ハムスターの健康と長寿の鍵は、バランスの取れた食事と適切な量の管理にあります。主食となるペレットを中心に、野菜や種子類を組み合わせることで、必要な栄養素をしっかり摂取できます。ハムスターの種類や年齢によって必要な餌の量や内容は異なりますが、基本的な考え方を理解しましょう。

ハムスターの餌選び完全ガイド|種類別おすすめフードと与え方のコツ
ハムスターの餌の基本構成

主食となるペレットの役割
ハムスター用のペレットは、必要な栄養素がバランスよく配合された総合栄養食です。タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、ハムスターの健康維持に欠かせない成分が含まれています。ペレットを主食にすることで、栄養の偏りを防ぎ、健康的な体を維持できます。
市販されているペレットには、ハムスターの種類に応じて配合が調整されているものがあります。ゴールデンハムスター用とドワーフハムスター用では、粒の大きさや栄養バランスが異なるため、飼っているハムスターに合ったものを選ぶことが大切です。
副食の重要性と種類
ペレットだけでは単調な食事になってしまうため、野菜や種子類を副食として与えることで、食事の楽しみを増やし、追加の栄養素を補給できます。野菜からは水分やビタミン、種子類からは良質な脂質を摂取できます。
副食は全体の食事量の10〜20%程度に抑え、与えすぎないよう注意が必要です。特に種子類は脂肪分が多いため、肥満の原因になりやすく、適量を守ることが健康維持につながります。
ペレットの選び方と与え方

良質なペレットの見分け方
ハムスター用ペレットを選ぶ際は、原材料表示を確認し、穀物が主成分のものを選びます。粗タンパク質が16〜20%、粗脂肪が4〜7%程度のものが理想的です。着色料や保存料が少なく、天然由来の成分で作られているものがおすすめです。
ペレットの形状も選択のポイントになります。均一な大きさと硬さのペレットは、ハムスターが食べやすく、歯の健康維持にも役立ちます。粉っぽいものや形が不揃いなものは、品質が安定していない可能性があります。
適切な給餌量の目安
ゴールデンハムスターの場合、1日あたり10〜15グラムのペレットが目安です。ドワーフハムスターは体が小さいため、5〜7グラム程度で十分です。ただし、個体差や活動量によって必要量は変わるため、体重の変化を見ながら調整します。
餌は朝夕2回に分けて与えるか、夜行性の習性を考慮して夕方にまとめて与えます。食べ残しがある場合は量が多すぎる可能性があり、すぐになくなってしまう場合は不足している可能性があります。
ペレットの保存方法
開封後のペレットは密閉し、直射日光を避けた涼しい場所で保管します。湿気は品質劣化の原因となるため、乾燥剤を一緒に入れておくと良いでしょう。大袋で購入した場合は、1週間分ずつ小分けにしておくと、鮮度を保ちやすくなります。
賞味期限内であっても、カビ臭い匂いがしたり、色が変わっていたりする場合は与えないようにします。開封後は1〜2ヶ月以内に使い切ることを目安にし、古くなったものは処分して新しいものに交換します。
野菜・果物の与え方

与えても良い野菜の種類
ハムスターに安全な野菜には、にんじん、ブロッコリー、小松菜、かぼちゃなどがあります。これらの野菜は栄養価が高く、適量であれば毎日与えても問題ありません。キャベツやレタスも与えられますが、水分が多いため量に注意が必要です。
野菜を与える際は、よく洗い、適切な大きさにカットします。ハムスターが両手で持てる程度の大きさが理想的で、1日あたり体重の5%程度を目安にします。新鮮な野菜を選び、しなびたものや傷んだものは避けましょう。
果物を与える際の注意点
りんご、いちご、バナナなどの果物は、ハムスターの大好物ですが、糖分が多いため週1〜2回程度の特別なおやつとして与えます。種や皮は取り除き、小指の先程度の少量に留めることが大切です。
腐敗した野菜や果物は下痢の原因となるため、食べ残しは必ずケージから取り除きます。特に夏場は傷みやすいため、与えてから2〜3時間以内に片付けることを心がけます。
種子類・ナッツ類の扱い方

