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ハムスターの下痢は命に関わる。原因・症状・対処法から予防まで徹底解説

ハムスターの下痢は命に関わる。原因・症状・対処法から予防まで徹底解説

ハムスターのうんちがいつもと違う、お尻のあたりが濡れている気がする——そんな異変に気づいたとき、「ちょっとお腹を壊しただけかな」と様子を見ていませんか。実は、ハムスターにとっての下痢は、私たち人間が想像する以上に深刻な症状です。体の小さなハムスターは下痢による脱水が急速に進み、最悪の場合、半日から数日で命を落としてしまうこともあります

この記事では、ハムスターが下痢をしているときに飼い主さんがすべきこと、下痢を引き起こす原因、病院に連れて行く際のポイント、そして日頃からできる予防策まで、詳しくお伝えしていきます。

ハムスターの下痢が危険な理由

体が小さいからこそ急変しやすい

ハムスターは心拍数が1分間に300回を超えるほど代謝が活発な動物です。このため、体調を崩すとあっという間に状態が悪化してしまいます。私たち人間であれば数日寝込むくらいで済む下痢でも、ハムスターの場合は脱水症状から衰弱へと一気に進行してしまうのです。

特に水分を多く含む水様便が続くと、体内の水分バランスが急激に崩れてしまいます。ゴールデンハムスターのような比較的大きな種類でも体重は100グラムから200グラム程度、ジャンガリアンハムスターなら30グラムから40グラムほどしかありません。この小さな体で大量の水分を失えば、生命維持に必要なエネルギーを保てなくなってしまうのも当然のことでしょう。

病気を隠す習性がある

野生のハムスターは、弱った姿を見せると外敵に狙われてしまいます。そのため、本能的に体調不良を隠そうとする習性が残っています。元気そうに見えていても、実は体内では深刻な症状が進行していることがあるというわけです。

飼い主さんが「ちょっと様子がおかしいな」と気づいたときには、すでに病気がかなり進んでいるケースも珍しくありません。だからこそ、下痢という目に見える症状が現れたときは、たとえ軽度に見えても油断せず、早めに対応することが求められます。

ハムスターの下痢の見分け方

健康なうんちと下痢の違い

まずは、健康なハムスターのうんちがどんな状態かを知っておきましょう。通常、元気なハムスターの便は黒から濃い茶色で、米粒ほどの大きさの楕円形をしています。表面は乾燥していてコロコロと硬く、嫌な臭いもほとんどありません。

一方、下痢をしているときは、うんちが柔らかくべたついていたり、水っぽくなっていたりします。色も普段より薄かったり、逆に黒すぎたりすることがあります。床材やケージの壁に便が付着して汚れていたら、下痢を起こしているサインかもしれません。

こんな症状が出ていたら要注意

下痢をしているハムスターには、便の異常以外にもいくつかの変化が現れます。お尻周りの毛が濡れている、または汚れているという状態は最もわかりやすいサインです。また、ケージ内からいつもと違う強い臭いがする場合も、下痢を疑ってみてください。

さらに、食欲が落ちている、動きが鈍くなっている、毛並みがボサボサになっている、といった様子が見られたら、体調がかなり悪化している可能性があります。うずくまってじっとしている、目に力がないといった状態であれば、一刻を争う事態かもしれません。

ハムスターが下痢をする主な原因

食事内容の問題

ハムスターの下痢で最も多い原因は、実は食事にあります。野菜や果物は90パーセント以上が水分で構成されているため、与えすぎると腸の働きが乱れて下痢を起こしやすくなります。レタスやキュウリなどの水分が多い野菜は、特に注意が必要です。

また、ハムスターの大好物であるひまわりの種やナッツ類も、食べすぎると消化不良の原因になります。これらには油分が多く含まれているため、うんちがゆるくなりやすいのです。主食であるペレットと野菜の割合は8対2から7対3程度を目安にし、果物やナッツは週に1回から2回のご褒美程度にとどめておくのがよいでしょう。

急にフードの種類を変えることも、お腹を壊す原因になります。新しいフードに切り替えるときは、1週間以上かけて少しずつ混ぜていくようにしてください。

巣箱に溜め込んだ腐敗フード

ハムスターには頬袋に食べ物を詰めて巣箱に運び、貯蔵する習性があります。この溜め込んだフードが傷んで腐敗し、それを食べてしまうことで下痢を起こすケースも少なくありません。特に野菜や果物など傷みやすいものは要注意です。

カビが生えたフードを食べてしまうと、カビの毒素によって症状が重篤化することもあります。日々のお世話の中で巣箱の中をチェックし、古くなったフードは早めに取り除いてあげることが大切です。

