そのものよりも、「いつもと比べて急に増えた・減った」という変化に注目する方が、体調の異変に気づきやすくなります。
朝になってもケージ内にうんちが見当たらない場合は、まずポーチの中や回し車の裏、床材に埋もれていないか確認してください。隅々まで探しても排便の痕跡がなく、食欲の低下や元気のなさ、お腹の張りといった様子が見られるときは、便秘だけでなく脱水や腸閉塞などの可能性もあるため、早めに動物病院を受診するのが安全です。
食べたものによって色や質感が変わる点も知っておくと安心です。たとえば、ブルーベリーやビーツなど色素の濃い食材を与えた翌日は、便が紫がかった色や赤みを帯びた色になることがあります。前日の食事内容を思い返して心当たりがあれば、慌てる必要はありません。ただし、食事と関係なく赤黒い便や鮮血が混じった便が出た場合は、消化管からの出血が疑われるため、早めに動物病院を受診してください。

日々のうんちを観察していると、色・形・におい・頻度の4つのポイントに変化が現れたとき、体調不良のサインであることが少なくありません。ここでは代表的な異常パターンと、その背景に考えられる原因を解説します。いずれの場合も、食事の影響で一時的に変化しているだけの可能性もあるため、まず直近の食事内容を振り返ったうえで、改善しない場合や元気・食欲の低下を伴う場合は動物病院への相談を優先してください。
便が形をとどめず水分が多い状態は、下痢のサインとして注意が必要です。フクロモモンガは成体でもおよそ100〜150g前後(個体差あり)と小柄なため、水分を失うスピードが速く、下痢による脱水が短時間で深刻化する場合があります。原因として多いのは、果物の与えすぎによる糖分過多、傷んだ食材の摂取、そしてストレスです。新しい環境に迎え入れた直後や、ケージの配置を大きく変えた直後に軟便になるケースも珍しくありません。
軟便や水っぽい便が見られたら、まず原因になりやすい甘い果物やおやつを中止し、普段食べ慣れた主食(ペレットなど)を中心にした食事に切り替えて様子を見ます。下痢の最中は昆虫や高脂肪の食材も控えめにしてください。急に食事内容を大幅に変えること自体が胃腸への負担になる場合もあるため、普段の主食をベースにするのがポイントです。水様便が数回続く、ぐったりして動きが鈍い、食欲がないといった様子が見られたら、早急にエキゾチックアニマルに対応した動物病院を受診してください。
便がいつもより小さく乾燥してポロポロと崩れる、あるいは明らかに排便の回数が減っている場合は便秘が疑われます。フクロモモンガの便秘は、水分摂取量の不足、食物繊維の偏り、運動不足などが原因になりやすい傾向があります。冬場にヒーターでケージ内を温めていると、給水ボトルの水がぬるくなって飲む量が減り、結果的に便が硬くなるケースも見られます。
対策としては、給水ボトルの水を1日2回交換して新鮮な状態を保つこと、カボチャやサツマイモなど食物繊維を含む食材をごく少量追加することが挙げられます。カボチャやサツマイモは糖質も多い食材のため、小指の先ほどの量にとどめ、主食の摂取量が減るようであれば中止してください。また、夜間にケージから出して部屋の中を探索させる時間を設けると、体を動かすことで腸の働きが促されます。部屋んぽ(室内散歩)をさせる際は、窓や隙間の封鎖、電気コードの撤去、誤飲しやすい小物の片付け、他のペットの隔離など安全対策を済ませたうえで、必ず目の届く範囲で行うようにしてください。30分〜1時間ほど探索させるだけでも、翌朝の排便状況が改善することがあります。
便全体が白〜灰色っぽい色をしている場合は、消化不良の可能性があります。脂質の多い食材の食べすぎだけでなく、カルシウム剤やサプリメントの影響、脱水による便の変色など原因は1つとは限りません。ミルワームやナッツ類など脂質の高い食材を多く与えていないか、サプリメントの量が適切かなど、食事内容を見直してみてください。白っぽい便が繰り返し出る場合や、元気・食欲の低下を伴う場合は、動物病院で診察を受けることをおすすめします。
一方、緑色の便は、小松菜やブロッコリーなど葉物野菜の色素や、着色されたフードの影響で現れることがあります。食事に心当たりがある場合は一時的な変化として様子を見ても構いません。ただし、食事の影響が考えにくいのに緑色の便が続く場合や、下痢を伴う場合は、細菌感染や寄生虫の可能性も含めて動物病院を受診してください。受診の際は、できるだけ新鮮な便を清潔な密閉容器(小さなプラスチック容器やチャック付き袋を二重にしたものなど)に入れて持参すると、獣医師が便検査をスムーズに行えます。便は時間が経つと検査精度が落ちるため、採取後は涼しい場所で保管し、なるべく早く持ち込むようにしてください。
フクロモモンガの便にはもともと独特のにおいがありますが、いつもと明らかに異なる腐敗臭や酸臭がする場合は、腸内環境が乱れている可能性があります。甘いおやつや人間の食べ物を誤って口にした後に起こりやすく、腸内の悪玉菌が増殖して発酵ガスが発生している状態です。食事内容をペレット中心に戻し、小動物用の整腸サプリメントを少量添加すると改善に向かうこともあります。
ただし、においの異常が数日続く場合や、下痢・食欲低下を伴う場合は感染症などが隠れている可能性もあるため、動物病院に相談してください。

