自然科学系の図鑑・専門書等を発行する株式会社文一総合出版から、新刊『カモシカと進化をめぐる冒険 山の上の生存戦略』が刊行されました。
Amazon:https://amzn.to/49aIEJB

自然科学系の図鑑・専門書等を発行する株式会社文一総合出版から、新刊『カモシカと進化をめぐる冒険 山の上の生存戦略』が刊行されました。
Amazon:https://amzn.to/49aIEJB
全国平均の約10倍というニホンカモシカの生息密度を誇り、「カモシカの楽園」とも呼ばれる浅間山。その地で、原始の姿を今に残す"生きた化石"ニホンカモシカの進化の謎に迫るべく、過酷な雪山でのフィールドワークに挑む若き研究者、高田隼人氏。あるときは24時間ぶっ続けでカモシカを追跡し、またあるときは氷点下5度の雪山で微動だにしないカモシカと数時間にわたり見つめ合う。野生動物との邂逅、恩師やフィールドワークの達人たちとの出会いを重ね、研究への情熱はさらに深まり、高田氏自身も研究者として成長して行くのだった——。
本書は、"生きた化石"ニホンカモシカに魅了された一人の若者が険しい研究の道を歩み、やがて有蹄類の社会と進化の原点に迫っていく軌跡を描いた一冊です。
大学で野生動物研究室に所属した著者は、野生動物との出会いや恩師、フィールドワークの達人たちとの交流を通じて研究にのめり込みます。単独の観察からチームでの研究へと視点が広がっていく過程は、カモシカたちの変化とも重なり、本書の大きな魅力となっています。
登山中にカモシカを見かけることは珍しくありませんが、じっくり観察する機会は多くありません。著者は個体を識別し、名前をつけ、長期にわたり行動を追い続けます。時に見つめ合い、時に危険を感じるほど近接しながら観察を続けることで、カモシカの意外な素顔や個体間に生まれる関係性のドラマが浮かび上がってきます。浅間山を舞台にした、迫力満点のカモシカ動物記としても楽しんでいただける内容です。
観察を続けることで見えてくるのは、目の前のカモシカの暮らしだけではありません。「生きた化石」と呼ばれるカモシカの社会性の変化は、氷河期に草原環境が広がったことで多様化した有蹄類の進化史へとつながっていきます。現場での発見から過去の知見へ、そして進化の物語へと考察が広がっていく、本書ならではの醍醐味を存分に味わっていただけます。




髙田隼人(たかだ・はやと)

1991年東京生まれ。東京農工大学農学部附属野生動物管理教育研究センター特任准教授。山梨県富士山科学研究所研究員を経て2022年より現職。専門は行動生態学。ニホンカモシカを中心に、ニホンジカやコウモリ類、食肉類など幅広く野生哺乳類の研究に携わる。研究手法としては、フィールドで対象動物を直接観察することにこだわりを持つ。サッカーとヒップホップが好き。
この本では、大学3年生のときから博士号をとるまでの約7年間(2011~2018年)の研究生活をベースに文章を書き連ねてきた。今から14年も前のことを思い出しながら書いたけど、いろんな情景がビックリするほど鮮明に浮かんできた。書き終えてみて改めて思うが、フィールドワークも研究も、全部がマジで楽しかった。そして、本当に自分の好きなこと、やりたいことをただただやってきただけだなと思う。こんな好き勝手やってきたことを書いた本で、人に響くものがあるのか謎だけど、この本を読んで、生きものとか自然に興味を持ってくれる人がいてくれたら何よりの喜びだ。そして、生きものの魅力に心躍らす未来のフィールドワーカーが出てくることを願いたい。

このほか、全国の書店、各WEB書店でお求めいただけます。
小動物のかわいさと、ペットとしてお迎えするときに知っておきたい情報を、Minima編集部がお届け。
おうちでの豊かでしあわせな暮らしをサポートします。
なお編集部のペットはクレステッドモルモット。実体験に基づいた、確かな情報をお伝えしていきます。
本記事に関するお問い合わせはこちらまでお願いいたします。









