ハリネズミは夜行性ってほんと?活動時間・過ごし方、飼い方のコツを解説
ハリネズミをお迎えしたい、あるいはすでに一緒に暮らしている方の多くが気になるのが、「ハリネズミって夜行性なの?」「夜中にどのくらい活動するの?」という点ではないでしょうか。結論から言うと、ハリネズミは夜行性の動物です。日中は暗くて静かな場所でじっと眠り、暗くなると活発に動き出します。活動のタイミングは「何時だから」というよりも部屋の明るさに左右されやすく、個体差もありますが、一般的には日が沈んでからの夜間〜明け方にかけてよく動く傾向があります。
この記事では、ハリネズミの夜行性という生態について、活動パターンや昼間の過ごし方、飼育環境の整え方、ごはんをあげるベストなタイミングなど、暮らしに役立つ情報をまとめてお伝えしていきます。
ハリネズミが夜行性な理由と活動時間の特徴

野生のハリネズミはなぜ夜に動くのか
ハリネズミが夜行性になった背景には、野生での生存戦略が深く関わっています。ペットとして日本で飼われているヨツユビハリネズミは、もともとアフリカのサバンナや草地など比較的開けた環境に分布している動物で、日中の強い日差しや高温を避けるために、夜間に活動するという生活リズムを進化の過程で身につけました。
さらに、ハリネズミは視覚があまり発達していません。その代わりに嗅覚と聴覚がとても優れていて、暗闇の中でも匂いや音を頼りにエサを探すことができます。つまり、目に頼らなくても活動できる身体の仕組みが、夜行性という生態にぴったり合っているわけです。天敵であるフクロウやキツネなどから身を守るためにも、日中は岩の下や茂みの中でじっと隠れて過ごし、暗くなってからそっと動き出す。これがハリネズミの本来の暮らし方なのです。
暗くなると動き出す、活動のスイッチは「光」
ペットとして飼育されているハリネズミ(おもにヨツユビハリネズミ)も、野生と同じように周囲が暗くなると活動を始めます。活動のタイミングは「何時になったから」ではなく、部屋の明るさに影響を受ける部分が大きいのが特徴です。夕方〜夜にかけて照明が落ちてくると巣穴から出てきて、ケージの中をウロウロ歩き回ったり、回し車を勢いよく回したり、エサを探して鼻をクンクンさせたりと、昼間とは別の生き物かと思うほど元気に動き始めます。
多くの飼い主さんの体感としては、夜の早い時間帯と明け方ごろに活発になる印象がありますが、これも個体差が大きく、夜中じゅうコンスタントに動き続ける子もいれば、深夜に一気に動く子もいます。夜中にふと目を覚ますと、ケージの中でカラカラと回し車を回す音が聞こえてくる……というのは、ハリネズミ飼い主あるあるかもしれません。
野生のハリネズミは一晩にエサを探して1〜2km程度移動し、条件によっては3km前後動くこともあるとされています。飼育下でもその本能は変わらず、限られたケージの中でも回し車を何時間も走り続けることがあるほどです。
昼間はどのように過ごしている?
ハリネズミは昼間のほとんどを寝て過ごしています。隠れ家(寝床用のハウスやポーチ)の中で丸くなり、身体を休めているのが通常の姿です。ときどき寝返りをうったり、体勢を変えたりすることはありますが、基本的には静かにじっとしています。
ただし、「完全に昼間は起きない」というわけではありません。ハリネズミは夜行性であると同時に、薄明薄暮性(夕方や明け方に活動しやすい性質)の一面もあるとされています。昼間でもふと目を覚まして水を飲みに行ったり、少しだけ歩き回ったりする個体もいます。これは個体差によるところが大きく、人間でいう「昼寝から目を覚ましてちょっとトイレに行く」くらいの感覚に近いかもしれません。起きているからといって無理にかまう必要はなく、自然にまかせてあげるのがよいでしょう。
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夜行性のハリネズミと暮らすために知っておきたいこと

ケージの置き場所と光の管理
ハリネズミが安心して暮らすためには、昼と夜のメリハリがある環境を整えてあげることが大切です。目安としては、12時間明るく・12時間暗くというサイクルを意識すると、ハリネズミの体内時計が安定しやすくなります。昼間は自然光がやわらかく入り、夜は暗くなる場所にケージを設置するのが理想的です。
ここで気をつけたいのは、直射日光が当たる窓際は避けるということ。ハリネズミは目が弱いため、強い光が直接差し込む場所はストレスの原因になります。かといって、一日中暗い部屋に置いてしまうと体内時計が乱れてしまうことがあるため、自然のサイクルに近い明暗のリズムをつくれる場所を選びましょう。
夜になったら部屋の照明を落としてあげると、ハリネズミは「あ、活動の時間だ」と感じて自然と動き始めます。逆に、夜遅くまで煌々と明かりがついている部屋では、ハリネズミがなかなか活動モードに切り替わらないこともあります。飼い主の生活リズムと完全に一致させるのは難しいですが、夜にはなるべくケージ周辺を暗くするという意識を持つだけでも、ハリネズミにとっては大きな違いになります。
ごはんをあげるタイミングは夕方〜夜がベスト
夜行性のハリネズミに合わせて、ごはんは夕方から夜にかけてあげるのが自然なリズムに沿った方法です。野生ではエサを探して歩き回るのが夜間の活動の中心ですから、飼育下でも「起きたらごはんがある」という状態にしてあげると、ハリネズミも安心して食事ができます。
夜のコミュニケーションを大切にする
ハリネズミとの触れ合いは、ハリネズミが起きている夜の時間帯に行うのがもっとも自然です。昼間に寝ているところを無理やり起こしてスキンシップを取ろうとすると、ハリネズミは「安心して休める場所ではない」と感じてしまい、信頼関係を築くどころか逆効果になってしまうことがあります。
夜になってハリネズミがケージの中でゴソゴソと動き始めたタイミングで、やさしく声をかけながら手を差し出すところから始めてみてください。ハリネズミは嗅覚で相手を識別できるため、毎日同じような時間帯に飼い主の匂いを感じることで、少しずつ「この匂いは安全だ」と覚えていきます。
慣れてきたら、手のひらの上にそっと乗せてあげたり、おやつを手渡しであげたりすると、距離がぐっと縮まります。ただし、スキンシップの時間は1日5〜10分程度にとどめるのが無難です。もともと単独行動を好む動物ですから、「触れ合いすぎない」くらいがちょうどいいのです。
夜中の活動音への対策は?

