ハリネズミをペットとしてお迎えしたいと考えたとき、「どんな種類がいるんだろう?」「色の違いで何か変わるの?」と気になる方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、日本で一般的にペットとして流通しているハリネズミは、ヨツユビハリネズミという種類がほぼ唯一です。他の種類は外来生物法の規制対象に含まれるものがあり、飼養等が原則禁止されているため、ペットショップで見かけることはまずありません。ただし、ヨツユビハリネズミの中にはソルト&ペッパーやシナモン、アルビノなど、多彩なカラーバリエーションが存在します。
この記事では、ハリネズミの種類とカラーの違い、それぞれの特徴や価格の目安について詳しくお伝えしていきます。これからハリネズミをお迎えしようと検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ペットとして飼えるハリネズミの種類

世界にはさまざまなハリネズミが生息していますが、日本のペット市場で流通しているのはごく限られた種類だけです。ここでは、一般的に飼育されている種類と、規制により飼育が難しい種類についてそれぞれ説明していきます。
ヨツユビハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)が一般的な選択肢
日本のペットショップやハリネズミカフェで見かけるハリネズミは、ほぼすべてがヨツユビハリネズミ(別名:ピグミーヘッジホッグ、アフリカピグミーヘッジホッグ)です。ハリネズミを飼いたいと思ったら、基本的にはこのヨツユビハリネズミをお迎えすることになると考えてよいでしょう。
ヨツユビハリネズミはもともとアフリカ中央部から東部にかけて広く分布している種類で、名前の由来は後ろ足の指の本数にあります。多くのハリネズミが前後とも5本指であるのに対し、ヨツユビハリネズミは後ろ足の指が4本しかないという特徴を持っています。ちなみに前足は他の種類と同じく5本です。
体長は15〜22cm程度、体重は300〜600g前後と、手のひらに収まるほどのコンパクトなサイズ感が魅力です。ただし、体格には個体差があり、同じヨツユビハリネズミでも大きめの子や小さめの子がいます。
特定外来生物に指定されて飼育が難しい種類がある
ハリネズミと一口に言っても、世界には複数の属・種が知られています。しかし、一部のハリネズミは外来生物法に基づく「特定外来生物」に指定されており、愛玩目的での飼養等が原則禁止されています。そのため、日本国内で新たにペットとして入手・飼育することは基本的にできません。
代表的な規制対象の種類としては、ナミハリネズミ(ヨーロッパハリネズミ)があります。ヨーロッパ各地に生息しているこの種類は、ヨツユビハリネズミよりも一回り大きく、茶色っぽい体色が特徴です。以前は日本でも飼育されていた時期がありましたが、現在は規制の対象となっています。
また、大きな耳が特徴的なオオミミハリネズミや、中国東北部に生息するマンシュウハリネズミ(アムールハリネズミ)なども同様に規制対象です。これらの種類は冬眠する習性を持っていることでも知られていますが、いずれも特定外来生物として扱われています。
ハリネズミのカラーバリエーション(色の種類)
ヨツユビハリネズミは1種類ではあるものの、針の色や皮膚、目、鼻などの組み合わせによって多数のカラーバリエーションが存在します。カラーの判別は、針に見られるバンド(帯状の模様)や、マスク(鼻から目の下にかけての被毛が濃い部分)などの要素で行われます。なお、カラーの分類や呼び方はショップやブリーダーによって異なることがあるため、同じ見た目でも違う名前で呼ばれているケースも珍しくありません。ここでは、ペットショップでよく見かける代表的なカラーを紹介していきます。
ソルト&ペッパー(スタンダード)
