細長い体でちょこまかと動き回り、好奇心いっぱいに部屋を探検する姿が愛らしいフェレット。散歩の必要がなく、鳴き声も小さいことから、一人暮らしの方や集合住宅にお住まいの方にも人気のペットです。
結論からお伝えすると、フェレットは比較的飼いやすいペットではありますが、温度管理や食事、病気の予防など押さえておくべきポイントがいくつかあります。この記事では、フェレットをお迎えしたい方に向けて、基本的な飼い方から健康管理のコツまで、詳しくお伝えしていきます。

細長い体でちょこまかと動き回り、好奇心いっぱいに部屋を探検する姿が愛らしいフェレット。散歩の必要がなく、鳴き声も小さいことから、一人暮らしの方や集合住宅にお住まいの方にも人気のペットです。
結論からお伝えすると、フェレットは比較的飼いやすいペットではありますが、温度管理や食事、病気の予防など押さえておくべきポイントがいくつかあります。この記事では、フェレットをお迎えしたい方に向けて、基本的な飼い方から健康管理のコツまで、詳しくお伝えしていきます。


フェレットをお迎えする前に、まずはこの動物の特徴や性格について理解しておきましょう。
フェレットはイタチ科に属する動物で、イタチを家畜として改良した品種です。2000年以上前から人間と一緒に暮らしてきた歴史があり、もともとはウサギ狩りやネズミ駆除の目的で飼育されていました。現在ではペットとして人気を集めています。基本的に家畜化された動物であり、野生下で安定して生息する「野生種」としては扱われていません。
体長はオスで35〜40cm、メスで30〜35cm程度で、体重はオスが1〜1.5kg、メスが700g〜1kg程度と、メスの方が小柄です。寿命は平均6〜8年ほどで、適切な飼育環境が整っていれば10年近く生きる個体もいます。1日のうち16〜20時間程度を寝て過ごすという、よく眠る動物でもあります。
フェレットは好奇心旺盛で遊び好きな性格をしています。飼い主さんに慣れてくると、甘えてきたり、嬉しいときにはピョンピョンと跳ねる「フェレットダンス」を見せてくれたりします。
ただし、基本的には単独で自由に過ごす時間も好むため、犬のようにべったりと付きまとうわけではありません。飼い主さんとフェレット、お互いの時間を尊重しながら暮らせるのも魅力のひとつです。分離不安になりにくい性格のため、日中仕事で家を空ける一人暮らしの方でも飼いやすいでしょう。


フェレットをお迎えする前に、必要な飼育用品を揃えておきましょう。
フェレットは基本的にケージで飼育します。網目が細かく、すき間から脱走できないフェレット専用のケージを選んでください。フェレットは細い隙間でもするりと通り抜けてしまうため、網目(バー間隔)が狭いものが適しています。特に幼体の場合は、成体よりもさらに狭い間隔のケージを選ぶと安心です。扉が大きく掃除しやすいタイプがおすすめですが、フェレットは賢いため、個体によっては飼い主さんの動作を見て扉の開け方を覚えることがあります。ナスカンや鍵で脱走対策をしておくとよいでしょう。
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寝床にはハンモックを用意してあげましょう。フェレットは潜り込んで眠ることで安心感を得る動物で、ハンモックの中で丸まって揺られながら眠るのを好む個体が多いです。1日の大半を寝て過ごすフェレットにとって、快適な寝床は大切なアイテムです。ハンモックには体臭が付きやすいため、こまめに洗濯して清潔に保ちましょう。
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トイレは高さのあるフェレット専用のものを用意します。フェレットは後ずさりしてお尻が壁に当たった場所で排泄する習性があるため、ケージの隅に設置するのがポイントです。トイレ砂は、万が一飲み込んでしまっても体内で固まらない、フェレット用のものを選んでください。猫用の砂を代用するのは危険です。
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フード入れは、ひっくり返されないように重みのある陶器製や、ケージに固定できるタイプがおすすめです。フェレットはいたずら好きなので、軽いお皿だとすぐにひっくり返してしまいます。
給水器は、ケージに取り付けられるボトルタイプが衛生的です。お皿に水を入れる方法だとこぼしたり汚したりしやすく、飲んだ量も把握しにくくなります。フェレットは水をよく飲む動物なので、常に新鮮な水が飲める状態にしておきましょう。
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フェレットは遊ぶことが大好きなので、ボールやトンネルなどのおもちゃを用意してあげると喜びます。ただし、噛んで破片を飲み込んでしまう危険があるため、素材には注意が必要です。かじっても安全な素材かどうかを確認してから与えてください。
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フェレットは肉食性の強い動物であり、適切な食事管理が健康維持の基本となります。
フェレットの主食は、フェレット専用のペレット(フェレットフード)です。フェレットに必要な栄養素がバランスよく含まれているため、基本的にはこれを中心に与えます。
フェレットは消化管が短く、消化から排泄まで3〜4時間程度という特徴があります。そのため、こまめに少量ずつ食べる習性があり、フードは常にフード入れに入っている状態にしておくのが一般的です。多くのフェレットは自分で食べる量を調節できますが、肥満傾向の個体もいるため、体重の変化を観察しながら、必要に応じて獣医師に相談するとよいでしょう。
幼体(生後12週齢くらいまで)の場合は、ドライフードを水でふやかして柔らかくしてから与えます。成長に合わせて徐々にドライフードへ切り替えていきましょう。
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おやつとしては、ビタミンが配合されたペースト状のサプリメント「フェレットバイト」や、タンパク質の多いジャーキーなどがあります。喜んで食べますが、与えすぎには注意してください。おやつはあくまで補助的なもので、主食のペレットをしっかり食べることが基本です。
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フェレットは肉食性が強く、高繊維・高糖質の食べ物は消化に適していません。野菜や果物、穀物などの植物性食品は、少量でも下痢や体調不良の原因になることがあるため、基本的には与えないようにしましょう。
乳製品も消化不良を起こしやすいため避けた方が無難です。また、チョコレートやマカデミアナッツ、ネギ類などは、一般に中毒リスクがあるとされているため与えないでください。与えてよい食べ物について迷った場合は、獣医師に相談することをおすすめします。

