たった今、もし災害が発生したら、あなたはペットの命を守り抜くことができますか?

ペットが怪我をしたり心肺停止したときに何をするべきか? そして避難をするとき、ケージやキャリーから逸走しないか、避難所では受け入れてくれるのか…。

犬や猫は多くの家庭で飼育されているので考慮されることも多いですが、それ以外の動物を飼っている場合はどうでしょうか。いわゆる「エキゾチックペット」を飼育している人は、特に考えなければいけない問題です。

今回紹介する書籍『エキゾチックペットの命を守る本 もしもに備える救急ガイド』では、飼い主自身が率先して行動し、“ヒーロー”になるべきだと書かれています。

もしペットの心臓や呼吸が止まったらどうしますか?

ある朝起きたらペットが怪我をしていたり、心肺停止状態になっていた…。ショッキングなことですが、すぐさま救命処置を行う必要があります

対象が人間であれば、学校などである程度実習などを受けた経験もあるでしょうが、例えばウサギやカメ、トカゲの心肺蘇生のやり方を把握している人は少ないのではないでしょうか?

かかりつけの獣医師さんとすぐに連絡が取れればいいのですが、例えば異変に気づいたのが深夜だったら朝まで待つ必要があります。エキゾチックペットは状態が急変しやすいことが多いため、あらゆる事態を想定し、自分で応急処置をできるようになっておく必要があります

ちなみに、先ほどの動物たちはどれも舌を出して気道確保をした上で、ウサギは横向きにして胸部を圧迫して心臓ポンプを行う、カメは甲羅が硬いため人工呼吸を優先する、トカゲは爬虫類で変温動物なのでとりあえず加温し、胸部や全身をマッサージする、といった具合です。

詳しくは本書や、それぞれ専門書などを読んで参考にしてみてくださいね。

災害時のエキゾチックペットの同行・同伴避難について

本書の後半では災害時にペットをどのように助けて、行動するべきかについて書かれています。

災害が発生したら、なんとなくペットをケージにいれて逃げればいい、というように考えていないでしょうか。

なんと2016年の熊本地震では、ペット同伴で避難所には入れてもらえず、車中泊をする中でエコノミークラス症候群で亡くなってしまった飼い主もいるそうです。(参考資料

同行避難というのは、自宅などからペットと一緒に避難すること。これは国が推奨しているのですが、同伴避難、つまり避難所などにペットと同伴で避難することは自治体ごとに判断するようになっているため、必ずしも受け入れられるわけではないということです。

動物にアレルギーのある避難者がいたり、鳴き声などの騒音問題もあるなどで、住居を隔離したり、車中泊やペットのみ自宅に戻すなど、様々なパターンが考えられます。

日頃から地域の方々とコミュニケーションを取って、ペットの存在について認識・理解しておいてもらうことが大切だと、本書では推奨されています。

まとめ

日ごろの健康診断や飼育環境などは徹底している飼い主さんでも、防災については十分な用意ができていないこともよくあります。

ゆっくりでも知識をつけて準備していくことが大事です。本書はエキゾチックペットと防災について、最初に読む本として最適でしょう。

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書籍情報

『エキゾチックペットの命を守る本 もしもに備える救急ガイド』
著者:サニー カミヤ
監修:小沼守
発売年:2024年
ISBN:978-4-89531-949-2
定価:2,750円(本体2,500円)
(公式サイトより)