寒い朝、ケージの中のハムスターが動かなくなっていたら、飼い主さんは「もしかして死んでしまったの?」と焦ってしまいますよね。でも、ちょっと待ってください。それは「疑似冬眠」という状態かもしれません。
結論からお伝えすると、ペットのハムスターが冬眠することは決して良いことではなく、放置すると命を落としてしまう危険な状態です。ただし、適切に対処すれば助けられる可能性があります。
この記事では、ハムスターの疑似冬眠と死亡の見分け方から、正しい起こし方、そして予防法まで詳しくお伝えしていきます。

寒い朝、ケージの中のハムスターが動かなくなっていたら、飼い主さんは「もしかして死んでしまったの?」と焦ってしまいますよね。でも、ちょっと待ってください。それは「疑似冬眠」という状態かもしれません。
結論からお伝えすると、ペットのハムスターが冬眠することは決して良いことではなく、放置すると命を落としてしまう危険な状態です。ただし、適切に対処すれば助けられる可能性があります。
この記事では、ハムスターの疑似冬眠と死亡の見分け方から、正しい起こし方、そして予防法まで詳しくお伝えしていきます。


まずは、ハムスターの冬眠がどういうものなのか、基本的なところから見ていきましょう。
野生のハムスターは、ヨーロッパからアジアにかけての寒い地域に生息しています。彼らは秋になると栄養をたっぷり蓄え、地下約2メートルもの深さに巣穴を掘って、しっかり準備を整えてから冬眠に入ります。冬眠中も6〜7日おきに目を覚まして、貯めておいたエサを食べながら寒い冬を乗り越えるのです。
一方、私たちと一緒に暮らしているハムスターはどうでしょうか。室内で飼育されているハムスターは、本来冬眠する必要がありません。人間の家は冬眠するほど寒くはないはずですし、エサも常に用意されているからです。
ところが、何らかの原因で室温が急激に下がったり、寒い環境が続いたりすると、ペットのハムスターも冬眠のような状態に入ってしまうことがあります。これを「疑似冬眠」と呼びます。
野生のハムスターが安全に冬眠できるのは、秋の間にしっかり脂肪を蓄え、体を冬眠用に整える準備期間があるからです。しかし、ペットのハムスターにはそのような準備ができていません。
突然寒くなって疑似冬眠に入ってしまうと、体がその状態に対応しきれず、そのまま命を落としてしまうケースが少なくないのです。疑似冬眠は「眠っている」というよりも、「体が低体温になって仮死状態に陥っている」と考えたほうが正確かもしれません。
実際、疑似冬眠に入ったハムスターを「死んでしまった」と勘違いして、そのまま埋めてしまったという悲しい事例も報告されています。だからこそ、疑似冬眠と死亡の見分け方を知っておくことがとても大切なのです。

動かなくなったハムスターを見つけたとき、まず確認すべきことをお伝えします。
最も分かりやすい見分け方は、体が硬くなっているかどうかを確認することです。
疑似冬眠の場合、体はやわらかく弾力があります。まるで眠っているような状態で、手足を触ると動かすことができ、皮膚をつまんでも柔らかさが残っています。
反対に、すでに亡くなっているハムスターは、死後硬直によって体が硬くなっていきます。死後硬直は亡くなってから数時間で始まり、半日ほどかけて全身の筋肉が硬直します。手足が曲がらない、体全体がカチカチになっているという場合は、残念ながら死亡している可能性が高いでしょう。
疑似冬眠中のハムスターは、わずかですが呼吸をしています。通常のハムスターは1分間に90回ほど呼吸していますが、疑似冬眠中は1分間に1桁〜10回/分程度まで低下します。
お腹の部分をよく観察して、かすかに上下に動いていないか確認してみてください。分かりにくい場合は、小さく切ったティッシュペーパーを鼻先に近づけて、ティッシュが揺れるかどうか見てみましょう。寒い時期なら、スプーンを鼻先に近づけて、息で曇るかどうかを確認する方法もあります。
疑似冬眠中のハムスターは、ヒゲがわずかにピクッと動くことがあります。じっくり観察していると、かすかな動きを見つけられることも。
また、目の状態も確認ポイントです。亡くなったハムスターは目が開いたままになっていたり、口が開いていたりすることがあります。疑似冬眠の場合は、目を閉じて丸くなっているような姿勢であることが多いです。
これらのポイントを確認しても判断がつかない場合は、まずは温める処置を試してみてください。それでも反応がなければ、動物病院で死亡確認をしてもらうことをおすすめします。