フクロモモンガは決まった場所に排泄する習性を持たないため、ケージの床材、ステージ、ポーチの中など至るところにうんちが付着します。掃除の頻度と方法を工夫することで、においの蓄積を防ぎ、衛生的な飼育環境を維持できます。
朝のうちにケージ底のトレーを引き出し、うんちと汚れた床材を取り除くのが基本です。床材にはペットシーツを敷いておくと、シーツごと丸めて捨てるだけで済むため手間が省けます。木製チップやコーンリターを使う場合は、汚れた部分だけスプーンですくい取り、減った分を補充する方法が経済的です。ステージやホイール(回し車)に付着した便は、水で湿らせたキッチンペーパーで拭き取ります。
ポーチや寝袋は2〜3日に1回を目安に交換し、洗い替えを2〜3枚用意しておくと、洗濯が追いつかないという事態を避けられます。洗濯時は香料の強い洗剤を使わず、ペット用洗剤か無香料の中性洗剤を選ぶと、フクロモモンガの嗅覚への刺激を抑えられます。
週に1回はケージ本体を丸洗いすることで、こびりついた尿や便の汚れをリセットできます。ケージを浴室に持ち込み、ぬるま湯とスポンジで全体をこすり洗いします。洗剤や消毒剤を使う場合は成分表示を確認し、フクロモモンガに刺激の少ないものを選んでください。強い塩素系の製品は避け、使用後は流水で十分にすすいでから完全に乾燥させます。金属製のケージは水分が残ると錆びの原因になるため、タオルで水気を拭き取ってから風通しのよい場所で乾かすのがポイントです。
部屋全体のにおいが気になる場合は、ケージの近くにペット対応の空気清浄機を設置する方法が効果的です。脱臭フィルター搭載のモデルであれば、便や尿から発生するアンモニア臭を効率よく吸着してくれます。アロマディフューザーや芳香剤はフクロモモンガの呼吸器に負担をかけるおそれがあるため、使用を避けてください。
フクロモモンガを手に乗せて遊んでいるとき、ふと手のひらにぽろっとうんちが落ちてくる経験は、飼い主であれば一度は通る道です。フクロモモンガにはトイレの場所を覚える習性がほとんどなく、移動中や食事中、遊んでいる最中でも排泄します。これは野生下で樹上を素早く移動する生活に適応した結果であり、しつけで改善できるものではありません。
部屋んぽ中のうんち対策としては、遊ばせるスペースにあらかじめペットシーツやレジャーシートを敷いておく方法が現実的です。フローリングは滑りやすく、爪の引っかかりや転倒の原因にもなるため、シーツやマットを敷いて足場を確保しておくと、排泄物の処理と安全対策を兼ねられます。
手の上での排泄を減らすコツとして、ポーチから出した直後の数分間はケージの上やステージの上で過ごさせ、排泄を済ませてからハンドリングに移るという流れを習慣にする方法があります。フクロモモンガは起きてすぐのタイミングで排泄することが多いため、この数分間の「ウォーミングアップ」を挟むだけで、手の上に便が落ちる頻度はかなり下がります。もちろん完全にゼロにはなりませんが、ティッシュを手元に用意しておけば慌てずに対応できます。

日々の観察で異変に気づいたとき、自宅で様子を見るべきか、すぐに病院へ連れていくべきか迷う場面は少なくありません。以下のような便の状態が見られたら、速やかにエキゾチックアニマル対応の動物病院を受診してください。
便に鮮血が混じっている、または便全体が黒いタール状になっている場合は、消化管のどこかで出血が起きている可能性があります。上部消化管(胃や小腸の上部)からの出血は黒いタール便として、下部消化管(大腸や肛門付近)からの出血は鮮血便として現れる傾向があります。いずれも放置すると貧血が進行するリスクがあるため、便の実物を清潔な密閉容器に入れて持参し、獣医師に見せてください。
排便が明らかにない状態が2〜3日以上続き、食欲低下や元気のなさ、お腹の張りを伴う場合も受診の目安です。腸閉塞や異物誤飲が原因で便が出なくなっているケースでは、時間が経つほど症状が悪化します。フクロモモンガはケージ内の布製品の繊維やスポンジの破片を誤って飲み込むことがあり、これが腸に詰まると自力での排出は困難です。
水様便が数回続いて止まらない、ぐったりして動かない、体重が前日より10%以上減少している場合は、脱水が深刻な段階に入っている可能性があります。フクロモモンガの成体の体重はおよそ100〜150g前後(雌雄差や個体差あり)のため、10〜15gの減少でも体にとっては大きな負担です。キッチンスケールで毎日体重を量る習慣をつけておくと、変化にいち早く気づけます。
動物病院を受診する際は、直近2〜3日の食事内容、便の変化が始まった時期、便の写真または実物を用意しておくと、診察がスムーズに進みます。エキゾチックアニマルを診られる病院は限られているため、飼い始めた段階で自宅から通える範囲の対応病院を調べておくと、緊急時に慌てずに済みます。
フクロモモンガのうんちは、毎日の健康状態を知るための手がかりです。濃い茶色から黒褐色で米粒大の楕円形であれば健康な便と判断でき、色・形・におい・頻度に変化が現れたときは食事や体調を見直すタイミングです。水っぽい便が続くときは甘い果物やおやつを控えてペレット中心の食事に切り替え、硬い便や排便回数の減少が見られるときは水分補給と運動量の確保を意識してみてください。
トイレを覚えない性質は生き物としての特性であり、叱ったりしつけたりするものではありません。ペットシーツの活用や掃除のルーティン化で対処しながら、フクロモモンガとの暮らしを楽しんでください。便に血が混じる、排便が明らかにない状態が続く、水様便が止まらないといった異常が見られたら、自己判断で長く様子を見ず、動物病院への相談を優先することが、小さな体を守る一番確実な方法です。



