リチャードソンジリス(学名: Urocitellus richardsonii / 英名: Richardson's ground squirrel)は、ずんぐりとした体型と愛らしい立ち姿で人気が高まっている地上性のリスです。お迎えを検討するうえで気になるのが、生体の購入価格と飼育にかかるお金の全体像ではないでしょうか。
リチャードソンジリスの値段は、毛色・月齢・購入時期・販売店舗などの条件で上下します。さらに、ケージや飼育用品をそろえる初期費用、毎月のエサ代や医療費といったランニングコストも発生します。
この記事では、購入価格に影響する要素と、お迎え後に必要となる費用を整理しています。予算の見通しを立てるための参考にしてください。
リチャードソンジリスの値段相場と価格帯の目安

リチャードソンジリスの値段は、一般的なペットショップやエキゾチックアニマル専門店で1万5000円〜4万円程度の範囲に収まるケースが多いです。ハムスターやデグーなど他の小型げっ歯類と比較すると、やや高めの価格帯に位置します。
毛色による価格の違い
価格に幅がある理由のひとつが毛色です。リチャードソンジリスには、茶褐色のノーマルカラーのほか、淡い毛色の個体が流通しています。淡い毛色の個体はショップで「ホワイト」と呼ばれることがありますが、この呼称や色の程度は店舗によって異なり、遺伝的に固定されたカラー品種とは限りません。
ノーマルカラーは流通量が比較的多いため1万5000円〜2万5000円ほどで販売されることが多い一方、淡い毛色の個体は流通量が少なく、3万円〜4万円、あるいはそれ以上の値段がつくこともあります。毛色で選ぶ場合は、実物を見たうえでスタッフから個体の説明を受けるようにしてください。
月齢による価格の違い
もうひとつの変動要因が月齢です。生後2〜3か月ほどの幼い個体は人気が高い傾向があり、価格も高めに設定されやすいです。これは、幼いうちからスキンシップを重ねることで人に慣れやすくなると考えられているためですが、慣れ方には個体差があり、ショップの販売戦略や在庫状況も価格に影響します。
生後半年以上が経過した個体やアダルト個体は価格が下がることがあります。ただし、成長した個体でも、時間をかけて接すれば人との距離を縮められるケースは珍しくありません。
購入時期による価格の違い
購入時期も価格に影響します。リチャードソンジリスは春〜初夏にかけてベビー個体の流通量が増える傾向がありますが、実際の入荷時期は輸入・繁殖・検疫などの事情によって年や店舗ごとに変動します。流通量が多い時期は比較的手頃な価格で販売されることがあり、秋から冬にかけては流通量が減少するため値段が上がりやすくなります。
リチャードソンジリスはどこで購入できる?
リチャードソンジリスの主な購入先は、エキゾチックアニマル専門店、総合ペットショップ、ブリーダーからの直接購入の3つです。それぞれの特徴を把握しておくと、自分に合った入手方法を選びやすくなります。
エキゾチックアニマル専門店
エキゾチックアニマルを中心に扱う専門店は、リチャードソンジリスの取り扱い経験が豊富なスタッフが在籍していることが多いです。飼育方法や個体の性格について具体的なアドバイスを受けられる点が魅力です。価格帯は相場通りかやや高めに設定されていることがありますが、健康状態の管理や販売前の馴致(人慣れのトレーニング)に力を入れている店舗も見られます。購入後のアフターフォローが受けられるかどうかも、店舗選びのひとつの基準になります。
総合ペットショップ
犬や猫を中心に扱う総合ペットショップでも、リチャードソンジリスを取り扱っている場合があります。ただし、すべての店舗に在庫があるわけではなく、入荷のタイミングも不定期です。価格は専門店と同程度か、やや安く設定されていることもあります。一方で、リチャードソンジリスに特化した飼育知識を持つスタッフが少ない場合があるため、購入前に飼育方法を自分でも調べておくと安心です。
ブリーダーからの直接購入
