立ち姿が可愛いミーアキャットを見て、「どんな声で鳴くの?」「うるさいのかな?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
結論からお伝えすると、ミーアキャットは30種類以上の鳴き声を持つとされるおしゃべりな動物で、甘えているとき、警戒しているとき、仲間を呼ぶときなど、状況に応じてさまざまな声を使い分けます。普段は穏やかな声で過ごすことが多いものの、警戒時には犬の吠え声のように聞こえる鋭い声を出すこともあるため、飼育環境によっては配慮が必要です。
この記事では、ミーアキャットの鳴き声の種類や意味、ペットとして飼育する際に知っておきたいポイントまで詳しくご紹介します。
ミーアキャットの鳴き声の種類と意味

ミーアキャットは状況や感情に応じてさまざまな鳴き声を使い分けます。その種類は30種類以上にのぼるとされており、研究者たちはその複雑なコミュニケーションの解明に取り組んでいます。ここでは代表的な鳴き声の種類とその意味について見ていきましょう。
甘えているときやリラックスしているときの鳴き声
ペットとして飼育されているミーアキャットが飼い主さんに懐いてくると、甘えているときに穏やかで小さな声を出すことがあります。飼育者の間では「クゥクゥ」「にゃうにゃう」などと表現されることもあり、リラックスしているときやくつろいでいるときにこのような鳴き声が聞かれます。
また、楽しく遊んでいるときには少し賑やかな声を出すこともあります。仲間同士で毛づくろいをしたりじゃれ合ったりしているときにも似たような鳴き声が聞かれ、これは機嫌が良いことを示すサインだと考えられています。
警戒時のアラームコール
ミーアキャットが危険を察知したときや不安を感じたときには、「bark」と呼ばれる鋭い警戒音を発します。この鳴き声は犬の吠え声のように聞こえることがあり、野生では仲間に危険を知らせるための警告音として機能しています。見張り役のミーアキャットがこのアラームコールを発すると、餌を探していた仲間たちは一斉に巣穴に逃げ込んだり身を潜めたりします。
ペットとして飼育されている場合でも、何か異変を感じたときや知らない人が近づいてきたときなどに、この警戒の鳴き声を出すことがあります。普段は穏やかに過ごしていても、突然大きな音がしたり見慣れないものを見つけたりすると、本能的にアラームコールを発することがある点は覚えておきましょう。
仲間とのコミュニケーション「クローズ・コール」と「ショート・ノート」
2024年にドイツのコンスタンツ大学などの研究チームが発表した研究では、ミーアキャットの多様な鳴き声のうち、特に頻繁に使われる「クローズ・コール」と「ショート・ノート」という2タイプに注目して、群れの中でのやりとりを分析しています。
「クローズ・コール」は仲間からの返事を期待して発する声で、1匹がこの声を出すと、すぐそばにいる仲間が0.5秒未満で返事を返す確率が高いことがわかっています。まるで人間同士が会話をしているかのようなやりとりが行われるのです。
一方、「ショート・ノート」は「自分はここにいるよ」と存在を伝えるための一方通行のアナウンスのようなもので、ショート・ノートのような明確な「呼びかけ—返答」の構造が見られにくいとされています。群れの中で自分の居場所を知らせる役割を果たしていると考えられています。
この研究からもわかるように、ミーアキャットにとって鳴き声は単なる感情表現ではなく、群れで生き延びるために進化した大切なコミュニケーション手段なのです。
見張り役が発する「穏やかな鳴き声」の意味
ミーアキャットの群れで見張り役を務める個体は、危険がないときにも定期的に穏やかな鳴き声を発しています。これは「今は安全だよ」ということを仲間に伝えるためのサインで、餌を探している仲間たちはこの声を聞いて安心して採餌活動を続けることができます。
興味深いことに、ミーアキャットは見張り役の経験が豊富な個体の鳴き声をより信頼する傾向があるという研究結果も報告されています。ベテランの見張り役が穏やかな声で鳴いていると、餌を探しているミーアキャットたちは周囲を警戒する時間を減らし、安心して食事に集中するのだそうです。
ミーアキャットの鳴き声は犬に似ている?

ミーアキャットの鳴き声、特に警戒時のbark(アラームコール)は、子犬の鳴き声に似ているとよく言われます。鳴き声だけを聞くと本当に犬が鳴いているのかと勘違いしてしまうほどです。
ただし、犬とは違って鳴き声のバリエーションが豊富で、状況によってさまざまな音色の声を出すのがミーアキャットの特徴です。警戒時の鋭い声だけでなく、穏やかな声、仲間を呼ぶ声、甘える声など、30種類以上のレパートリーを持っているとされています。飼い主さんの中には、このおしゃべりな様子がとてもかわいいと感じる方も多いようです。
ミーアキャットの鳴き声はうるさい?近所迷惑になる?

