ハムスターを飼い始めたばかりの方にとって、小さな家族との信頼関係を築くことは最初の大きな目標となるでしょう。実は、ハムスターは適切な接し方をすれば、飼い主の手から餌を食べたり、手の上でリラックスしたりするようになります。
この記事では、ハムスターとの距離を縮める具体的な方法をお伝えします。
ハムスターを飼い始めたばかりの方にとって、小さな家族との信頼関係を築くことは最初の大きな目標となるでしょう。実は、ハムスターは適切な接し方をすれば、飼い主の手から餌を食べたり、手の上でリラックスしたりするようになります。
この記事では、ハムスターとの距離を縮める具体的な方法をお伝えします。
ハムスターが飼い主になつくまでの期間は、個体差はあるものの、早い子で2週間、ゆっくりな子でも2〜3ヶ月程度が目安となります。ゴールデンハムスターのような比較的人懐っこい種類であれば、1ヶ月以内に手から餌を食べるようになることも珍しくありません。
ただし、焦りは禁物です。ハムスターはもともと野生では捕食される側の動物であり、警戒心が強いのは当然のこと。新しい環境に慣れるまでには時間がかかります。
ハムスターが安心して過ごせる環境を整えることが、信頼関係構築の第一歩となります。ケージは直射日光の当たらない、静かで温度変化の少ない場所に設置しましょう。特に最初の1週間は、必要最低限のお世話以外は極力そっとしておくことが大切です。
飼い始めて3日ほど経ったら、ケージの外から優しく声をかけることから始めます。「おはよう」「ごはんだよ」など、毎日同じタイミングで同じ言葉をかけることで、ハムスターは飼い主の声を覚えていきます。
この段階では、まだ手を入れたり触ったりする必要はありません。飼い主の存在に慣れてもらうことが目的です。声をかけたときに、巣箱から顔を出したり、ケージの前面に近づいてきたりするようになれば、次のステップに進む準備ができています。
1週間ほど経過したら、ケージの中にゆっくりと手を入れて、じっとしている練習を始めます。このとき、急な動きは避け、手のひらを上に向けて静かに置いておくだけにします。
ハムスターが近づいてきて匂いを嗅いだり、手の上を歩いたりしても、決して掴もうとしたり追いかけたりしないことがポイントです。この段階を数日から1週間ほど続けると、手を危険なものではないと認識してくれるようになります。
手に慣れてきたら、ひまわりの種やペレットなどのおやつを手のひらに乗せて与える段階に入ります。最初は指先でつまんで差し出し、徐々に手のひらの中央に置くようにしていきます。
このとき大切なのは、ハムスターが自分から近づいてくるのを待つこと。無理に手を近づけると、せっかく築いた信頼関係が崩れてしまう可能性があります。手から食べ物を取るようになれば、かなり心を開いてくれている証拠です。
おやつを手から食べるのが当たり前になったら、いよいよ手の上に乗せる練習です。両手でカップを作るような形にして、ハムスターが自然に乗ってくるのを待ちます。最初は数秒でも構いません。
手の上で落ち着いている様子が見られたら、ゆっくりと手を持ち上げてみましょう。高さは5センチ程度から始め、徐々に慣らしていきます。この段階まで来れば、ハムスターとの信頼関係はかなり深まっているといえるでしょう。
ハムスターの種類によって、人への慣れやすさには差があります。一般的にゴールデンハムスターは穏やかで人懐っこく、初心者にも扱いやすいとされています。体も大きめなので、手に乗せたときの安定感もあります。
一方、ジャンガリアンハムスターは活発で好奇心旺盛な性格の子が多く、慣れるまでに少し時間がかかることもあります。ロボロフスキーハムスターは警戒心が強く、観察を楽しむペットとして飼われることが多い種類です。
同じ種類でも、性格は一匹一匹異なります。活発で人懐っこい子もいれば、臆病で慎重な子もいます。大切なのは、その子の性格を理解し、無理のないペースで接することです。
特に臆病な性格の子の場合、なつくまでに3ヶ月以上かかることも珍しくありません。しかし、時間をかけて築いた信頼関係は、より深く強いものになることが多いのも事実です。
ハムスターがなかなかなつかない場合、飼い主側の接し方に問題があることがほとんどです。例えば、上から掴もうとする行為は、ハムスターにとって天敵に襲われるような恐怖を感じさせます。
また、大きな音や急な動きも警戒心を強める原因となります。テレビの音量を下げる、ドアの開閉を静かにするなど、日常生活の中でも配慮が必要です。
ハムスターがストレスを感じているときは、特定の行動パターンが見られます。例えば、ケージの隅で固まって動かない、餌を食べない、過度に毛づくろいをするなどです。
このようなサインが見られたら、一度接触を控えて、環境を見直すことが大切です。温度は適切か、騒音はないか、ケージの大きさは十分かなど、基本的な飼育環境をチェックしましょう。
ハムスターは夜行性の動物ですが、飼い主の生活リズムにある程度合わせることができます。毎日同じ時間に餌やり、掃除、遊びの時間を設けることで、ハムスターも安心して生活できるようになります。
特に餌やりの時間は、飼い主との大切なコミュニケーションの機会です。名前を呼びながら餌を与えることで、飼い主の声と良いことが結びつき、より早くなつくようになります。
ハムスターとの関係において、常に触れ合うことが愛情表現ではありません。むしろ、ハムスターが一人で過ごしたいときは、そっとしておくことも大切な愛情の形です。
観察していると、活発に動き回る時間帯と、静かに休んでいる時間帯があることに気づくでしょう。活動的な時間帯を選んでコミュニケーションを取ることで、お互いにストレスなく関係を深めることができます。
ハムスターをなつかせるには、焦らず、その子のペースに合わせて接することが何より大切です。声かけから始まり、手の匂いに慣れてもらい、おやつを使って距離を縮め、最終的に手に乗せるまで、段階的に進めていきましょう。
種類や個体によってなつくまでの期間は異なりますが、愛情を持って接し続ければ、必ず心を開いてくれる日が来ます。小さな命との信頼関係を築く過程そのものが、ハムスター飼育の醍醐味といえるでしょう。毎日の小さな変化を楽しみながら、ゆっくりと絆を深めていってください。
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