足立区生物園で開催中の「もっともっとモルモットキャンペーン2」。インタビュー前編では担当者に企画趣旨を聞きましたが、後編では実際にモルモットとのふれあいで工夫していることを聞いていきます。

モルモットがリラックスできる場所は? 足立区生物園の工夫と“居心地の良さ”

お話を聞かせていただいたのは、飼育担当の政岩さん。モルモットにとっての安心できる場所について、そして足立区生物園ならではの心地よさについても語ってもらいました。

モルモットとのふれあいについて

ーーモルモットは生物園で何頭ほど飼育されているんですか?
政岩さん:今は全部で約60頭ほど飼育しています。これが、生物園で飼育できるほぼ最大の頭数ですね。
ーーその中でふれあいに出る子が毎回変わるんですね。
政岩さん:そうですね。さすがに毎日毎日仕事するのは疲れちゃうので。午前と午後でもメンバーは変わりますので、よりたくさんの子に会いたい場合は午前からいらしていただいた方がいいですね。
実際そういうお客様もいらっしゃって、午前から来園されて、午後も参加される。触った子をメモしていてくれて、来るたびに「この子誰ですか?」ってスマホにメモをしてくださる方もいらっしゃいます。


ーーでは推しの子とふれあえる機会は貴重ですね。
政岩さん:曜日で決まってるわけではないのでそうですね(笑)。やはり動物なので、喧嘩しちゃったりとか、その時の状況や状態によって休ませたりすることがあるので。生き物相手というところでご理解いただいてますね。
ーー実際にふれあいはどのように?
政岩さん:基本のスタイルとしては、タオルを敷いて膝に直接モルモットを乗せて触ってもらう形です。ですが、小さなお子さんだったり、初めて触るから乗せるのはちょっと怖いなっていう方とかもいらっしゃるので、そういう方には、かごに入れたモルモットを見てみたり触ってみたりすることをご案内しています。
ただ、絶対に触ってもらいたいとかではないので、お客様に合わせた楽しみ方をしてもらうために、決して無理強いはしないですね。皆さんが楽しんでもらえるように工夫することを心がけています。
モルモットにとって安心できる場所とは?

ーーもうみんなリラックスしてますね。モルモットとふれあえる動物カフェなども行ったことがあるのですが、みんな隠れちゃったり、ストレスフルな環境だなと感じることもあったりして…。
政岩さん:慣れていないお客さんだと、不安定な持ち方をしたり、落としちゃったりすることがありますよね。動物が嫌な思いをすることが多いと、怖がって隠れたり、怯えたりするのがすごく伝わってきます。
生物園ではスタッフが常駐しているので、受け渡しも絶対スタッフがやりますし、ちょっとでも触り方が違っていたらすぐサポートしています。私たちはモルモットたちも常に快適な空間になるように心がけているので。
それに、モルモットたちがリラックスできているのは私たちだけではなくて、お客様がモルモットの気持ちになって優しく触ってもらえてるからなんだよ、というのを伝えています。

ーー素敵ですね。実際に安心する持ち方はどんな感じですか?
政岩さん:持つこと自体は私たちがやりますが、コツは安定させることですね。モルモットは中ぶらりんになってると怖がってしまうので、四肢がくっついて安定するような持ち方がいいです。


あとふれあうときに気を付けてほしいポイントをイラストでも提示しています。こちょこちょ触ったりはしないで、手のひらで大きく触ってもらうようにお伝えしています。
ーーどうしても犬や猫が身近なので、動物をさわるとき、指でカイカイするように触ってしまう方は多いと思います。
政岩さん:ワンちゃんはこちょこちょされるのを嬉しがったりしますが、個体にもよりますが、モルモットは基本そうではないんです。モルモットが嫌がってる反応も「嬉しがってる!」と思ってしまうお客様は結構いらっしゃいます。
頭を振り上げるときは特に嫌がっているので、見逃さないようにしているのと、誤解がないようにお伝えしています。このアクションも、初めて見る方にとっては喜んでいると思ってしまったりするので。

