うさぎと暮らしていると、自分が食べている野菜を「この子にもあげて大丈夫かな?」とふと気になる瞬間がありますよね。なかでもピーマンは、冷蔵庫に常備している方も多い身近な野菜。「あげてもいいのか、やめておいたほうがいいのか」と迷っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、うさぎはピーマンを食べることができます。ただし、与え方や量にはいくつか気をつけたいポイントがあります。この記事では、ピーマンをうさぎに与えるときの具体的な方法、含まれる栄養素、気をつけておきたい注意点などを、ひとつひとつ丁寧に解説していきます。
うさぎにピーマンを与えても大丈夫な理由

ピーマンはうさぎが食べられる野菜のひとつ
ピーマン(甘味種のトウガラシ)の果実は、うさぎが食べても問題のない野菜です。かつては「避けたほうがよい」とされていた時期もありましたが、現在では与えてよい野菜として広く認識されています。もちろん、どんな野菜でもそうであるように、いきなり大量に与えるのではなく、少量から始めて便や食欲に変化がないかを確認しながら取り入れていくことが前提です。
ピーマンはナス科トウガラシ属の「甘味種」
ピーマンの植物学上の分類は、ナス科トウガラシ属です。「トウガラシの仲間」と聞くとちょっとドキッとするかもしれませんが、私たちが普段食べている緑ピーマンは、トウガラシから辛み成分(カプサイシン)を取り除くように品種改良された「甘味種」と呼ばれるグループに属しています。辛みはほぼなく、うさぎが辛さで体調を崩すような心配は基本的にありません。
ただし、甘味種とはいえ独特の苦みや風味があるのもピーマンの特徴です。うさぎによって好き嫌いが分かれやすい野菜なので、与えるときのちょっとした注意点については後ほど詳しく触れていきます。
ピーマンに含まれる栄養素とうさぎへのメリット

ビタミンCが豊富
ピーマンの代表的な栄養素といえば、やはりビタミンCです。可食部100gあたり約76mgのビタミンCが含まれており、これはトマトの約5倍にもなります。
うさぎは体内でビタミンCを合成できる動物なので、モルモットのように外部からビタミンCを積極的に摂取しなければならないということはありません。それでも、体調が優れないときや換毛期で体力を消耗しているときなどには、野菜からのビタミン補給がちょっとした助けになることもあります。
β-カロテンとビタミンE
ピーマンにはβ-カロテンも含まれており、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持に関わる栄養素で、うさぎの毛並みや目の健康をサポートしてくれる可能性があります。
また、抗酸化作用をもつビタミンEも緑ピーマンにはバランスよく含まれています。これらの栄養素が少量ずつ複合的に摂れるのは、ピーマンならではの魅力といえるでしょう。
低カロリーで水分補給にも
ピーマンは100gあたり約20kcalと、野菜のなかでもカロリーが低い部類に入ります。水分量も90%以上と多いため、暑い季節のちょっとした水分補給のサポートにもなり得ます。ただし、水分が多い野菜を一度に大量に食べるとお腹がゆるくなる原因にもなるので、あくまで少量を楽しむ程度に留めるのがポイントです。
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うさぎにピーマンを与えるときの具体的な方法

量の目安は「ひと口〜ふた口サイズ」から
うさぎに初めてピーマンを与えるときは、5mm〜1cm角程度の小さなひと切れから始めるのが安心です。最初からたくさん与えるのではなく、まずはひと口あげてみて、食べるかどうか、翌日のフンの状態に変化がないかなどを観察しましょう。
うさぎにも当然好みがあり、ピーマンの独特の苦みや青臭さを嫌がる子は少なくありません。食べなかったとしても無理に与える必要はなく、「この子はピーマンが苦手なんだな」と受け止めてあげてください。
慣れてきた子であっても、1回に与える量はピーマン1/4個程度を目安にするのがよいでしょう。毎日同じ野菜を与え続けるのではなく、他の野菜とローテーションしながら少量ずつ取り入れていくのが理想的な与え方です。
ヘタと種は取り除いてあげると安心
ピーマンをうさぎに与えるときは、硬いヘタは取り除いておきましょう。ヘタは食べにくいだけでなく、農薬が残りやすい部位でもあります。種やワタの部分は苦み成分が集中しやすく、嫌がる子も多いので、気になる場合は取り除いてあげるとよいでしょう。
下処理としては、ヘタを切り落として種を軽く取り除き、果肉を薄くスライスするか小さくカットしてから与えるのがおすすめです。
農薬への配慮も忘れずに
スーパーで購入した一般的なピーマンには、農薬が残っている可能性があります。うさぎは人間よりも体が小さいぶん、残留農薬の影響を受けやすいといわれています。
与える前には流水でしっかりと洗うことを習慣にしましょう。できれば無農薬・有機栽培のものを選べると、より安心感があります。野菜専用の洗浄剤を使うという方法もあるので、気になる方は取り入れてみてもよいでしょう。
常温に戻してから与える
冷蔵庫から出したばかりの冷たいピーマンをそのまま与えると、うさぎのデリケートな消化器官に負担をかけてしまうことがあります。食べさせる少し前に冷蔵庫から出しておき、常温に戻してからあげるようにしましょう。ほんの少しの手間ですが、お腹の調子を守るためにはこの一工夫が大切です。
パプリカや赤ピーマンも与えて大丈夫?