適量を守ることの大切さ
ひまわりの種、かぼちゃの種、くるみなどは、ハムスターの大好物ですが、脂肪分が多く高カロリーなため、与えすぎは禁物です。1日1〜2粒程度を目安にし、主食の代わりにならないよう注意します。
種子類を与えすぎると、偏食の原因になったり、肥満や脂肪肝のリスクが高まります。特にドワーフハムスターは糖尿病になりやすいため、より慎重な管理が必要です。
種子類の選び方と保存
市販のハムスター用ミックスフードには様々な種子が含まれていますが、無塩・無添加のものを選ぶことが大切です。人間用の味付けされたナッツは塩分が多すぎるため、絶対に与えてはいけません。
種子類は酸化しやすいため、密閉容器で冷暗所に保管し、開封後は早めに使い切ります。古くなった種子は味が落ちるだけでなく、カビが生えやすくなるため、定期的に新しいものと交換しましょう。
与えてはいけない危険な食べ物

中毒を起こす食材
ハムスターにとって有毒な食べ物は意外と多く存在します。チョコレート、玉ねぎ、にんにく、アボカドなどは、少量でも中毒症状を引き起こす可能性があります。これらの食材は、調理済みのものでも危険性は変わりません。
消化器系に負担をかける食べ物
生の豆類、じゃがいもの芽、トマトの葉や茎などは、消化不良や中毒の原因となります。また、牛乳やチーズなどの乳製品は、ハムスターが乳糖を分解できないため下痢を引き起こします。
また、人間の食べ物は基本的に与えないことが原則です。パンやクッキー、スナック菓子などは、塩分や糖分、添加物が多く含まれており、ハムスターの小さな体には大きな負担となります。
水の与え方について
ハムスターには常に新鮮な水が飲める環境を整える必要があります。給水ボトルを使用し、毎日水を交換します。
給水ボトルは週に1〜2回は分解して洗浄し、ぬめりや汚れを取り除きます。飲み口に餌や床材が詰まっていないか、毎日確認することも大切です。
年齢や体調に応じた餌の調整

成長期の食事管理
生後3ヶ月までの成長期には、タンパク質を多めに含む餌が必要です。成長期用のペレットを選ぶか、ゆで卵の白身やミルワームなどの動物性タンパク質を少量追加します。
この時期は食欲も旺盛で、成体の1.5倍程度の量を食べることもあります。体重の増加を確認しながら、十分な栄養を与えることが健康な成長につながります。
高齢期の配慮
1歳半を過ぎた高齢のハムスターは、硬い餌が食べづらくなることがあります。ペレットをぬるま湯でふやかしたり、柔らかい野菜を中心にしたりと、食べやすさを考慮した工夫が必要です。
高齢期は代謝が落ちるため、カロリーを抑えめにし、消化の良い食事を心がけます。食欲が落ちている場合は、好物を少量混ぜるなどして、食事への興味を維持させます。
病気の時の食事
体調不良の際は、獣医師の指示に従った食事管理が必要です。下痢をしている時は水分の多い野菜を控え、便秘の時は繊維質の多い野菜を増やすなど、症状に応じた対応をします。
食欲不振の時は、ペレットをすりつぶしてペースト状にしたり、好物を少量トッピングしたりして、少しでも栄養を摂取できるよう工夫します。
餌の管理と衛生面での注意

食器の清潔管理
餌入れは毎日洗浄し、清潔に保つことが大切です。プラスチック製の容器は傷がつきやすく、そこに雑菌が繁殖しやすいため、陶器製やステンレス製がおすすめです。
洗剤を使用した後は、十分にすすいで洗剤が残らないよう注意します。熱湯消毒も効果的ですが、プラスチック製の場合は変形する可能性があるため避けましょう。
餌の在庫管理
ペレットや種子類は、開封前でも徐々に品質が劣化していきます。大量買いは避け、1〜2ヶ月で使い切れる量を購入するようにします。複数の種類の餌を用意している場合は、開封日を記入しておくと管理しやすくなります。
まとめ
ハムスターの餌は、栄養バランスの取れたペレットを主食とし、野菜や種子類を適量組み合わせることが基本です。ゴールデンハムスターなら1日10〜15グラム、ドワーフハムスターなら5〜7グラムのペレットを目安に、個体の様子を見ながら調整します。
年齢や体調に応じて食事内容を調整することで、ハムスターの健康と長寿をサポートできます。適切な食事管理を行うことが、ハムスターとの幸せな生活の基盤となるでしょう。
記事の執筆者
- Minima編集部
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