ーー反対に良い反応っていうのは、リラックスして伸びきっているとかですか?
政岩さん:そうですね。お腹をぺちょんってくっつけてるのはリラックスしてる証拠です。あとは毛繕いをしてたりとか、うんちを食べたりするのも、リラックスしてる時にやる行動ですね。
ふれあいコーナーは、動物を好きになってもらうための場所なので、動物をおもちゃのように扱ったりしないように、そしてモルモットにも意思があるので、動物と向き合う時の姿勢というものを学ぶ場になってほしい、という気持ちでお伝えています。
ついに実現した快適なふれあい部屋!

ーーあと、このふれあいのお部屋も暖かくていいですね。
政岩さん:実は、昔は外で行なっていたんです。なので特に夏は人もモルモットも大変で…。このお部屋は元々モルモットを飼育するバックヤードみたいなお部屋で、お客様が入るお部屋ではなかったんです。改装のアイデアはあったのですが、コロナの時期もあったりして、数年前にようやく実現できたんです。
夏もクーラーが効いて、冬も暖房でしっかり暖かいお部屋でふれあいができるようになりました。ただ、今年の夏は暑さが異常でしたよね。なので今年の夏は直接お膝に乗せるのをお休みして、箱の中に保冷剤を入れて、タオルを敷いて、モルモットをそこに入れて触ってもらうように変えました。
動物福祉のひとつとして、動物も人もなるべく快適にできるように工夫していて、特に今年はいろいろとやり方を変えてみました。
足立区生物園は「日常の一部に溶け込んでる動物園」

ーー足立区生物園は、大規模な動物園というわけではないですが、展示や動物のケアなど含めて手が行き届いてる感じがします。
政岩さん:ありがとうございます。大きい動物園には大きいからこその良さがありますよね。一方で生物園は小規模なので、仰っていただいたように目が届きやすいのも良さです。
あとは動物目線だけではなくて、人目線でもいいことがあるんです。生物園って、住宅街の真ん中にある公園の中にあるプチ動物園みたいな感じなので、平日なんかは未就学児のお子さんとそのお母さんたちや、おじいちゃんおばあちゃんのお散歩コースになっていたりして。日常の一部に溶け込んでる動物園っていうのが、ここの良さだと思います。

ーー居心地がいい空間ですよね。
政岩さん:大きい動物園に行く時は、「今日は動物園に行くぞ〜!」って、意気込んで休日のイベントとして行く場所みたいなイメージがありますが、生物園はふらっと来れる規模感なので。なので常連の方もすごく多くて、スタッフと来園者の方の距離感が近いっていうのも、ここの良さかなって思います。
小学校とかも近くにあって、ちょっと授業が早く終わる日は子どもたちだけで遊びに来て、わーって楽しんで、外の公園でも遊んで帰っていく様子をよく見かけます。
日常の中の一部にある施設なので、モルモットだけじゃなくて、虫が好きな子、魚が好きな子を、爬虫類が好きな子、それぞれがこう、好きなところで楽しめて、スタッフにも気軽にお話できる。そういうところが、小さい生物園だからこその大きな良いところかなって思います。
イベント概要
「もっともっとモルモットキャンペーン2」
日程:2024年11月20日~2025年1月13日
場所:東京都 足立区生物園
公式サイト:https://seibutuen.jp/special/mottomotto/guineapig.html
公式X:https://x.com/seibutuen_info
記事の執筆者
- Minima編集部
小動物のかわいさと、ペットとしてお迎えするときに知っておきたい情報を、Minima編集部がお届け。
おうちでの豊かでしあわせな暮らしをサポートします。
なお編集部のペットはクレステッドモルモット。実体験に基づいた、確かな情報をお伝えしていきます。
本記事に関するお問い合わせはこちらまでお願いいたします。