フェレットの飼育において、温度管理は健康を左右する大切なポイントです。特に暑さには弱いため、季節ごとの対策をしっかりと行いましょう。
フェレットが快適に過ごせる温度は15〜25℃程度、湿度は40〜60%程度が目安とされています。フェレットは汗腺が発達しておらず、人間のように汗をかいて体温を下げることが苦手です。そのため、気温が上がるほど体調を崩すリスクが高まり、高温環境では熱中症で命を落とす危険もあります。
人間が「少し暑いかな」と感じる程度でも、フェレットにとっては危険な温度になっていることがあります。感覚に頼らず温湿度計を設置して、室温をチェックする習慣をつけましょう。ケージは窓際やドア付近など温度変化の激しい場所を避けて設置してください。
夏場はエアコンでの室温管理が基本です。飼育環境や地域、個体差によって適切な設定温度は異なりますが、フェレットが快適に過ごせる範囲を維持することを心がけましょう。日中留守にする場合は、室温が上がりすぎないよう対策が必要です。
扇風機については、汗をかかないフェレットには人間ほどの涼しさを感じさせる効果は期待できませんが、エアコンと併用して室内の空気を循環させるには有効です。
暑い日にフェレットがハアハア息を切らしていたり、ぐったりして食欲がなかったりする場合は、熱中症の危険なサインです。ただし、冷水をかけたり氷水につけたりするのは逆効果で、急激な体温低下によるショックを起こす恐れがあります。ゆっくりと体温を下げながら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
フェレットは暑さほどではありませんが、寒さにも注意が必要です。室内飼育で暖かい環境に慣れたフェレットは、寒さへの耐性が弱くなっています。室温は15℃以上をキープするようにしましょう。
暖房を使う場合は、温風が直接フェレットに当たらないように注意してください。乾燥しすぎると皮膚トラブルの原因にもなるため、加湿器を併用するとよいでしょう。ケージ内に毛布や寝袋を入れておけば、フェレット自身が潜り込んで暖を取ることができます。ペット用ヒーターを使う場合は、ケージの一部だけを温める配置にして、フェレットが暖かい場所とそうでない場所を選べるようにしてあげてください。

フェレットと快適に暮らすために、基本的なしつけを行いましょう。
フェレットはトイレを覚える個体が多い動物です。ケージ内のトイレで用を足すことを教えるには、排泄物のニオイをトイレに残しておくのがコツです。フェレットはニオイを頼りにトイレの場所を認識するため、最初のうちは少しだけ排泄物を残しておくと覚えが早くなります。
ただし、ケージの外で遊んでいるときは、遊びに夢中になってトイレに戻れないこともあります。部屋の隅など決まった場所で排泄することが多いので、その場所にもトイレを設置してあげるとよいでしょう。フェレットは排泄回数が多いため、毎日のトイレ掃除は欠かせません。
フェレットには噛み癖があり、特にベビー期は遊びの延長で飼い主さんを噛んでしまうことがあります。牙が鋭いため、噛まれると流血することも珍しくありません。
噛み癖のしつけは、噛まれたらすぐに「ダメ」「ノー」と低く大きな声で叱り、遊びを中断するという方法を繰り返します。感情的に怒鳴ったり、叩いたりするのは逆効果です。また、名前を呼びながら叱ると、名前に対してネガティブな印象を持ってしまうため、名前では叱らないようにしましょう。
歯が生え変わる時期はむずがゆくて噛みたがることもあるため、噛んで遊べるおもちゃを用意してあげると噛み癖の軽減に役立ちます。

