結論からお伝えすると、ハムスターにくるみを与えることは問題ありません。むしろ、適量を守って与えれば良質な栄養補給になります。ただし、くるみは高カロリー・高脂質な食べ物であるため、与えすぎると肥満や病気の原因になってしまいます。
くるみを丸ごと1個抱えて頬袋に詰め込もうとするハムスターの姿は、確かにとても愛らしいものです。しかし、その可愛さに負けて好きなだけ与えてしまうのは危険です。ハムスターは体が小さく、人間のように大量のカロリーを消費できません。私たちが少量だと思っていても、ハムスターにとっては相当な量になることを理解しておく必要があります。
この記事では、ハムスターにくるみを安全に与えるための適量・頻度・殻の取り扱いから、栄養面でのメリット、そして与えすぎた場合のリスクまで詳しく解説していきます。
くるみに含まれる栄養素とハムスターへのメリット

オメガ3脂肪酸が毛並みと健康をサポート
くるみにはオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が豊富に含まれています。この脂肪酸はナッツ類の中でも特に多く、ハムスターの被毛を美しく保つ効果が期待できます。
オメガ3脂肪酸は体内で合成することができない必須脂肪酸であり、食べ物から摂取する必要があります。ハムスターの場合、普段のペレットだけでは十分に補えないこともあるため、くるみのようなナッツ類で適度に補ってあげるのは理にかなった選択といえます。
ビタミンEによる抗酸化作用
くるみには抗酸化作用のあるビタミンEも含まれています。ビタミンEは細胞の酸化を防ぎ、体の老化を抑制する働きがあるとされています。ハムスターは寿命が2〜3年と短いため、少しでも健康的に長生きしてほしいと願う飼い主さんにとって、抗酸化成分を含む食べ物を適度に取り入れることには意味があるでしょう。
また、くるみにはマグネシウムや亜鉛などのミネラル、たんぱく質、食物繊維もバランスよく含まれています。これらの栄養素は体の機能を正常に保つために必要なものであり、主食のペレットを補完する形で与えることで、より充実した栄養バランスを実現できます。
ハムスターへのくるみの適量と頻度

少量をたまに与えるのが基本
ハムスターにくるみを与える場合は、「少量をたまに」が基本です。くるみは栄養価が高い一方で脂質も多いため、与えすぎると体重増加につながりやすくなります。
目安としては、1回あたり「ごく小さなかけら」を、週1回前後から始めるとよいでしょう。ゴールデンハムスターのような大型種であれば1/4粒程度、ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターのようなドワーフ種であれば1/8粒程度を目安に考えてみてください。
ただし、これはあくまで目安であり、個体差があることを忘れないでください。体重の増減や食べ残しの有無を見ながら、その子に合った量を探っていくことが大切です。最初はごく少量から始めて、体調に変化がないか観察しながら調整していきましょう。
他のおやつとの兼ね合いも考える
くるみを与える日に、ひまわりの種や他のナッツ類を一緒に与えるのは控えたほうが無難です。脂質の多い食べ物が重なると、1日の脂肪摂取量が過剰になってしまいます。おやつを与える日はどれか1種類に絞り、組み合わせには注意を払いましょう。
くるみは「特別なおやつ」という位置づけで考えるとちょうど良いでしょう。たとえば、ケージの掃除を頑張ってくれた日のご褒美として、あるいは健康診断で病院に行った後のねぎらいとして与えるといった具合です。日常的に与えるものではなく、たまに楽しむ贅沢品として扱うことで、ハムスターの健康を守りながら喜ばせることができます。
くるみの殻はハムスターに与えていい?