疑似冬眠だと分かったら、すぐに対処を始めましょう。ただし、焦って急激に温めることは絶対に避けてください。
最初にやるべきことは、エアコンやヒーターで部屋全体の温度を20〜26℃程度まで上げることです。ハムスターをいきなり温めるのではなく、周囲の環境からゆっくり温度を上げていくことがポイントです。
ドライヤーやストーブにハムスターを直接当てて急激に温めると、心臓に大きな負担がかかり、命を落としてしまう可能性があります。疑似冬眠中は心拍数が1分間に15回程度まで低下しているため、急に体温が上がると心拍数が一気に上昇して、小さな体には耐えられないのです。
部屋を暖かくしたら、次はあなたの体温を使ってハムスターをゆっくり温めていきましょう。両手でハムスターを包み込むようにして、30分ほど温め続けます。
この時、背中を優しくさすってあげると血液の循環を促す効果が期待できます。ゴシゴシこするのではなく、そっと撫でるようなイメージで行ってください。
タオルで包んだカイロや湯たんぽを使う方法もありますが、直接当てないように注意が必要です。低温やけどを防ぐために、必ず布で包んでから使用してくださいね。
2〜3時間ほど温め続けて、ハムスターが目を覚ましてきたら、水分とエネルギーの補給をしてあげましょう。人肌程度に温めた砂糖水や、ハムスター用のミルクを少量ずつ、スポイトやスプーンで口元に持っていきます。
疑似冬眠中は何も食べられない状態が続いていたため、体力が消耗しています。目が覚めてもすぐに元気になるわけではないので、引き続き保温しながら様子を見守ってください。
ある程度回復してきたら、できるだけ早く動物病院を受診することをおすすめします。疑似冬眠は体に大きな負担をかける出来事なので、後遺症がないか確認してもらうと安心です。
6時間以上温め続けても意識が回復する様子が見られない場合は、残念ながら亡くなっている可能性が高いかもしれません。それでも諦めずに温めながら、動物病院に連れて行って診てもらってください。
また、疑似冬眠から回復した後も、しばらくは体調が不安定になることがあります。ケージの温度管理を徹底して、栄養のあるエサをしっかり与えながら、回復を見守ってあげましょう。

疑似冬眠は、適切な対策をとれば防ぐことができます。大切なハムスターを守るために、以下の予防法を実践してみてください。
最も効果的な予防法は、室温を適切に管理することです。ハムスターの適温は20〜26℃といわれており、この温度帯を維持できれば疑似冬眠のリスクは大幅に下がります。
特に注意したいのは、朝晩の冷え込みです。日中は暖かくても、夜間や早朝に室温が急激に下がることがあります。冬場はエアコンを自動運転で24時間つけておくと、温度変化を抑えられて安心です。
ケージ内の温度と室温は必ずしも同じではないため、ケージの近くに温度計を設置してこまめにチェックする習慣をつけましょう。
小動物用のパネルヒーターをケージの下に敷くと、効果的に保温できます。ヒーターの表面温度は40℃程度になりますが、床材を通すことでちょうどよい暖かさになります。
ただし、ケージ全体を温めてしまうのは避けてください。暑くなったときにハムスターが逃げられる場所がなくなってしまいます。ヒーターはケージ底面の3分の1〜半分程度をカバーするサイズを選び、ハムスターが自分で快適な場所を選べるようにしておくのがコツです。
巣箱の下にヒーターを設置すると、ハムスターが一番長く過ごす場所を効率よく温められますよ。
床材を増やすだけでも保温効果がアップします。夏場は2〜4cm程度で十分ですが、冬場は5cm以上、ハムスターの体がすっぽり隠れるくらいたっぷり入れてあげましょう。
保温性の高い床材としては、ウッドチップやペーパーマットがおすすめです。ハムスターは本能的に床材を集めて暖かい寝床を作るので、秋頃から多めに用意しておくと、自分で冬の準備を始めてくれます。
ケージの設置場所も、温度管理に大きく影響します。窓際や玄関付近は冷え込みやすいため、冬場は避けたほうが無難です。特に窓際は、夜間から早朝にかけて外気温と同じくらいまで温度が下がることがあります。
また、温かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まる性質があります。床に直接ケージを置くと底冷えしやすいため、テーブルや棚の上など、少し高い位置に置くことをおすすめします。床に置く場合は、下にすのこやコルクマットを敷いて、冷気を遮断する工夫をしてみてください。
金網タイプのケージは通気性が良い反面、冬は冷えやすいというデメリットがあります。冬場だけでも水槽タイプのケージに移動させるか、ケージの周りをダンボールで覆って保温するのも効果的です。
意外と見落としがちなのが、日照時間の影響です。ハムスターは日照時間が短くなると体内リズムが乱れ、疑似冬眠を起こしやすくなるといわれています。
ずっと暗い部屋で飼育していると、冬眠モードに入りやすくなってしまう可能性があるのです。日中はカーテンを開けて自然光を取り入れたり、ケージを完全に覆わず明るさが分かる程度の隙間を作ったりして、ハムスターが昼夜のリズムを感じられる環境を整えてあげましょう。
エネルギー不足も疑似冬眠の原因になります。ハムスターは体が小さいため、蓄えられるエネルギーの量には限界があります。エサが不足すると体温を維持するためのエネルギーが足りなくなり、疑似冬眠に入りやすくなってしまうのです。
冬場は特に、ペレットを中心にバランスの良いエサをたっぷり与えてください。ヒマワリの種やナッツ類など、脂肪分の多い高カロリーなおやつを適量追加するのも効果的です。
ケージ内のエサがなくなっていないか、毎日確認する習慣をつけておくと安心ですね。
ハムスターの疑似冬眠は、放置すると命に関わる危険な状態です。しかし、適切な対処をすれば助けられる可能性があり、そもそも予防することもできます。
寒い季節は特にケージ内の温度をこまめにチェックして、ハムスターが快適に過ごせる環境を整えてあげてくださいね。少しの気配りで、大切なハムスターを冬の危険から守ることができます。



