うさぎにトマトを食べさせていいのか、結論からお伝えすると「完熟した赤い実の部分だけなら少量与えてOK」です。ただし、葉や茎、ヘタなどの緑の部分には有毒な成分が含まれているため、安全のために取り除いてから与えるようにしましょう。
トマトは野菜というより果物に近い位置づけで、水分や糖分が多いため、積極的におすすめできる食材とは言えないのが正直なところです。とはいえ、正しい知識を持って適量を守れば、たまのご褒美として楽しませてあげることはできます。この記事では、うさぎにトマトを与える際の注意点や適切な量、避けるべき部位について詳しくお伝えしていきます。
うさぎにトマトは食べさせていいの?【結論】

うさぎにトマトを与えることについては、実は賛否両論があります。「絶対にNGではないけれど、おすすめはしない」というのが多くの専門家の見解です。その理由を詳しく見ていきましょう。
完熟した赤い実の部分は少量ならOK
真っ赤に熟したトマトの実の部分であれば、少量を与える分には問題ありません。完熟したトマトの果肉部分には、有害な成分はほとんど含まれていないためです。
トマトにはリコピンやビタミンC、カリウムなどの栄養素が含まれています。ただし、うさぎは主食の牧草を中心に必要な栄養を摂取しているため、トマトはあくまでも「たまのご褒美」という位置づけで十分です。
ただし、ここで強調しておきたいのは「少量」という点です。トマトは水分が多く、糖分も含まれているため、たくさん与えてしまうとお腹を壊したり、肥満の原因になったりする可能性があります。あくまでも「たまのおやつ」として、ごく少量を楽しませてあげる程度にとどめておくのが安心です。
葉・茎・ヘタなど緑の部分は避ける
トマトの葉、茎、ヘタなど緑色の部分は、安全のために取り除いてから与えましょう。これらの部位には「トマチン」が含まれており、うさぎの体に負担をかける可能性があるためです。
特に気をつけたいのはヘタの部分です。実を与えるときについ見落としてしまいがちですが、ヘタも緑の部位なので、しっかり取り除いてから与えるようにしてください。また、まだ青い未熟なトマトにもこうした成分が多く含まれているため、必ず赤く完熟したものを選ぶことが大切です。
うさぎは私たちよりもずっと小さな体をしています。人間にとっては問題にならない量でも、うさぎにとっては負担になることがあります。「ちょっとくらい大丈夫だろう」と安易に考えず、緑の部分は避けて赤く熟した果肉だけを与えるようにしましょう。
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うさぎにトマトを与える際の注意点

トマトを安全に与えるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。与える量や頻度、下準備の方法について詳しく見ていきましょう。
与える量と頻度の目安
トマトは果物に近い「おやつ」として、ごく少量を週に1回程度から試してみるのがおすすめです。目安としてはミニトマト1/4個〜1/2個程度で、毎日のように与えたり、一度にたくさん与えたりするのは避けてください。
トマトは水分が多く糖分も含まれているため、与えすぎるとうさぎがお腹を壊してしまう可能性があります。お腹がゆるくなるようであれば、与えるのを控えましょう。
うさぎの食事は「牧草が主食、野菜は補助、果物やトマトはご褒美」というバランスが基本です。ペレットが牧草を補う副食という位置づけになり、野菜や果物は「おやつ」として少量を楽しませてあげるもの、という認識を忘れないようにしましょう。トマトだけに偏らず、他の野菜とローテーションしながらバランスよく与えることをおすすめします。
トマトの下準備と与え方
トマトをうさぎに与える前には、必ず丁寧な下準備が必要です。まず、よく水洗いをして農薬などを落とします。可能であれば無農薬のものを選ぶとより安心です。
次に、ヘタをしっかり取り除きます。ヘタの周りの緑色の部分も念入りに取り除いてください。
ミニトマトやプチトマトを与える場合も同様に、丸ごとポンと与えるのではなく、ヘタを取り除いて小さくカットしてから与えるようにしましょう。また、冷蔵庫から出したばかりの冷たいトマトは避け、必ず常温に戻してから与えてください。冷たいものを食べるとうさぎはお腹を壊してしまう可能性があります。
子うさぎには与えない
生後12週(約3ヶ月)未満の子うさぎには、トマトを含む生野菜は与えないでください。うさぎが生の野菜を安全に消化できるようになるのは、離乳後しばらく経って胃腸の状態が安定してからです。
子うさぎの消化器官はまだ発達途中のため、水分の多いトマトを与えると下痢を起こしてしまう可能性があります。生野菜は生後12週以降に、1種類ずつ・ごく少量から始めて、徐々に野菜の味に慣れてもらうようにしましょう。
初めてトマトを与える場合は、特に少量から始めて、食べた後のうさぎの様子をよく観察することが大切です。お腹がゆるくなったり、元気がなくなったりする様子がないか、しっかり確認してあげてください。
トマトに含まれるトマチンとは
トマトの葉や茎などの緑の部分に含まれている成分について、もう少し詳しくお伝えしておきます。
トマトの緑の部分には、トマチンが含まれています。これはトマトが自己防衛のために作り出す成分で、昆虫に食べられないようにするために合成しているものです。じゃがいもの芽に含まれる「ソラニン」と同じ仲間の成分で、苦味の原因にもなっています。
これらの成分の含有量は、トマトの部位や熟し具合によって大きく異なります。花、葉、茎に最も多く含まれており、未熟な青い実ではそれよりも少なく、完熟した赤い実ではかなり少なくなります。つまり、赤く熟したトマトの実であれば、含有量はごくわずかなため、少量を食べる分には心配はいりません。
うさぎの体は私たちよりもずっと小さいため、念のため緑の部分は避けておくのが安心です。赤く熟した果肉だけを選んで与えるようにしましょう。
トマトを与えるメリットとデメリット