殻付きで与えること自体は可能
くるみを殻付きのまま与えること自体は可能です。殻をかじる行動は退屈しのぎや歯の健康維持に役立つこともあります。げっ歯類であるハムスターにとって、固いものをかじる行為は自然な行動の一つです。
ただし、殻は硬いため個体によっては割れない、あるいは時間がかかることがあります。特にジャンガリアンやロボロフスキーなどのドワーフ種や、高齢の子は殻を割るのが苦手な場合があります。そのため、殻付きで与える場合は、あらかじめ少し割れ目を入れておくと、ハムスターが中身にたどり着きやすくなります。
殻を与える際の注意点
殻付きのくるみを与える際に気をつけたいのは、割れた殻の鋭利な部分です。殻が割れると尖った破片ができることがあり、ハムスターがこれを誤って口に入れてしまうと怪我をする恐れがあります。
殻を噛ませて遊ばせた後は、早めに殻を回収するようにしましょう。食べ残しをそのままケージ内に放置しておくと、後でハムスターが誤って食べてしまうリスクがあります。
安全面を考えると、基本的には殻を外した状態で実だけを少量与えるのがもっとも安心です。歯の健康が気になる場合は、くるみの殻ではなく専用のかじり木を用意してあげるほうがよいでしょう。
くるみを与えすぎた場合のリスク

高脂肪食が引き起こす健康問題
くるみを含むナッツ類は脂肪分が多いため、与えすぎると肥満につながります。くるみは100gあたり約65gが脂質であり、カロリーも高い食べ物です。そして、肥満はさまざまな病気の引き金になります。
野生のハムスターは種子や穀類などを中心に、季節に応じてさまざまなものを食べています。一方、くるみのようなナッツ類は野生で食べるものと比較して脂質が多く、飼育下で与えすぎるとカロリー過多になりやすいのです。
ハムスターが高脂肪の食生活を続けると、脂肪肝を発症するリスクが高まるとされています。また、肥満は糖尿病や心臓への負担にもつながる可能性があります。ハムスターの場合、血液検査自体が難しいため、これらの病気の早期発見や治療はきわめてハードルが高くなります。だからこそ、病気にならないよう予防することがなによりも大切です。
肥満かどうかを見分けるポイント
ハムスターが肥満かどうかは、いくつかのサインで判断できます。お腹が地面についてしまうほど出ている場合や、ひっくり返ったときに自分で起き上がれない場合は、かなり体重が増えている可能性があります。また、足の付け根がたるんでいたり、お腹周りの毛が薄くなっていたりする場合も要注意です。
体重の目安は種類によって異なります。たとえばゴールデンハムスターでは110〜140g程度が一例として挙げられます。ただし個体差があるため、数字だけで判断せず、体型や動き(走り方、起き上がりやすさなど)も合わせてチェックするようにしましょう。急な体重増加があれば食事内容を見直すタイミングです。
くるみを安全に与えるための選び方

素焼き・無塩・無添加のものを選ぶ
ハムスターに与えるくるみは、素焼きで無塩・無添加のものを選びましょう。人間用に加工されたくるみには、塩分や糖分、油が添加されていることがあります。これらはハムスターの小さな体には大きな負担となります。
特に注意したいのが、おつまみ用として販売されているローストくるみや、お菓子に使われる甘いくるみです。これらは私たちが食べる分には問題なくても、ハムスターには与えないでください。ペットショップで販売されている小動物用のくるみを選ぶか、人間用であっても原材料が「くるみ」だけのものを選ぶようにしましょう。
鮮度と保存方法にも気を配る
くるみは油脂分が多いため、古くなると酸化して品質が劣化します。酸化したくるみを食べると、ハムスターが体調を崩してしまう恐れがあります。できるだけ新鮮なものを選び、開封後は密閉容器に入れて冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
また、ケージ内に与えたくるみが食べ残されている場合は、早めに回収してください。特に夏場は傷みやすく、放置しておくとカビが生えることもあります。ハムスターが巣箱に持ち帰って貯め込んでいることもあるので、定期的に巣箱の中もチェックする習慣をつけておくと安心です。
まとめ
ハムスターにくるみを与えることは問題なく、オメガ3脂肪酸やビタミンEなど有益な栄養素を摂取させる手段として活用できます。ただし、くるみは高カロリー・高脂質な食べ物であるため、与える量と頻度には十分な注意が必要です。
ハムスターがくるみを美味しそうに食べる姿は本当に可愛いものですが、その可愛さに負けて与えすぎてしまっては本末転倒です。ハムスターの健康と長生きのために、くるみは「たまに与える特別なおやつ」として上手に活用していきましょう。