リチャードソンジリスを繁殖しているブリーダーから直接購入する方法もあります。ブリーダーからの購入は、親個体の性格や健康状態を確認できる点がメリットです。また、中間マージンが発生しないため、ショップよりも価格が抑えられるケースもあります。ただし、リチャードソンジリスを専門に繁殖しているブリーダーの数は多くなく、地域によっては見つけにくいことがあります。SNSやエキゾチックアニマルの即売会イベントを通じて情報を得るのがひとつの方法です。
お迎え時に必要な初期費用の内訳

リチャードソンジリスを飼い始めるには、生体の購入費用に加えて飼育環境を整えるための初期費用が1万5000円〜3万円ほどかかります。生体代と合わせると、お迎え時のトータルコストは3万〜7万円程度を見込んでおくと余裕を持てます。
ケージ
リチャードソンジリスは地中に巣穴を掘って暮らす動物であり、平面での活動スペースを広く確保する必要があります。目安として、底面積が幅60cm×奥行き40cm以上あるケージが適しています。金属製のワイヤーケージやガラス水槽タイプが使われることが多く、価格帯は5000円〜1万5000円ほどです。ワイヤーケージは通気性に優れますが、リチャードソンジリスが金網をかじって歯を傷めるリスクがあるため、素材や網目の細かさに注意が必要です。
床材
ケージの底には床材を敷きます。リチャードソンジリスは穴掘り行動を好むため、牧草や紙製チップなど、粉塵の少ない素材を5cm以上の厚さで敷き詰めるのが基本です。穴掘り欲求を満たすには、可能な範囲でより深めに敷くのが望ましいです。香り付きの製品や防虫剤入りの床材は呼吸器に負担をかける可能性があるため避けてください。床材は消耗品ですが、初回にまとめて購入する場合は1000円〜2000円程度を見ておくとよいでしょう。
回し車・巣箱・給水ボトル
リチャードソンジリスは運動量が多い動物です。ケージ内に回し車を設置すると、運動不足の解消に役立つことがあります。ただし、回し車の使用にはいくつかの注意点があります。
走行面が金網やメッシュになっているタイプは、指や尻尾を挟み込んでケガをする恐れがあるため避けてください。走行面がフラット(平面)で、挟み込みの起きにくい構造のものを選ぶ必要があります。サイズは背中が反らない十分な直径(目安として25〜30cm以上)を確保してください。また、個体によっては回し車を使わないこともあるため、回し車だけに頼らず、巣穴行動を満たす深い床材のレイアウトや、安全を管理したうえでの室内散策を組み合わせて運動の機会を確保するのが望ましいです。
巣箱は隠れ家として安心できるスペースを確保するために必要で、木製や陶器製のものが1000円〜2000円程度で入手できます。給水ボトルは500円〜1000円程度です。回し車は1500円〜3000円ほどで、これらを合計するとケージ内の基本的なレイアウトを整えるだけで3000円〜6000円ほどかかります。
温度管理用品
リチャードソンジリスは暑さにも寒さにも弱く、適温は20〜25度とされています。夏場はエアコンによる室温管理が基本ですが、冬場はペット用ヒーターを併用するケースが多いです。ヒーターの価格は2000円〜5000円程度です。温湿度計も合わせて用意し、日常的に室温を確認できる環境を整えてください。
飼育下で室温が低下すると、リチャードソンジリスは低体温状態に陥ることがあります。これは野生下の冬眠とは異なり、体が冷たくなる・動かない・呼吸が弱くなるといった症状が見られる緊急性の高い状態です。このような様子が確認された場合は、タオルで包むなどしてゆるやかに保温しながら、エキゾチックアニマルの診療に対応している動物病院へ早急に連れて行ってください。
毎月かかるランニングコストの目安
リチャードソンジリスの飼育にかかる毎月のランニングコストは、おおむね3000円〜5000円が目安です。内訳はエサ代、床材の交換費用、そして消耗品の補充が中心になります。
エサ代
リチャードソンジリスはプレーリードッグに近縁の地上性リスであり、食性は高繊維・低脂肪が基本です。主食はチモシーなどの牧草で、食べ放題にしておくのが基本です。これに加えて、プレーリードッグ用など高繊維・低脂肪に配合されたペレットを少量与えます。
