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ハリネズミがかかりやすい6つの病気とは? 年齢ごとに徹底解説

ハリネズミがかかりやすい6つの病気とは? 年齢ごとに徹底解説

可愛らしい見た目とは裏腹に、実はとてもデリケートなハリネズミ。皮膚病やふらつき症候群など、特有の病気にかかりやすい傾向があります。しかし、適切な予防と早期発見があれば、平均寿命の3倍以上も健康に過ごすことができます。

本記事では、ハリネズミを長く健康に飼育するために必要な、6つの主要な病気の症状と対策、そして年齢に応じたケアポイントを詳しく解説。日々の観察ポイントから予防法まで、実践的な情報をお届けします。

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ハリネズミが罹患しやすい6つの病気

マフラーとハリネズミ

ハリネズミは愛らしいペットとして人気ですが、いくつかの特有の病気にかかりやすい傾向があります。早期発見と適切な治療により、多くの病気は予防や改善が可能です。飼い主さんは、普段の様子をよく観察し、変化に気付いたら速やかに獣医師に相談しましょう。

①ダニ寄生

ハリネズミの体には様々な種類のダニが寄生することがあります。特に耳や目の周り、足の付け根などの柔らかい部分に付きやすく、かゆみや皮膚の炎症を引き起こします。放置すると貧血や皮膚トラブルの原因となるため、定期的なチェックと予防が効果的です。

治療には獣医師の処方する駆虫薬や外用薬を使用します。

②皮膚糸状菌症

湿気の多い環境で発症しやすい真菌感染症です。円形の脱毛や皮膚の赤み、かさぶたなどの症状が現れます。他のペットや人間にも感染する可能性があるため、早期発見と治療が必須です。

予防には清潔な飼育環境の維持、適度な湿度管理、定期的な健康チェックが効果的です。

③子宮・卵巣の病気

花びらとハリネズミ

メスのハリネズミは子宮内膜症や卵巣嚢腫などを発症することがあります。食欲不振や活動量の減少、不正出血などが見られたら、獣医師への相談が推奨されます。

これらの病気は年齢とともに発症リスクが高まるため、特に高齢のメスは注意深い観察が必要です。予防的な不妊手術を検討することも一つの選択肢です。

④気管支炎

温度変化や埃に敏感なハリネズミは、気管支炎を発症しやすい傾向にあります。くしゃみや鼻水、呼吸音の変化などの症状が見られます。寒暖差の大きい環境や、埃っぽい場所は避け、適切な温度管理と清潔な環境維持が大切です。

症状が見られた場合は、早めの治療で重症化を防ぐことができます。

⑤歯周病

不適切な食事や口腔内の衛生状態の悪化により、歯周病を発症することがあります。食欲低下や体重減少、口臭の悪化などが典型的な症状です。予防には適切な食事管理と定期的な健康チェックが有効です。

また、硬めのフードを与えることで、自然な歯のクリーニング効果も期待できます。

⑥ハリネズミふらつき症候群

ハリネズミふらつき症候群(Wobbly Hedgehog Syndrome:WHS)は、進行性の神経疾患です。初期症状として、丸まりにくい、軽度のふらつき、つまずきなどが見られます。その後、後ろ足のふらつきや筋力低下、四肢の麻痺へと進行し、最終的には食事や排泄が困難になります。

2歳以下での発症が多いものの、全年齢で発症する可能性があります。残念ながら、原因は特定されておらず、確立された治療法もないのが現状です。症状の進行を遅らせる対症療法や、快適な生活のためのサポートが主な対応となります。

夏眠、冬眠にも注意しよう

草むらにハリネズミ

ハリネズミの適切な飼育温度は24~29℃が目安です。温度管理は生死に関わる重要な要素となります。20℃以下では冬眠、30℃以上では夏眠のリスクがあります。環境温度の急激な変化は、ハリネズミの健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