ストレスによる免疫力の低下

ハムスターは思っている以上に繊細な動物で、環境の変化にとても敏感です。ペットショップから迎えたばかりのとき、ケージの場所を移動したとき、大掃除をしたときなど、生活環境が変わることで強いストレスを感じ、それが下痢につながることがあります

騒音や振動、温度や湿度の急激な変化も、ハムスターの体調を崩す要因です。特に湿度が高くなる梅雨時期や、気温差が大きい季節の変わり目は注意が必要でしょう。自律神経のバランスが乱れたり、免疫力が低下したりすることで、腸内環境も悪化してしまうのです。

細菌・ウイルス・寄生虫の感染

感染症による下痢も見逃せません。特に「ウェットテイル」と呼ばれる症状は、ハムスターの下痢の中でも最も危険なものとして知られています。正式には増殖性回腸炎といい、水様性の激しい下痢によってお尻から尻尾にかけてが濡れてしまう状態を指します。

ウェットテイルの原因は、カンピロバクターなどの腸内細菌、酵母などの真菌、ウイルス、そしてトリコモナスやジアルジアといった原虫感染などが複合的に関わっていると考えられています。

ペットショップで購入したばかりの子が下痢をしている場合は、寄生虫感染の可能性も高いです。早めに糞便検査を受けて適切な駆虫を行う必要があります。

高齢による腸の問題

2歳を超えた高齢のハムスターでは、腸管の腫瘍や慢性の腸炎が下痢の原因になっていることもあります。若いころは元気だったのに最近下痢が続くという場合は、加齢による消化器官の衰えや、何らかの疾患が隠れている可能性を考えてみてください。

下痢を発見したときの対処法

まずは動物病院への受診を

ハムスターの下痢を見つけたら、症状の軽重にかかわらず、できるだけ早く動物病院を受診することをおすすめします。「軽い下痢だから様子を見よう」と思っているうちに、急激に状態が悪化してしまうことがあるからです。

動物病院では糞便検査によって下痢の原因を調べ、それに応じた治療を行ってくれます。細菌感染であれば抗生物質、寄生虫であれば駆虫薬、脱水があれば点滴による水分補給など、原因に合わせた適切な処置を受けることで、回復の可能性はぐんと高まります。

下痢の治療費は、診察料、糞便検査、薬代などを合わせて3,000円から5,000円程度が目安です。脱水がひどく点滴が必要な場合や、詳しい検査が必要な場合はもう少しかかることもありますが、事前に動物病院に問い合わせれば、おおよその費用を教えてもらえるでしょう。

病院に連れて行くときのポイント

動物病院を受診する際は、いくつか準備しておくとスムーズです。まず、なるべく新鮮なうんちをラップに包んで持参しましょう。これがあると、糞便検査の精度が上がり、原因の特定がしやすくなります。

移動の際は、普段使っているケージではなく、小さめのプラケースやキャリーケースに入れてあげてください。急激な温度変化や振動は体調をさらに悪化させる原因になるので、移動中は使い捨てカイロで保温し、上からタオルや毛布をかけて冷気が入らないようにすると安心です。車での移動が理想的ですが、難しい場合は布製のバッグに入れて、なるべく揺れないように注意して運んであげてください。

獣医師には、いつから下痢をしているか、最近の食事内容や環境の変化、普段の様子との違いなどを時系列で説明できるよう、整理しておくとよいでしょう。

自宅でできる応急処置

動物病院を受診するまでの間、または獣医師の指示のもとで自宅でケアをする場合に、できることがいくつかあります。

まず大切なのは保温です。下痢で体力が落ちているハムスターは、体温を維持するのにもエネルギーを消耗します。ペットヒーターや湯たんぽを使って、ケージ全体を温めてあげましょう。通常の適温は20度から26度ですが、体調が悪いときは25度以上をキープできるとよいとされています。ただし、暑くなりすぎないよう、ハムスターが自分で温度調節できる逃げ場も確保してあげてください。

ケージ内の清掃も欠かせません。下痢便があちこちに付着していると、そこから再び感染したり、症状が悪化したりする恐れがあります。汚れた部分はこまめに取り除き、床材も新しいものに交換しましょう。ケージ全体を熱湯消毒したり、小動物用のクリーナーで拭いたりするのも効果的です。

お尻やお腹が汚れている場合は、柔らかい布で優しく拭いてあげてください。濡れたままにしておくと皮膚がかぶれたり、脱毛したりすることがあります。

複数飼いの場合は隔離を

もし複数のハムスターを飼育しているなら、下痢をしている子は他のハムスターから離してあげてください。細菌性やウイルス性の下痢は、他のハムスターに感染する可能性があります。また、隔離することで病気の子の様子をしっかり観察できるというメリットもあります。

ケージを並べて置いている場合は、下痢のハムスターのケージだけ別の場所に移動させましょう。お世話をする際も、健康なハムスターを先にケアしてから下痢の子の世話をするなど、感染を広げない工夫が必要です。