ペレットの給与量は製品の表示を基本にしつつ、体型や体重の推移を見ながら調整してください。肥満傾向が見られる場合は、獣医師に相談して適正量を確認するのが安全です。副食として少量の野菜(小松菜、ブロッコリーなど)を与えることもあります。
ひまわりの種やナッツ類はリチャードソンジリスが好んで食べますが、脂質が高いため与えすぎると肥満の原因になります。おやつとしてごく少量にとどめてください。また、種子やナッツが主体のミックスフードは脂質が高くなりやすいため、主食としては適していません。牧草とペレットを合わせた月々のエサ代は1500円〜3000円程度です。
床材の交換費用
床材は衛生面を保つために定期的な交換が必要です。汚れた部分は毎日取り除き、全体の入れ替えは汚れ具合に応じて行います。巣材として使っている部分は匂いを完全に消さないよう一部を残すと、リチャードソンジリスのストレス軽減につながります。環境やケージサイズ、トイレの状況によって交換頻度は変わるため、臭いや湿り気を目安に判断してください。月あたりの床材費用は1000円〜2000円程度です。
医療費
リチャードソンジリスはエキゾチックアニマルに分類されるため、診察できる動物病院が限られます。お迎え前に、近隣でリチャードソンジリスを診てくれる動物病院を探しておく必要があります。
健康な状態であれば毎月の医療費は発生しませんが、年に1〜2回の健康診断を受けておくと、病気の早期発見につながります。診察のみでも数千円程度かかり、糞便検査やレントゲンなどの検査が加わると1万円以上になることもあります。エキゾチックアニマルの診療費は地域差が大きいため、事前に動物病院へ費用の目安を確認しておくと安心です。
リチャードソンジリスに起きやすいトラブルとしては、歯の不正咬合、皮膚疾患、消化器系の不調などがあります。以下のような症状が見られた場合は、早めにエキゾチックアニマルの診療に対応した動物病院を受診してください。
- エサを食べなくなった、食べる量が減った
- よだれが多い、口周りが濡れている
- 急な体重減少
- 下痢や血便が続く
- 呼吸音がおかしい、くしゃみが多い
- 毛を掻きむしる、皮膚に赤みや脱毛がある
治療費は症状によって1万円〜数万円かかることもあるため、万が一に備えて医療費の積み立てを意識しておくと慌てずに済みます。
値段だけで判断しないために知っておきたいこと
リチャードソンジリスの値段は個体や購入先によって差がありますが、安いからお得、高いから安心とは限りません。価格以外にも確認しておきたいポイントがあります。
健康状態を見極める
購入前に個体の健康状態を自分の目で確認することが、その後のトラブルを減らすことにつながります。チェックしたい点としては、目に輝きがあるか、鼻水や目やにが出ていないか、毛並みにツヤがあるか、お尻周りが汚れていないか、といった外見上のサインがあります。
また、ケージ内で活発に動き回っている個体は、体調が安定している可能性が高いです。極端に安い価格で販売されている個体は、健康面に不安を抱えている場合もあるため、販売スタッフに状態を詳しく聞いてみてください。
リチャードソンジリスの寿命と長期的な費用を考える
リチャードソンジリスの寿命は飼育下でおよそ5〜7年です。仮に7年間飼育した場合、毎月のランニングコスト3000円〜5000円を単純計算すると、生涯で25万円〜42万円ほどの費用がかかります。これに初期費用や突発的な医療費を加えると、トータルの飼育費用は30万〜50万円規模になることも考えられます。
お迎え時の生体代だけでなく、長期間にわたって安定した飼育環境を維持できるかどうかを事前にシミュレーションしておくことで、飼い主にとってもリチャードソンジリスにとっても安心できる暮らしにつながります。
まとめ
リチャードソンジリスの値段は1万5000円〜4万円が相場であり、毛色や月齢、購入時期、販売店舗によって変動します。生体代に加えて、ケージや飼育用品の初期費用が1万5000円〜3万円、毎月のランニングコストが3000円〜5000円ほどかかります。寿命は5〜7年で、生涯を通じた飼育費用は30万〜50万円程度になる可能性があルト覚えておきましょう。