ハリネズミと聞いて多くの人がイメージする、最もポピュラーで入手しやすいカラーがソルト&ペッパーです。スタンダードと呼ばれることも多く、白と黒(もしくはこげ茶)のコントラストが特徴的です。針は白地に黒いバンド模様が入っており、全体的に塩コショウを振りかけたような見た目からこの名前がつけられました。
皮膚の色は黒っぽく、お腹部分の被毛は白色です。目と鼻も黒く、鼻から目の下にかけて黒いマスク模様がはっきりと見られます。いわゆる「ザ・ハリネズミ」という印象の、クールでかっこいい雰囲気を持ったカラーだといえるでしょう。
流通量が多いため価格も比較的手頃で、初めてハリネズミを飼う方にもおすすめしやすいカラーです。
シナモン
ソルト&ペッパーと並んで人気の高いカラーがシナモンです。針は白地にシナモンブラウン(明るい茶色)のバンドが入っており、全体的に優しく柔らかい印象を与えます。ペットショップでは「色変わり」と表記されていることもあります。
皮膚はピンク色で、ソルト&ペッパーのような黒いマスク模様はありません。鼻は茶褐色、目は黒色をしています。ふんわりとした雰囲気が好みの方に根強い人気があり、「シナモンカラーに一目惚れした」という声もよく聞かれます。
アルビノ
色素を持たないアルビノは、真っ白な針と赤い目が特徴的なカラーです。針にはバンド模様が一切なく、すべて純白です。皮膚はピンク色が透けて見え、耳や鼻もピンク色をしています。
その神秘的で美しい見た目から固定ファンも多いカラーですが、色素が薄いぶん紫外線に弱い傾向があるともいわれています。また、視力がやや弱いとされることもあり、環境によっては他のカラーよりも繊細な面を持つ個体もいるようです。ただし、適切な飼育環境を整えれば、他のカラーと変わりなく元気に暮らしている子もたくさんいます。
アプリコット・シニコット
シナモンに近いカラーとして、アプリコットとシニコットがあります。
アプリコットはシナモンよりもさらに色が薄く、針は白っぽいベージュ色で、目が赤いのが最大の特徴です。耳と鼻はピンク色をしており、アルビノに近い淡い雰囲気を持ちながらも、わずかに色味が残っている上品な印象のカラーです。
シニコットはシナモンとアプリコットの中間のようなカラーで、目は黒く、耳と鼻がピンク色をしています。ピンクの大きな耳がチャームポイントになっている個体も多く、優しい表情が魅力です。
パイド
パイドは特定の色を指す名称ではなく、白い針がまだらに入ることで生じるツートンカラーのパターンのことを指します。ピントと呼ばれることもあります。
ソルト&ペッパーをベースにしたスタンダードパイド、シナモンをベースにしたシナモンパイドなど、どのカラーにも見られる可能性があります。白い斑模様の入り方は個体によってすべて異なるため、まったく同じ模様を持つハリネズミは存在しないといっても過言ではありません。唯一無二の個性を持った子をお迎えしたい方にとっては、とても魅力的なカラーでしょう。
ホワイトやプラチナなど希少なカラーも存在する
流通量は少ないものの、さらに珍しいカラーも存在します。
ホワイトはアルビノとよく似た白い見た目をしていますが、目の色が黒や茶色である点が異なります。アルビノほど色素が抜けきっていないため、耳や鼻にも若干の色味が残っていることがあります。
プラチナは針のほとんどが真っ白で、わずかに灰色がかった針が混じるシックな印象のカラーです。チャコールホワイトと呼ばれる似たカラーもあり、ホワイト系の中でも微妙な違いで細かく分類されています。
これらのレアカラーはペットショップで見かける機会自体が少なく、出会えたらラッキーといえるでしょう。
カラーによる価格の違い

ハリネズミの販売価格は、カラーや購入先によって大きく変動します。一般的な目安は1万円〜5万円程度ですが、店舗や月齢、産地、健康状態などによっても価格は異なります。レアカラーの場合はさらに高額になることもあるため、あくまで参考程度に考えておくとよいでしょう。
入手しやすいカラーは比較的手頃