フェレットは遊ぶことが大好きな動物です。適切な遊び時間を確保してあげましょう。
フェレットは1日1〜2時間程度はケージの外に出して遊ばせてあげるのが理想的です。ケージの中だけの生活ではストレスがたまってしまうため、毎日の放牧時間を確保してあげましょう。遊んでいるときのフェレットは、部屋中を走り回ったり、飛び跳ねたりと活発に動きます。
フェレットはトンネルやボールなど、好奇心を刺激するおもちゃを好みます。狭い場所に潜り込む習性があるため、トンネル型のおもちゃは特に喜ぶでしょう。ボールを転がして追いかけたり、飼い主さんと追いかけっこをしたりするのも大好きです。
おもちゃを選ぶ際は、噛んで破片を飲み込んでしまわないよう、素材と耐久性を確認してください。
外での散歩は必須ではありませんが、フェレット専用のハーネスとリードを着けて行うことは可能です。ただし、暑い時期はアスファルトの温度が高くなるため火傷の危険がありますし、感染症のリスクもあります。基本的には室内での遊びで十分な運動量を確保できるため、無理に外へ連れ出す必要はありません。
フェレットを部屋で遊ばせる際には、事故を防ぐための対策が欠かせません。
フェレットは好奇心旺盛で、小さなものを口に入れてしまうことがあります。ゴム製品やスポンジ、ビニール袋、輪ゴムなどは特に危険です。床に落ちているものは事前に片付け、フェレットの口に入りそうなものは手の届かない場所に置いておきましょう。誤飲が疑われる場合は、すぐに動物病院を受診してください。
フェレットは足元をちょこまかと動き回るため、気づかずに踏んでしまう事故が起きやすいです。また、布団やカーペットの下に潜り込むこともあるため、座ったり踏んだりする前に確認する習慣をつけましょう。
高い場所からの転落事故にも注意が必要です。フェレットは好奇心からソファや棚に登ることがありますが、着地が上手ではないため、落下すると怪我をする恐れがあります。フェレットがどこにいるかを常に把握しながら遊ばせてください。
フェレットは細い体を活かして、わずかな隙間からでも脱走してしまいます。窓や玄関のドアが少しでも開いていると、するりと外へ出てしまう危険があります。放牧中は窓やドアの開閉に注意し、網戸だけの状態にしないようにしましょう。ケージの扉も、フェレットが開けられないようにしっかりとロックしてください。
健康で清潔なフェレットを保つために、定期的なお手入れを習慣にしましょう。
フェレットの爪は伸びやすいため、週に1回程度の爪切りが必要です。伸びすぎるとハンモックなどに引っかかって怪我をする原因にもなります。爪切りの際は、「保定(ほてい)」と呼ばれる持ち方でフェレットを固定します。首の後ろの皮をつまんで持ち上げると、フェレットはおとなしくなりやすいです。
耳も汚れやすい部位で、放っておくと耳ダニの原因になることもあります。週に1回程度、イヤークリーナーを使って耳掃除をしてあげましょう。綿棒やコットンを使って、見える範囲の汚れを優しく拭き取ります。奥まで無理に掃除しようとすると傷つけてしまうことがあるため、注意してください。
フェレットには独特の体臭があります。ペットショップで販売されているフェレットの多くは、早期の避妊・去勢手術と併せて臭腺を除去する処置を受けていますが、それでも皮脂腺から分泌されるオイルによるニオイは残ります。
お風呂は月に1回程度が目安です。あまり頻繁に洗いすぎると、かえって皮脂の分泌が増えてニオイが強くなることがあります。シャンプーはフェレットの皮膚に合った専用のものを使いましょう。日常的なニオイ対策としては、ハンモックや寝具をこまめに洗濯すること、トイレを毎日掃除することが効果的です。