パプリカもうさぎに与えられる
赤や黄色、オレンジなど鮮やかな色合いが特徴のパプリカ。ピーマンと同じナス科トウガラシ属の野菜で、トウガラシから辛みを取り除いて肉厚に、甘みが感じられるように改良された品種です。
パプリカもうさぎに与えて問題のない野菜です。ピーマンと同様にビタミンCやβ-カロテンを含んでおり、とくに赤パプリカはビタミンCの含有量が緑ピーマンの約2倍以上ともいわれています。甘みがあるぶん、緑ピーマンよりも喜んで食べてくれる子がいるかもしれません。
赤ピーマンという選択肢
緑色のピーマンは未熟な状態で収穫されたもので、そのまま畑で完熟させると赤く色づきます。これが赤ピーマンです。赤ピーマンは緑ピーマンに比べて苦みが少なく、甘みが強いという特徴があり、栄養価も高くなる傾向にあります。
ピーマンの苦みが苦手で食べてくれないうさぎには、赤ピーマンやパプリカから試してみるのもひとつの手です。ただし、いずれの場合も与える量は少量にとどめ、硬いヘタを取り除くといった基本的な下処理は同じように行ってください。
うさぎにピーマンを与えるときの注意点

与えすぎには気をつける
どんなに栄養のある野菜であっても、ひとつの野菜ばかりを大量にあげてしまうのは避けたいところです。うさぎの主食は牧草(チモシーなどの乾草)とペレットであり、野菜はあくまで副食という位置づけです。
副食としての野菜は、葉物野菜を中心に据え、ピーマンのような非葉物野菜は控えめに添えるのがバランスのよい与え方です。たとえば、1日の野菜のうち葉物(小松菜、サニーレタス、大葉など)を7〜8割、ピーマンのような非葉物を2〜3割というイメージで取り入れると偏りにくくなります。ピーマンだけで副食枠を埋めてしまうのではなく、いろいろな種類をローテーションしていくのが望ましいでしょう。
おいしそうにモグモグ食べてくれる姿を見るとつい追加してあげたくなりますが、そこはぐっとこらえましょう。牧草の摂取量が減ってしまうと、歯の伸びすぎや消化トラブルといった別の健康問題につながるおそれがあります。
初めての野菜は様子を見ながら
ピーマンは甘味種とはいえ、独特の苦みや風味をもつ野菜です。うさぎによっては味が合わなかったり、お腹の調子に影響が出たりすることもゼロではありません。
これはピーマンに限った話ではなく、初めて口にする野菜全般にいえることですが、少量ずつ様子を見ながら取り入れていくことが大切です。はじめて食べたあとに軟便やフンの異常が見られた場合は、無理に続けず控えるようにしましょう。うさぎの体質は一頭一頭違うので、「他の子が食べているからうちの子も大丈夫」とは限りません。
子うさぎには野菜を早い段階では与えない
生後間もないうさぎの消化器官はまだ未発達で、生野菜をうまく消化・吸収する力が十分に備わっていません。一般的に、生野菜を与え始めてよいとされるのは生後3〜4か月以降とされています。
さらに、1種類の野菜を少量ずつ試すところからスタートし、生後7〜8か月を過ぎたころから徐々に種類を増やしていくという段階的なアプローチが推奨されています。ピーマンのような非葉物野菜は、まず葉物野菜に慣れてから取り入れるのが安心です。
食べ残しはすぐに片づける
うさぎに与えた野菜が食べ残されたまま放置されると、傷んで雑菌が繁殖してしまいます。とくにピーマンのような水分の多い野菜は傷みやすいため、食べ残しがあった場合はできるだけ早くケージから取り除くようにしましょう。衛生的な環境を保つことが、うさぎの健康を守る基本です。
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まとめ
うさぎにピーマンを与えることは、基本的に問題ありません。ピーマン(甘味種のトウガラシ)の果実はうさぎが食べられる野菜のひとつで、ビタミンCやβ-カロテン、ビタミンEなどの栄養素を少量ずつ摂取できるのも嬉しいポイントです。
とはいえ、ピーマンは非葉物野菜に分類されるため、与える量は少量にとどめることが前提です。硬いヘタは取り除き、よく洗ってから常温に戻して与えるという基本の下処理も忘れないようにしましょう。
大切なのは、うさぎの主食はあくまで牧草とペレットであり、野菜は日々の食事にちょっとした彩りと楽しみを添えるものだという意識を持つことです。ピーマンに限らず、いろいろな野菜を少量ずつローテーションしながら、うさぎとの食の時間を楽しんでいきましょう。