ソルト&ペッパー(スタンダード)は最も流通量が多いカラーのため、価格も比較的手頃で1万円〜2万円程度で販売されていることが多いです。シナモンやアルビノも比較的よく見かけるカラーで、1万5千円〜2万5千円程度が目安となっています。
これらのカラーはペットショップでの取り扱いも多く、お気に入りの子を見つけやすいというメリットもあります。初めてハリネズミを飼う方や、予算を抑えたい方にはこれらの定番カラーがおすすめです。
希少で高価なカラーは入荷待ちになることも
一方、パイドやホワイト、プラチナといった希少なカラーは3万円〜5万円以上で取引されることもあります。特にパイドは模様の入り方によって個体差が大きく、美しい模様の子はさらに高値がつくこともあるようです。
希少カラーは入荷自体が少ないため、お目当てのカラーに出会うまでに時間がかかることも珍しくありません。複数のペットショップを回ったり、入荷時に連絡をもらえるようお願いしておいたりすると、理想の子に出会える確率が高まります。どうしても見つからない場合は、信頼できるブリーダーに問い合わせてみるのも一つの方法です。
なお、外国産のハリネズミは国産よりも安く販売されていることがありますが、輸送中のストレスや育成環境の違いから、健康面でリスクを抱えている場合もあるため注意が必要です。
自分に合ったハリネズミの選び方

カラーバリエーションが豊富なハリネズミですが、見た目だけで選んでしまうと後悔することもあります。ここでは、お迎え前に知っておきたい選び方のポイントをお伝えします。
見た目だけでなく性格も確認する
ハリネズミは個体によって性格がかなり異なります。人懐っこくてすぐに慣れてくれる子もいれば、警戒心が強くなかなか心を開いてくれない子もいます。同じカラーでも性格は一頭一頭違うため、できればお店で実際に触れ合ってみて、自分との相性を確かめてからお迎えすることをおすすめします。
アルビノや色素の薄いカラーの子は、視力がやや弱い傾向があるため性格が繊細になりやすいともいわれています。ただし、これも個体差が大きいため、一概には言えません。お店のスタッフにその子の普段の様子を聞いてみるのもよいでしょう。
健康状態をチェックするポイントを押さえる
お迎えする前に、その子の健康状態をしっかり確認することも欠かせません。チェックしたいのは、針の抜け具合、皮膚の状態、目や鼻の様子、体型などです。
針が不自然にたくさん抜けている子や、皮膚にフケや赤みがある子は、ダニ症などの皮膚疾患を抱えている可能性があります。目ヤニが出ていたり、鼻水が見られたりする場合も体調を崩しているサインかもしれません。また、極端に痩せている子や、逆に太りすぎている子も避けたほうが無難です。
元気に動き回っている様子や、しっかりと餌を食べているかどうかも参考になります。
信頼できる購入先を選ぶことが長く一緒に暮らす秘訣

ハリネズミは大型のペットショップやエキゾチックアニマル専門店、ブリーダーから購入するのが一般的です。どこで購入するにしても、飼育環境が清潔に保たれているか、スタッフがハリネズミについて詳しいかといった点を確認しましょう。
信頼できるお店やブリーダーは、購入後の相談にも親身に対応してくれることが多いです。特にハリネズミは犬や猫に比べて情報が少なく、飼い始めてから疑問や不安が出てくることも珍しくありません。困ったときに相談できる購入先を選んでおくと、安心してハリネズミとの生活をスタートできるでしょう。
まとめ
日本で一般的にペットとして流通しているハリネズミは、ヨツユビハリネズミがほぼ唯一です。ナミハリネズミやオオミミハリネズミなど他の種類は特定外来生物に指定されているものがあり、新たに入手・飼育することは基本的にできません。
ただし、ヨツユビハリネズミだけでもソルト&ペッパー、シナモン、アルビノ、パイドなど、多彩なカラーバリエーションが存在します。ただし、お迎えする際は見た目のカラーだけでなく、その子の性格や健康状態もしっかり確認することが大切です。