トマトをうさぎに与えることには、良い面もあれば気をつけるべき面もあります。両方を理解した上で、与えるかどうかを判断しましょう。
トマトに含まれる栄養素
トマトにはリコピン、ビタミンC、ビタミンA、カリウムなどの栄養素が含まれています。特にリコピンは抗酸化作用があることで知られています。
ただし、これらの栄養素はうさぎにとって必須というわけではありません。うさぎは主食の牧草が盲腸で発酵されることで必要な栄養を吸収しているため、トマトを食べなければ健康を維持できないということはないのです。あくまでも「ちょっとしたご褒美」程度の位置づけで考えておくのが良いでしょう。
与えすぎによるリスク
トマトを与えすぎた場合、いくつかのリスクがあります。まず、水分が多いため、与えすぎると下痢や軟便の原因になります。特にこれまで野菜をあまり食べてこなかったうさぎや、消化器官がまだ発達途中の子うさぎは、お腹を壊しやすい傾向があります。
また、トマトには糖分も含まれているため、毎日のように与えていると肥満の原因になることがあります。トマトが好きでよく食べてくれるうさぎも多いようですが、喜ぶからといって与えすぎないよう、飼い主さんがしっかりコントロールしてあげてください。
なお、もともと尿路系のトラブルを抱えているうさぎの場合は、与える食材全般について獣医師に相談しておくと安心です。
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うさぎがトマトを食べた後に注意すべきこと

トマトを与えた後は、うさぎの様子をよく観察することが大切です。特に初めてトマトを与えた場合は、数時間から翌日にかけて、普段と変わった様子がないか注意深く見守ってください。
確認しておきたいポイントとしては、フンの状態があります。普段と比べて軟らかくなっていないか、下痢をしていないかをチェックしましょう。また、食欲が落ちていないか、元気がなくなっていないかも確認してください。
万が一、トマトの葉や茎を誤って食べてしまった場合は、念のためかかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。症状の出方には個体差があり、少量であれば問題ないことも多いですが、専門家の判断を仰いでおくと安心です。
何か異変を感じたら、すぐに獣医師に相談するようにしてください。そして、二度と危険な部位を口にすることがないよう、保管場所や与え方には十分注意しましょう。
まとめ
うさぎにトマトを与えることについて、詳しくお伝えしてきました。
完熟した赤い実の部分であれば、ミニトマト1/4個〜1/2個程度を週に1回程度、おやつとして与える分には問題ありません。ただし、葉や茎、ヘタなどの緑の部分にはグリコアルカロイドが含まれているため、安全のために取り除いてから与えましょう。青い未熟なトマトも同様に避けてください。
トマトは野菜というより果物に近い「おやつ」の位置づけです。水分や糖分が多いため、与えすぎには注意が必要ですし、他にもっと安心して与えられる野菜はたくさんあります。
それでもトマトを与えたい場合は、この記事でお伝えした注意点をしっかり守って、適量を楽しませてあげてください。うさぎの健康を守るためには、飼い主さんが正しい知識を持って食事をコントロールしてあげることが何より大切です。