回し車のカラカラ音が気になるとき
ハリネズミの飼い主がまず直面するのが、夜中の回し車の音問題ではないでしょうか。ハリネズミは夜になると驚くほど長い時間、回し車を走り続けます。安価な回し車だと金属がきしんだりプラスチックがガタガタ揺れたりして、深夜にかなりの音を立てることがあります。
この対策としてまず検討したいのが、サイレントタイプの回し車への買い替えです。ベアリング構造になっているものや、回転部分の摩擦が少ない設計のものを選ぶと、驚くほど音が小さくなります。選ぶ際にとくに気をつけたいのが走行面の素材で、足が挟まらない板状(ソリッド)の走行面になっているものを選んでください。ワイヤーメッシュタイプは足を挟んでケガをするリスクがあります。サイズは、走っているときに背中が大きく反らない程度の余裕があるものが目安です。小さすぎると脊椎に負担がかかるので、迷ったら大きめを選ぶと安心です。
また、回し車自体は静かでも、ケージの床に振動が伝わって音が響くケースもあります。その場合は、ケージの下に防振マットや厚手のタオルを敷くと、振動が吸収されて響きが軽減されます。
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走り回る足音や物を動かす音
回し車以外にも、ケージの中を歩き回る足音や、エサ皿をひっくり返す音、床材をガサガサと掘る音など、ハリネズミは夜中に意外とにぎやかです。これは健康的な活動の証拠ですから、基本的には温かく見守ってあげてほしいのですが、寝室のすぐ近くにケージがある場合はどうしても気になることもあるでしょう。
できる対処法としては、ケージの設置場所を寝室から少し離すことがもっとも効果的です。リビングや廊下など、就寝中に音が気になりにくい場所に移すだけでかなり改善されます。ただし、温度管理ができる部屋であることが前提です。ハリネズミの適温は24〜29℃程度(資料によっては30℃まで)が目安とされており、この範囲を外れると体に大きな負担がかかることがあります。エアコンやヒーターで一年を通じて安定した温度を保てる場所を選んでください。
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ハリネズミの生活リズムが乱れるときに確認したいこと

昼間ばかり起きている場合
飼い始めてしばらくすると、「うちの子は昼間によく起きているけど大丈夫?」と心配になることがあるかもしれません。結論からお伝えすると、多少の個体差はあるため、昼間にときどき起きること自体はそれほど珍しくありません。
ただし、昼間に長時間ウロウロしていたり、夜になっても活動量が極端に少なかったりする場合は、いくつかの原因が考えられます。まず確認したいのは温度です。ハリネズミは室温が低すぎたり高すぎたりすると、身体を守るために休眠状態に陥ることがあり、飼育下ではこれが大きな体調不良の原因になりえます。室温が24〜29℃程度の範囲に収まっているかをチェックしてみてください。
もうひとつ確認したいのは、部屋の明暗サイクルです。夜になっても部屋が明るいままだったり、逆に一日中カーテンを閉め切って暗い部屋にいたりすると、体内時計が狂ってしまうことがあります。ハリネズミの健康を保つためにも、12時間明るく・12時間暗くを目安に、自然光に近いリズムの環境を意識してあげましょう。
夜にまったく動かない場合
反対に、夜になっても巣穴から出てこない、回し車もまったく回さない、ごはんにも手をつけていない……という場合は、体調不良の可能性があります。ハリネズミは体調の変化を外に見せにくい動物なので、「元気がない」と感じたときには、すでにかなり辛い状態になっていることも少なくありません。
このような場合は、食欲の有無、便の状態、鼻水やくしゃみの有無、皮膚の異常(フケや脱針)などを確認し、早めにハリネズミの診察ができる動物病院を受診することをおすすめします。ハリネズミを診られる病院は限られているため、お迎え前にあらかじめエキゾチックアニマル対応の動物病院を調べておくと、いざというときに慌てずに済みます。
まとめ
ハリネズミは夜行性の動物で、暗くなると活発に動き出し、夜間から明け方にかけてよく活動します。昼間は暗くて静かな場所でぐっすり眠っており、夜になるとエサ探しや運動のために元気に動き回るのが自然な生活リズムです。
もし生活リズムの乱れや活動量の変化が見られたら、温度や明暗サイクルの見直し、そして早めの受診を心がけてください。ハリネズミは体調の変化を隠しがちな動物なので、日ごろから夜の活動量やごはんの食べ具合を観察しておくことが、健やかな暮らしを守るためのいちばんの近道です。