フェレットとイタチは、見た目がとても似ていることから「同じ動物なのでは?」と思われがちです。結論からお伝えすると、フェレットは人間がペット用に品種改良した家畜であり、イタチは野生動物という根本的な違いがあります。
細長い胴体に短い足、愛嬌のある顔つきなど共通点は多いものの、性格や飼育の可否、法律上の扱いなどは大きく異なります。この記事では、フェレットとイタチの違いについて、生物学的な観点から飼育に関する実用的な情報まで、詳しくお伝えしていきます。

フェレットとイタチは、見た目がとても似ていることから「同じ動物なのでは?」と思われがちです。結論からお伝えすると、フェレットは人間がペット用に品種改良した家畜であり、イタチは野生動物という根本的な違いがあります。
細長い胴体に短い足、愛嬌のある顔つきなど共通点は多いものの、性格や飼育の可否、法律上の扱いなどは大きく異なります。この記事では、フェレットとイタチの違いについて、生物学的な観点から飼育に関する実用的な情報まで、詳しくお伝えしていきます。


まず押さえておきたいのは、フェレットもイタチも同じ「イタチ科イタチ属」に分類される近縁の動物だということです。生物学的にはかなり近い存在であり、見た目が似ているのはそのためです。
ただし、両者の成り立ちには決定的な違いがあります。フェレットは、主にヨーロッパケナガイタチなど近縁のケナガイタチ類を起源として家畜化されたと考えられており、約2000〜3000年にわたって人間と暮らしてきた動物です。当初はウサギ狩りやネズミ退治など、狩猟や労働に用いられていました。
一方のイタチは、完全な野生種です。日本で「イタチ」と呼ばれるのは主に在来種の「ニホンイタチ」と外来種の「シベリアイタチ(チョウセンイタチ)」の2種類で、いずれも自然界で独自に進化してきた動物です。
フェレットの学名は「Mustela putorius furo」といい、ラテン語で「イタチ・悪臭・泥棒」という意味を持っています。「泥棒」を意味する「furo」は英語の「Ferret」の語源にもなっているそうです。
もともとはヨーロッパで狩猟や害獣駆除のために飼育されていましたが、現在では世界中でペットとして親しまれています。日本でフェレットの人気が高まったのは1990年代以降のことで、テレビ番組で紹介されたり飼育書が出版されたりしたことがきっかけでした。
フェレットは人間によって家畜化された動物のため、「野生種としてのフェレット」は存在しません。ただし、飼育されていた個体が逃げ出したり捨てられたりして野外で暮らす「野生化」が起こることはあり、海外ではそうした個体が繁殖して定着している地域もあります。
対してイタチは、日本の自然に古くから根付いている野生動物です。ニホンイタチは本州・四国・九州などに分布しており、かつては平野部を中心に生息していました。しかし、1930年頃から外来種のシベリアイタチが日本に侵入して生息域を広げたため、ニホンイタチは山間部へと追いやられる形になっています。
現在、西日本の市街地で見かけるイタチのほとんどはシベリアイタチだといわれています。イタチは森林や草原だけでなく、住宅地の近くにも適応して生息しており、民家の床下や天井裏に棲み着くこともあります。

フェレットとイタチは一見そっくりですが、よく観察すると外見にもいくつかの違いがあります。
フェレットの大きな特徴は、毛色や模様が個体によって全く異なるという点です。真っ白な個体もいれば、茶色や黒の模様がある個体、クリーム色の個体など、カラーバリエーションがとても豊富です。これは長年にわたる品種改良の結果であり、ペットとしての魅力を高めています。
体のサイズはオスの方がやや大きく、成体で体長35〜50cm程度になります。メスは一回り小さく、体重も700g〜1kg前後が一般的です。
イタチの毛色は野生動物らしく、山吹色から茶褐色が基本となっています。これは自然界で身を隠すための保護色としての役割を果たしています。顔の中央部分がやや暗い色になっているのも特徴で、鼻の周辺から口元にかけては白っぽくなっています。
ニホンイタチの体長はオスで27〜37cm、メスで16〜25cm程度とフェレットより小柄です。シベリアイタチはニホンイタチよりもやや大きく、オスで28〜39cm程度になります。