ペットとしてミーアキャットを飼いたいと考えている方にとって、鳴き声の大きさや頻度は気になるポイントではないでしょうか。
ミーアキャットは常に大声で鳴き続けるタイプの動物ではありません。普段は穏やかな声でおしゃべりをしていることが多く、その声のトーン自体はそれほど大きくないケースが多いでしょう。
ただし、警戒時には犬の吠え声のように聞こえるbark(アラームコール)を出すことがあり、この音質は比較的目立ちます。たとえば突然の大きな物音、見知らぬ来客、窓の外を通る動物など、驚くような刺激があったときにアラームコールを発することがあります。
そのため、近所迷惑になるかどうかは個体差や飼育環境による部分が大きいといえます。驚きやすい性格の子かどうか、周囲の騒音レベル、来客の頻度、ケージの設置場所など、さまざまな要因が影響します。集合住宅での飼育を検討している場合は、ケージ周りの防音対策や、驚かせない動線づくりを前提に考えるのが安心でしょう。
ペットとして飼う場合の鳴き声に関する注意点

ミーアキャットをペットとして迎えることを検討している方は、鳴き声に関していくつかのポイントを押さえておくとよいでしょう。
ストレスを与えない環境づくりを心がける
ミーアキャットは警戒心が強い動物なので、ストレスを感じると警戒の鳴き声が増える傾向があります。落ち着いて過ごせる環境を整えてあげることで、不必要な警戒鳴きを減らすことができるでしょう。隠れ家となる寝床を用意したり、急な環境変化を避けたり、大きな音を立てないようにしたりといった配慮が大切です。
鳴き声から気持ちを読み取る
ミーアキャットの鳴き声は、彼らの気持ちを知るための大切な手がかりになります。穏やかな声で鳴いているときは機嫌が良いサインですし、警戒の鳴き声を出しているときは何か不安を感じている可能性があります。日頃から鳴き声のパターンを観察しておくと、体調の変化や気持ちの変化に気づきやすくなります。
1匹飼いの場合は寂しさから鳴くことも
野生では群れで生活するミーアキャットは、1匹で飼育するとストレスを感じやすい傾向があります。寂しさから鳴き声が増えることもあるため、複数頭での飼育を検討するか、飼い主さんがなるべく一緒にいる時間を確保してあげることが望ましいでしょう。
集合住宅での飼育は防音対策を検討する
マンションやアパートなどの集合住宅でミーアキャットを飼う場合は、ケージの設置場所を工夫したり、壁際に吸音材を置いたりするなどの対策を検討しましょう。警戒時の鳴き声は予測しにくいため、事前に対策しておくことで安心して飼育できます。
ミーアキャットの鳴き声を動物園で聞いてみよう

実際にミーアキャットの鳴き声を聞いてみたい方は、動物園を訪れるのがおすすめです。日本国内の多くの動物園でミーアキャットは飼育されており、群れで生活している様子や、見張り役が立っている姿などを観察することができます。
特に餌やりの時間帯は活発に動き回っていることが多く、仲間同士でコミュニケーションをとっている場面に出会えるかもしれません。ペットとして飼う前に、実際の鳴き声や行動パターンを確認しておくと、飼育後のギャップを減らすことができるでしょう。
まとめ
ミーアキャットの鳴き声について詳しくご紹介しました。ミーアキャットは30種類以上の鳴き声を持つとされるおしゃべりな動物で、甘えているときの穏やかな声から、警戒時の鋭いアラームコールまで、状況に応じて使い分けています。研究では「クローズ・コール」と「ショート・ノート」という頻繁に使われる2タイプの鳴き声が分析され、仲間同士の巧みなコミュニケーションの仕組みが明らかになっています。
気になる騒音については、普段は穏やかに過ごすことが多いものの、警戒時には目立つ声を出すことがあるため、飼育環境や個体差によって状況は異なります。集合住宅で検討する場合は、防音対策や驚かせない環境づくりを前提に考えるのがよいでしょう。
ミーアキャットは犬や猫と比べると飼育の難易度が高い動物ですが、その分、独特のコミュニケーションや表情豊かな姿を楽しめる魅力的なパートナーでもあります。飼育を検討している方は、まずは動物園などで実際の鳴き声や様子を確認してみてはいかがでしょうか。