ウェットテイルの危険性

致死率が高い恐ろしい病気

ハムスターの下痢の中でも、特に恐れられているのがウェットテイルです。この病気は発症すると急速に進行し、わずか48時間以内に死亡してしまうこともあるという深刻なものです。

ウェットテイルを発症したハムスターは、お尻周りが常に濡れた状態になり、ひどい場合は下半身全体が湿っていることもあります。激しい水様便とともに独特の強い臭いがし、元気がなくなってうずくまっているようであれば、一刻も早く動物病院に駆け込む必要があります。

早期治療が命を救う

ウェットテイルは致死率の高い病気ですが、早期に発見して適切な治療を受ければ回復する可能性もあります。「お尻が濡れている」「ケージの中がいつもより臭う」といった小さなサインを見逃さないことが、命を守る鍵となります。

少しでも怪しいと思ったら、その日のうちに動物病院を受診してください。「明日になったら連れて行こう」という判断が、取り返しのつかない結果を招くこともあるのです。

ハムスターの下痢を予防するために

適切な食事管理

下痢を予防するためには、まず日々の食事内容を見直すことが大切です。主食となるペレットは栄養バランスに優れた良質なものを選び、野菜や果物は補助的に少量ずつ与えるようにしましょう。

野菜を与える場合は、水分の少ないものを選ぶのがポイントです。ブロッコリーやニンジン、小松菜などがおすすめです。逆に、レタスやキュウリなど水分の多い野菜は、与えるとしてもごく少量にとどめてください。

ひまわりの種やナッツ類は、ここぞというときのスペシャルなおやつとして位置づけ、毎日たくさん与えることは避けましょう。また、着色料や保存料が多く含まれた安価なフードは、腸内環境を乱す原因になることがあるので注意が必要です。

清潔な環境を保つ

ケージ内の衛生管理も、下痢予防には欠かせません。トイレや床材はこまめに掃除し、給水ボトルの水は毎日新しいものに交換してあげてください。水が古くなって傷んでいると、それを飲んでお腹を壊すことがあります。

巣箱の中に溜め込まれたフードのチェックも忘れずに。傷みやすい野菜や果物が隠されていないか、定期的に確認して、古いものは取り除いてあげましょう。フードが入ったお皿も、最低でも2日に1回は中身を全て入れ替えて、新鮮なものを食べられるようにしてあげてください。

温度と湿度の管理

ハムスターが健康に過ごせる温度は、20度から26度程度といわれています。急激な温度変化や、極端に暑い・寒い環境は体調を崩す原因になるので、エアコンなどを使って一定の温度を保つよう心がけましょう。

湿度も大切なポイントです。特に梅雨時期のじめじめした環境は、ハムスターにとって過ごしにくく、体調を崩しやすくなります。除湿機を使ったり、ケージの置き場所を工夫したりして、快適な環境を整えてあげてください。

ストレスを与えない飼育

ハムスターはとても繊細な動物です。過度なスキンシップや、ケージの場所を頻繁に変えること、大きな音や振動のある場所での飼育などは、ストレスの原因になります

特にお迎えしたばかりの時期は、新しい環境に慣れるまで構いすぎないようにしましょう。そっと見守りながら、少しずつ信頼関係を築いていくのが理想です。また、ハムスターは基本的に単独で暮らす動物なので、複数飼いの場合は1匹につき1つのケージを用意してあげてください。

かかりつけ医を見つけておく

ハムスターを診察できる動物病院は、犬や猫を診てくれる病院に比べると数が限られています。体調を崩してから慌てて探すのではなく、元気なうちから近くにハムスターを診てくれる病院があるか確認しておくと安心です。

可能であれば、健康なときに一度健康診断を受けておくのもおすすめです。獣医師にハムスターの様子を見てもらっておけば、何かあったときにスムーズに対応してもらえますし、普段の飼育で気をつけるべき点についてアドバイスをもらえることもあるでしょう。

まとめ

ハムスターの下痢は、私たち人間にとっては「お腹を壊した」程度のことに思えるかもしれません。しかし、体の小さなハムスターにとっては、下痢は命に直結する深刻な症状です。軽い軟便から、数日で命を落としてしまう重篤なウェットテイルまで、症状の重さはさまざまですが、いずれにしても早めの対応が回復への近道になります。

大切なハムスターと少しでも長く、元気に過ごせるように。この記事が、飼い主さんとハムスターの健康で幸せな毎日の助けになれば嬉しいです。

記事の執筆者

Minima編集部

小動物のかわいさと、ペットとしてお迎えするときに知っておきたい情報を、Minima編集部がお届け。

おうちでの豊かでしあわせな暮らしをサポートします。

なお編集部のペットはクレステッドモルモット。実体験に基づいた、確かな情報をお伝えしていきます。

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