見た目以上に大きく異なるのが、フェレットとイタチの性格です。この違いは、家畜として品種改良されてきたかどうかに深く関係しています。
フェレットは猫よりも人に懐きやすいといわれるほど、人間との関わりを好む性格をしています。好奇心旺盛で遊ぶことが大好きで、飼い主と一緒におもちゃで遊んだり、部屋の中を探検したりして過ごします。
また、しつけを覚えることもでき、トイレの場所を認識したり、簡単な芸を身につけたりする個体もいます。基本的に吠えたり大きな声で鳴いたりすることがないため、集合住宅でも比較的飼いやすいペットとして人気があります。
フェレットは社会性も持ち合わせており、複数匹での飼育が可能です。ただし、相性の問題もあるため、多頭飼育を始める際は慎重に様子を見ながら進めていく必要があります。
野生のイタチは、警戒心がとても強く、基本的に人間に懐くことはありません。性格は獰猛で、自分より大きな動物にも果敢に立ち向かうほどの気性の荒さを持っています。小動物を狩るための本能が備わっており、ニワトリやウサギなどの家畜を一匹で襲ってしまうこともあるほどです。
イタチは夜行性で単独行動を好み、危険が迫ると肛門腺から強烈な臭いのする分泌液を放って逃げるという習性があります。これはいわゆる「イタチの最後っ屁」として知られている自己防衛行動です。
見た目がフェレットに似ているからといって、野生のイタチに近づいたり触ろうとしたりするのは絶対に避けてください。噛みつかれてケガをする危険があります。

フェレットとイタチで最も実用的な違いは、ペットとして飼育できるかどうかという点です。
フェレットは、日本において販売・流通・飼育・繁殖を制限する法律がなく、ペットショップで購入して飼育することができます。世界では飼育が違法な国や地域もありますが、日本では問題なく一緒に暮らすことが可能です。
ペットショップで販売されているフェレットは、避妊・去勢手術が済んでいることが多く、流通元によっては臭腺除去の処置が行われている場合もあります。臭腺とは、イタチ科の動物が持つ強い臭いを発する腺のことで、この処置によって独特の臭いを軽減することができます。また、発情期の体臭も去勢・避妊によって抑えられるため、室内で快適に飼育しやすくなっています。購入の際は、どのような処置が済んでいるかをショップに確認しておくと安心です。
フェレットの寿命は5〜11年程度と幅があり、目安として6〜8年前後とされることが多いです。犬や猫に比べるとやや短めで、4歳頃からシニア期に入ります。高齢になるとインスリノーマや副腎腫瘍といった病気にかかりやすくなるため、定期的な健康診断が推奨されています。
一方、野生のイタチは鳥獣保護管理法によって保護されている動物であり、許可なく捕獲したり飼育したりすることはできません。たとえ赤ちゃんの頃から育てたとしても、野生の本能が残っているため成長するにつれて凶暴になり、手に負えなくなる可能性が高いです。
もし自宅の天井裏や床下にイタチが棲み着いてしまった場合も、無許可での捕獲・殺傷は原則として禁止されています。被害がある場合は、自治体への相談や許可捕獲の手続き、専門の駆除業者への依頼といった対応が一般的です。イタチによる被害としては、騒音、糞尿による悪臭や建物の劣化、ダニやノミの媒介、農作物への食害などが挙げられます。

フェレットとイタチは、食べるものにも違いがあります。
フェレットは完全な肉食性で、動物性たんぱく質の消化に特化した短い腸を持っています。植物性の繊維質はほとんど消化できないため、野菜や穀類は与えないのが基本です。ペットとして飼育する場合は、高たんぱく・高脂肪で設計されたフェレット専用のフードを与えます。
イタチの食性は動物食が中心で、ネズミやカエル、鳥、昆虫、魚、甲殻類などをよく食べます。環境や季節によっては木の実や果物を利用することもあります。住宅地では生ゴミを漁ることもあり、この点も害獣として問題視される理由の一つです。
フェレットとイタチは、同じイタチ科に属する生物学的に近い動物ですが、その成り立ちや性格、飼育の可否などは大きく異なります。
フェレットは人間によって家畜化されたペット用の動物であり、人懐っこい性格で日本でも合法的に飼育することができます。一方、イタチは完全な野生動物であり、鳥獣保護法によって保護されているため飼育はできません。
見た目は似ていても、両者を混同しないように注意してください。野外でイタチのような動物を見かけても、近づいたり触ろうとしたりせず、そっとその場を離れるようにしましょう。
フェレットをお迎えしたいと考えている方は、温度管理や誤飲対策、病院探しなど、事前にしっかりと準備を整えてから飼育を始めることをおすすめします。正しい知識を持って、フェレットとの楽しい毎日を過ごしてくださいね。



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