ハムスターを飼っていると、前足を使って顔をこすったり、体を曲げて毛並みを整えたりする姿をよく見かけます。この毛づくろいという行動、実はハムスターにとって欠かせない習慣であり、健康状態や気持ちを知る手がかりにもなります。
「うちの子は毛づくろいが多い気がする」「最近あまり毛づくろいしなくなった」といった変化が気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。この記事では、ハムスターの毛づくろいが持つ意味や理由、そして頻度の変化から読み取れるサインについて詳しくお伝えしていきます。

ハムスターを飼っていると、前足を使って顔をこすったり、体を曲げて毛並みを整えたりする姿をよく見かけます。この毛づくろいという行動、実はハムスターにとって欠かせない習慣であり、健康状態や気持ちを知る手がかりにもなります。
「うちの子は毛づくろいが多い気がする」「最近あまり毛づくろいしなくなった」といった変化が気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。この記事では、ハムスターの毛づくろいが持つ意味や理由、そして頻度の変化から読み取れるサインについて詳しくお伝えしていきます。


ハムスターの毛づくろいは、単に毛並みを整えるだけの行動ではありません。野生下では体表の汚れを落として皮膚や被毛の状態を健康に保つことが生存に直結するため、毛づくろいは本能的な行動として根付いています。
ペットとして飼われているハムスターにも、この本能はしっかりと受け継がれています。ケージの中という安全な環境であっても、毛づくろいは彼らにとって自然で必要な日課なのです。
なお、ハムスターは汗腺が発達していないため、暑さを感じると唾液の分泌が増え、蒸発冷却によって体温を下げようとすることがあります。夏場に毛づくろいの頻度が増えるように感じる場合は、室温が高すぎないか確認してみてください。
ハムスターが毛づくろいをする頻度には個体差がありますが、起きている時間の中でこまめに行うのが一般的です。特に多く見られるタイミングとしては、寝起き、食事の後、そして飼い主に触られた後などが挙げられます。
寝起きの毛づくろいは、寝ている間に乱れた毛並みを整える意味合いがあります。人間が朝起きて顔を洗うような感覚に近いかもしれません。食事の後は口の周りや前足についた食べかすを落とすために念入りにグルーミングする子が多く、見ていてとても愛らしい光景です。
飼い主に触られた後の毛づくろいは、付着した別のにおいを整えようとする行動だと考えられています。ハムスターはにおいで縄張りを主張したり情報伝達を行ったりする動物なので、自分のにおいを整え直そうとするのは自然な反応です。飼い主を嫌っているわけではないので心配する必要はありません。むしろ、触られた後にリラックスした様子で毛づくろいを始めるなら、安心している証拠と捉えてよいでしょう。


ハムスターが毛づくろいをする最も基本的な理由は、体を清潔に保つためです。毛についたホコリや汚れ、古い毛を取り除くことで、皮膚の健康を維持しています。
ハムスターの毛づくろいをよく観察してみると、前足を舐めてから顔をこすり、そのまま耳の後ろや頭頂部まで丁寧にケアしていることがわかります。後ろ足を使って体の側面や背中を掻いたり、体を大きく曲げてお腹や脚の付け根まで舐めたりと、全身をくまなくお手入れする様子が見られます。
この一連の動作は決まったパターンで行われることが多く、ハムスターにとって毛づくろいが習慣化された行動であることがわかります。健康なハムスターは毎日このようなセルフケアを欠かさず行い、清潔な状態を保っています。
毛づくろいは、ハムスターが安心してくつろいでいるときによく見られる行動でもあります。警戒しているときや緊張状態にあるときは、毛づくろいのような無防備な姿勢をとることはありません。そのため、飼い主の目の前でゆったりと毛づくろいを始めたら、その環境に慣れてリラックスできている証拠といえます。
ケージから出して遊ばせているときや、部屋んぽ中に落ち着いた場所を見つけて毛づくろいを始める姿を見たことがある飼い主さんも多いでしょう。こうした行動は、ハムスターがその場所を安全だと認識していることを示しています。
新しくお迎えしたばかりのハムスターが、最初は隠れてばかりだったのに、だんだんと飼い主の前で毛づくろいするようになったら、信頼関係が築けてきたサインとして喜んでよいでしょう。
一方で、毛づくろいがストレスの発散行動として行われるケースもあります。人間が緊張したときに髪を触ったり爪を噛んだりするように、ハムスターもストレスを感じると毛づくろいの頻度が増えることがあります。
このようなストレス性の毛づくろいは、通常の毛づくろいとは少し様子が異なります。同じ場所を繰り返し舐め続けたり、落ち着きなく何度も毛づくろいを中断しては再開したりする場合は、何らかのストレス要因がある可能性を考えてみてください。
ストレスの原因としては、ケージの設置場所が騒がしい、温度や湿度が適切でない、ケージが狭すぎる、他のペットの存在が気になるといったことが考えられます。毛づくろいの仕方に違和感を覚えたら、飼育環境を見直してみることをおすすめします。
ハムスターはにおいを使ってコミュニケーションを取る動物です。シリアンハムスターの場合は脇腹にある臭腺(フランク腺)から分泌物を出し、縄張りを主張したり仲間に情報を伝えたりしています。
飼い主に触られた後や、ケージの掃除をした後、新しい床材に変えた後などに普段より念入りに毛づくろいをする子が多いのは、自分のにおいを整え直そうとしているためだと考えられています。ハムスターは自分のにおいに囲まれていると安心するため、環境が変わると改めてにおいを馴染ませようとするのです。
ケージの掃除の際に、汚れていない床材を少し残しておくとよいとされるのは、このような習性を考慮してのことです。全部を一度に交換してしまうと、ハムスターにとっては「知らない場所」になってしまい、落ち着かない思いをさせてしまうことがあります。