フェレットを長く健康に育てるためには、予防接種や定期的な健康診断が欠かせません。
フェレットにはジステンパーという致死率の高い感染症の予防接種が推奨されています。犬ジステンパーウイルスは飛沫により感染し、感染すると高い確率で命を落とす恐ろしい病気です。
多くの場合、ペットショップに来る前に1回目の接種が済んでいますが、1回では十分な免疫がつきません。その後も適切なタイミングで追加接種を受けることが推奨されています。ワクチンのスケジュールは、飼育環境や地域、個体の状態によって異なるため、必ずかかりつけの獣医師と相談して決めてください。
フィラリアは蚊を媒介として感染する病気で、フェレットも感染します。感染すると心臓や肺の血管に寄生虫が住み着き、命に関わることもあります。
蚊が飛ぶ時期(地域によりますが5月〜11月頃)は、月1回の予防薬を投与するのが一般的です。予防薬は獣医師の処方に従って使用してください。室内飼育でも、窓から蚊が入ってくることはあるため、油断は禁物です。
フェレットは病気になっても症状が表に出にくい動物です。一見健康に見える状態でも、健康診断でトラブルが見つかることが少なくありません。早期に発見してあげることで、つらい症状を出さずに治療できるケースも多くあります。
フェレットは人間の約10倍のスピードで年を取ると言われています。3歳頃までは年に1回、3〜4歳以降は年に1〜2回の健康診断を受けることをおすすめします。高齢になったら、半年に1回は血液検査を受けると安心です。
また、フェレットを診てもらえる動物病院は犬や猫ほど多くありません。お迎えする前から、フェレットを専門的に診療できる動物病院を見つけておくことが大切です。

フェレットには三大疾患と呼ばれる、かかりやすい病気があります。いずれも中高齢期に発症しやすいため、3〜4歳を過ぎたら特に注意が必要です。
インスリノーマは膵臓に腫瘍ができる病気で、中高齢のフェレットに多く見られます。腫瘍から過剰なインスリンが分泌されることで低血糖を引き起こし、ふらつきや元気のなさ、よだれの増加、後ろ足の力が入らないといった症状が現れます。進行するとけいれんを起こすこともあります。
初期症状は「なんとなく元気がない」「最近寝てばかりいる」といった老化と見分けがつきにくいものが多いため、注意が必要です。完治は難しい病気ですが、食事管理や投薬によって良好な状態を維持できるケースも多くあります。
副腎疾患は副腎から性ホルモンが過剰に分泌される病気で、フェレット特有の発症率の高い疾患です。脱毛(特に尾や腰から始まることが多い)、体臭の変化、メスでは外陰部の腫れ、オスでは排尿困難などの症状が見られます。
原因は完全には解明されていませんが、早期の不妊手術によるホルモンバランスの乱れが関係している可能性が指摘されています。治療には外科手術やホルモン療法があり、病気の進行度や年齢に合わせて選択されます。
リンパ腫はリンパ組織にできる悪性腫瘍で、若い個体から高齢の個体まで幅広く発症する可能性があります。腫瘍ができる場所によって症状はさまざまですが、食欲不振、体重減少、下痢、元気のなさなどが見られることがあります。
原因は不明ですが、遺伝的要因やウイルス感染が関係している可能性が指摘されています。進行が早いため、早期発見と早期治療が大切です。定期的な健康診断を受けることで、異変に気づきやすくなります。
フェレットを飼い始めるにあたって、どのくらいの費用がかかるのかも把握しておきましょう。
フェレットの購入価格は種類や毛色、月齢、ファーム(繁殖場)によって大きく異なります。数万円から10万円以上まで幅があり、マーシャルフェレットなど人気の種類は比較的高めの価格帯になることもあります。購入を検討する際は、複数のショップで相場を確認するとよいでしょう。
飼育用品の初期費用としては、ケージ、トイレ、ハンモック、食器、給水器、おもちゃなどを揃えて2〜5万円程度が目安です。さらに、予防接種や健康診断の費用も必要になります。
月々の飼育費用は5,000〜15,000円程度が目安ですが、飼育環境や個体の状態によって変わります。内訳はフード代、トイレ砂代、おやつ代、そしてエアコンの電気代などです。特に夏場は冷房を長時間使う必要があるため、電気代がかさむことを想定しておきましょう。
また、将来的な医療費も視野に入れておくことをおすすめします。フェレットは高齢になると病気にかかりやすく、治療費が高額になることもあります。ペット保険への加入を検討するのもひとつの方法です。
フェレットの飼い方のポイントを振り返ると、室温15〜25℃を目安にした温度管理、フェレット専用フードによる食事、毎日のトイレ掃除、トイレと噛み癖のしつけ、そしてジステンパーとフィラリアの予防が基本となります。特に暑さには弱いため、夏場はエアコンでの室温管理を心がけてください。
インスリノーマ・副腎疾患・リンパ腫という三大疾患にかかりやすいため、3〜4歳を過ぎたら定期的な健康診断を受けることをおすすめします。



