特集「CHERUBiC Selection — ちいさな手仕事をたずねて」
MDFをレーザーカッターで切り出し、アイアンペイントで仕上げる。職人がひとつひとつ手づくりしたアクリル板から、小動物のキーホルダーを削り出す——。
小動物雑貨ショップ「CHERUBiC(チェルビック)」に作品を委託するハンドメイド作家を紹介する本特集。今回お話を聞いたのは、チンチラやウサギ、デグーといった小動物をモチーフにした雑貨を制作する「Core」さんです。
作品はどれもシックで落ち着いたデザイン。その背景には素材への深いこだわりと「触ってくれた人がホッとできるものを作りたい」という想いがありました。
「生活の中で思わず笑顔になるものが作りたい」
ペン立て、コーヒーストッカー、印鑑スタンド、キーホルダー。Coreさんが手がけるアイテムは多岐にわたりますが、どれも日常のなかで手に取るものばかりで、そのどれにも、そっと小動物が住みついています。
小動物をモチーフにしたCoreさんのMDF作品「作品を通して大きな応援をしたいというよりは、部屋の片隅に小さな動物がいて、ふと目に入った時に少し気持ちが和らぐ。触ってくれた人が生活の中でホッとして、笑顔にしたい。そんな存在になれたら嬉しいなと思いながら制作しています」
うさぎと花を組み合わせたMDFのワークショップ作品デザインはコラボ作品を除き、すべて自分で手がけています。チンチラ、ウサギ、デグー、リス、モルモット——扱う動物の種類はどんどん増えていきました。
「犬や猫のグッズはたくさんあるけど、小動物はなかなかないんですよね。『チンチラのグッズがない』とか『リスがない』って声をたくさんいただいて、一つひとつ作っていたらいつの間にか増えていました」
実はCoreさんが作家活動を始めたのは、約5年前のこと。きっかけは、当時飼っていたウサギでした。
「元々ウサギを飼っていたこともあり、Twitterでウサギの仲間ができたんです。イラストを描いたりしていたら周りが喜んでくれて、それで色々描き出して、気がついたら作っていました」
MDF素材をアイアンペイントで仕上げ、シックな風合いに
Coreさんの作品で中心的な素材となっているのがMDFです。木を粉にして固め直したような素材で、家具の棚板などにも使われています。
「素材が安いので挑戦しやすいのと、レーザーカッターとの相性がいいんです。天然木は水分で反ってしまうこともあるけど、MDFならそこまで気にしなくていい。デザインでどう価値を生み出していけるかを考えるのが楽しいです」
このMDFに、自分でデザインしたイラストをレーザーカッターで刻み、塗装して仕上げます。塗装に使うのは「アイアンペイント」という、金属のような質感が出る水性塗料。ベタ塗りすると本当に金属のように見えるそうですが、Coreさんはあえて薄めて塗ることで、独特の模様を生み出しています。
チンチラをデザインしたMDF製コーヒーストッカー「カラフルなものを作るのはあまり得意じゃないんですけど、逆にシックな感じにまとめるのは得意なのかなと思っていて。MDFって色を塗らないとすごく安っぽいけど、茶色系でまとめると、味が出てかっこよくなるんです」
会社のデスクにも置けるような、落ち着いた佇まい。それがCoreさんの作品の大きな特徴です。
そしてMDFだけでなく、Coreさんは素材そのものとの出会いを大切にしています。足立区にあるアクリル工房では、大量生産の輸入品ではなく、職人が手づくりしたレコードサイズ(約30cm×30cm)のアクリル板を扱っています。そのため決して安くはありませんが、一枚一枚柄が異なるのが魅力です。
職人が手づくりしたアクリル板の柄を生かしたキーホルダー「人が作ったものだから、柄がすごく面白いんです。これ小動物に使ったら絶対可愛いなっていう素材を見つけたら、それで作品を作ったりしています」
一枚ずつ柄が異なるアクリル板から生まれたチンチラキーホルダー天然木を使った作品もあります。木目がひとつひとつ異なるため、同じデザインでも仕上がりに個性が出るのが面白いところです。
「全部同じデザインだけど、ちょっとずつ違う。木目が個性を出してくれるんです」
CHERUBiCとの関わり、そして「見せ方」という課題
CoreさんがCHERUBiCに作品を卸し始めたのは、イベントで声をかけてもらったことがきっかけだったといいます。委託販売を始めてから1年以上が経過した今、考えているのは「どうやったら店頭で良く見せられるか?」というパッケージについてです。
「自分の作品って静かなデザインが多いので、他の商品に交じった時にどう見てもらえるかが難しいんです。透明な包みにクラフト紙のタグをつけたシンプルな包装をしていたんですけど、うまくやれれば見てもらえるし、うまくできないと結果が出ない。委託販売はありがたいと思いつつ、“見せ方”が自分の今後の課題ですね」
日本橋のアトリエでワークショップも開催しています。開催日はInstagramでご案内しておりますので、ご興味がありましたらぜひチェックしてみてください。
Coreさんが開催するワークショップの作品例自身のワークショップや全国での委託販売を通して、お客さんとの接点が広がり続けています。
これからの展望は「お菓子マルシェをやってみたい」
最後に、今後の展望を聞きました。
「2026年はもっとイベントにも出たいと思っています。他の作家さんとのコラボも増やしたいですし、お客さんとの交流ももっと広げていきたいですね」
さらに、パティシエとのつながりを生かした「お菓子マルシェ」の構想もあるといいます。
「チンチラやウサギのお菓子を私の作品と一緒に販売できたら楽しいなと思っていて。パティシエさんにお願いして、イベントのタイミングに合わせてやれたらいいなと考えています」
過去のお菓子イベントで展開された、うさぎをモチーフにしたクッキー缶小動物の雑貨に、お菓子のギフト。Coreさんのものづくりはまだまだ広がっていきそうです。
画像提供:Core
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