毛づくろいの頻度が急に増えた場合や、同じ部分ばかりを執拗にケアしている場合は、何らかの問題が生じているサインかもしれません。
まず考えられるのは皮膚トラブルです。ダニや真菌による感染症、アレルギー反応などがあると、かゆみから過剰に掻いたり舐めたりするようになります。特定の部分の毛が薄くなっている、皮膚が赤くなっている、フケが増えているといった症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
ストレスによる過剰グルーミングも見逃せません。環境の変化、運動不足、退屈などが原因で、毛づくろいがエスカレートして脱毛や皮膚の炎症につながるケースもあります。ケージのレイアウトを工夫して隠れ家や遊び場を増やす、回し車の設置を見直すなど、ストレス軽減のための対策を講じてみてください。
また、高齢のハムスターや体調を崩している子が、体の違和感から特定の部分を気にして舐め続けることもあります。普段と違う行動が見られたら、全身の状態をよく観察してあげることが大切です。
反対に、毛づくろいをあまりしなくなった場合も注意が必要です。健康なハムスターにとって毛づくろいは日常の一部なので、それが減少するのは体調に何か問題があるサインの可能性があります。
毛づくろいが減る原因として最も心配されるのは、体力の低下です。病気や老化によって体を動かすのがつらくなると、毛づくろいのような全身を使う動作も減っていきます。毛並みがボサボサになってきた、毛艶がなくなってきたと感じたら、食欲や活動量など他の様子も合わせてチェックしてみてください。
また、低体温や脱水状態にあるときも毛づくろいは減少します。ぐったりしている、動きが鈍いといった様子が見られたら、すぐに動物病院に相談することをおすすめします。特に夏場の熱中症や冬場の疑似冬眠は命に関わる緊急事態なので、日頃から室温管理には気を配りましょう。
高齢のハムスターの場合は、関節の痛みなどから体を曲げる動作が難しくなり、毛づくろいが十分にできなくなることもあります。そのような場合は、飼い主がブラッシングのサポートをしてあげるとよいでしょう。長毛種のハムスターは特に毛が絡まりやすいため、週に1回程度のブラッシングが必要になることもあります。


ハムスターが快適に毛づくろいできる環境を用意してあげることは、飼い主にできる大切なサポートです。砂浴び用の砂場を設置することで、毛づくろいだけでは落としきれない汚れや皮脂を砂で吸着させることができます。特にロボロフスキーハムスターは砂浴びを好む傾向があるため、砂場の設置がおすすめです。
砂浴び場はケージ内に常設してもよいですし、定期的にケージに入れて砂浴びの時間を設けるのでも構いません。ハムスター用の浴び砂を使い、清潔な状態を保つようにしましょう。砂が汚れてきたら交換し、湿気を含んでしまったものは新しいものに取り替えてください。
なお、ハムスターは基本的に自分で毛づくろいと砂浴びを行うことで清潔を保てるため、水やお湯で体を洗う必要はありません。濡れることで体温が急激に下がったり、ストレスを与えたりするリスクがあるため、入浴させることは避けてください。
また、ケージ内の温度と湿度を適切に保つことも毛並みの健康につながります。ハムスターにとって快適な環境は温度18〜26℃前後、湿度40〜60%程度が目安とされています。特に高温時は熱ストレスに注意が必要なので、エアコンや除湿機を活用して環境を整えてあげましょう。
床材の選び方も皮膚や毛の健康に影響します。アレルギーを起こしにくい素材を選び、こまめに交換して清潔な状態を維持することが大切です。針葉樹のチップはアレルギーを起こしやすい子もいるため、様子を見ながら素材を選んでみてください。

毛づくろいの様子を観察することは、ハムスターの健康管理において有効な方法のひとつです。毎日決まった時間にハムスターの様子を見る習慣をつけておくと、ちょっとした変化にも気づきやすくなります。
チェックしたいポイントとしては、毛づくろいの頻度が普段と変わっていないか、特定の場所ばかりを気にしていないか、毛並みや毛艶に変化がないかといった点が挙げられます。また、毛づくろいの後に抜け毛の量が急に増えていないかも確認しておくとよいでしょう。
毛づくろいをしている最中のハムスターは無防備な状態になるため、飼い主を警戒している子はあまり見せてくれないかもしれません。そのような場合も焦らず、少しずつ信頼関係を築いていくことで、だんだんとリラックスした姿を見せてくれるようになります。
体調不良のサインに気づいたら、できるだけ早く動物病院を受診することをおすすめします。ハムスターは体が小さいため、症状が進行するスピードも速い傾向にあります。「様子を見よう」と思っているうちに悪化してしまうケースもあるため、違和感を覚えたら早めの受診を心がけてください。
ハムスターの毛づくろいは、清潔を保ち、自分のにおいを整え、リラックスを表現する大切な行動です。毎日せっせと体をお手入れする姿は見ていて癒されますし、その様子から健康状態や気持ちを読み取ることもできます。
毛づくろいの頻度や様子に変化があったときは、環境の見直しや健康状態のチェックを行ってみてください。過剰な毛づくろいはストレスや皮膚トラブルのサイン、毛づくろいの減少は体調不良のサインである可能性があります。
日々の観察を通じてハムスターの「いつもの状態」を把握しておくことで、小さな変化にも気づけるようになります。砂浴び場の設置や適切な温度管理など、飼い主にできるサポートも忘れずに行いながら、ハムスターとの暮らしを楽しんでいただければと思います。