野生のヨツユビハリネズミは夏眠の準備として十分な栄養を体内に蓄えますが、飼育下では突然の温度変化で準備のない冬眠・夏眠に入ると、餓死の危険があります。また、30℃を超える環境では夏眠以外にも熱中症のリスクがあるため、エアコンや温度計を活用した適切な温度管理が不可欠です。季節の変わり目には特に注意が必要です。

年齢別の注意点

コップに入ったハリネズミ

ハリネズミは、オスは生後6~8ヶ月、メスは生後2ヶ月~半年で性成熟します。平均寿命は3年ですが、適切な環境とケアがあれば5年以上、時には10年近く生きる個体もいます。

寿命は飼育環境や日々のケアに大きく左右されるため、年齢に応じた適切なケアが長寿のカギとなります。

幼年期(生後3ヶ月程度)

性成熟までの期間が非常に短いのが特徴です。身体の発達が未熟なため、転落などによるケガに特に注意が必要です。遊び場の高さ制限や滑り止めの設置など、安全な環境づくりを心がけましょう。

また、この時期は免疫システムも発達途中のため、清潔な環境維持が特に重要です。

青年期(生後3ヶ月~2年)

この時期は皮膚病、特にダニ感染に注意が必要です。フケと痒みの症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。放置すると免疫機能の低下を招くことがあります。

活動が最も活発な時期でもあるため、十分な運動スペースと適切な食事管理が大切です。また、ストレス軽減のための環境づくりも忘れずに行いましょう。

成年期(2年~5年)

この時期の特徴的な症状として白内障があります。新陳代謝の衰えによるタンパク質の変性が原因とされ、水晶体が白く濁ります。栄養バランス、特にカルシウム不足に気を付けましょう。

また、歯の健康管理も重要になってくる時期です。定期的な健康チェックと、年齢に応じた適切な食事管理が必要です。運動量も徐々に調整していく必要があるでしょう。

高齢期(5年~10年)

高齢期は腫瘍のリスクが高まり、その80%が悪性です。口腔内、皮膚、乳腺、リンパ、子宮などに発生します。体重減少、食欲減退、出血などの症状が見られたら、すぐに獣医師の診察を受けましょう。この時期は免疫力も低下するため、清潔な環境維持と適切な温度管理が一層重要になります。

また、高齢に伴う関節の問題も出やすくなるため、ケージ内の移動のしやすさにも配慮が必要です。食事は消化のよいものを中心に、少量ずつ頻繁に与えることをお勧めします。

ハリネズミの寿命については以下の記事にまとめています。

ハリネズミの寿命は何年? 年齢ごとの特徴とシニア期のケアを解説のサムネイル画像
ハリネズミの寿命は何年? 年齢ごとの特徴とシニア期のケアを解説

まとめ

かわいらしいハリネズミ

ハリネズミと暮らすことは、私たち人間に癒しと学びをもたらしてくれます。その愛らしい姿や好奇心旺盛な性格は、日々の生活に温かな潤いを与えてくれるでしょう。

しかし、この小さな命を守るためには、適切な温度管理と年齢に応じたきめ細やかなケアが欠かせません。24~29℃という適温の維持、清潔な環境づくり、そして定期的な健康チェックは、彼らの健康な暮らしの基本となります。

幼年期から高齢期まで、それぞれの時期に応じた適切なケアを行うことで、ハリネズミは5年、長生きな個体であれば10年近く生きる可能性があります。日々の観察と愛情を持った関わりが、彼らの長寿につながるのです。

飼い主として大切なのは、異変に気づく目と予防的なケアの心がけです。そして何より、この愛らしい家族との時間を大切に過ごすことが、お互いの幸せな暮らしにつながっていくことでしょう。

を大切に過ごすことが、お互いの幸せな暮らしにつながっていくことでしょう。

記事の執筆者

Minima編集部

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なお編集部のペットはクレステッドモルモット。実体験に基づいた、確かな情報をお伝えしていきます。

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