8月14日の「金曜ロードショー」では、宮﨑駿監督の『風の谷のナウシカ』がノーカットで放送されます。8月7日の『借りぐらしのアリエッティ』に続く「3週連続夏はジブリ!!」の2本目です。

8月14日の「金曜ロードショー」では、宮﨑駿監督の『風の谷のナウシカ』がノーカットで放送されます。8月7日の『借りぐらしのアリエッティ』に続く「3週連続夏はジブリ!!」の2本目です。

壮大な物語のなかで、ひときわ愛らしい存在感を放っているのが、ナウシカの肩に乗る小さな相棒・テト。

ぴんと立った大きな耳に、ふさふさの尻尾。小動物好きなら、あの姿を見て「何かに似ている」と思ったことがあるのではないでしょうか。
なかでもよく名前が挙がるのが、大きな耳を持つ小さなキツネ、フェネックです。
では、本当にテトのモデルはフェネックなのでしょうか?
テトは、作中では「キツネリス」と呼ばれる生きものです。
名前のとおり、キツネを思わせる大きな耳と、リスのようなふさふさした尻尾を持つ小動物。ユパが連れてきたテトは当初、人間を警戒してナウシカの指に噛みつきますが、「怖くない」と語りかける彼女に次第に心を許していきます。

その後はナウシカの肩に乗り、ともに行動する大切な相棒に。小さな体ながら、『風の谷のナウシカ』を象徴する存在のひとつです。

ちなみにキツネリスは、宮﨑駿監督の『天空の城ラピュタ』にも登場します。ラピュタの庭園で暮らす小さな生きものたちに注目してみると、見覚えのある姿を見つけられるはずです。
そんなテトについて、ファンのあいだで語られてきたのが「フェネックがモデルなのでは?」という説です。
フェネックは、ぴんと立った大きな耳を持つ小さなキツネ。写真を見ると、たしかにテトと重なるものがあります。


ただし、今回確認できた公式情報の範囲では、キツネリスのモデルがフェネックだという明言は見つかりませんでした。
「テト=フェネック」と断定することはできませんが、では本物のフェネックはどんな動物なのでしょうか。調べてみると、あの大きな耳には、かわいいだけではない驚きの秘密がありました。
フェネックは、北アフリカなどの砂漠に暮らすイヌ科の動物です。
体重は成獣でも1kgほどで、イヌ科では最小。井の頭自然文化園では頭胴長35〜40cm、尾の長さ18〜30cmと紹介されています。小さな体に対して、ひときわ大きな耳が目を引きます。

そして、この耳には砂漠で生きるための重要な役割があります。
ひとつは、体にこもった熱を逃がすこと。大きな耳には血管が通っていて、そこから熱を放出することで、暑い環境で体温が上がりすぎるのを防いでいます。
もうひとつは、わずかな音を聞き取ることです。フェネックは優れた聴覚を持ち、砂の中に潜む獲物が立てる小さな音まで聞き取ります。あの大きな耳は、いわば砂漠を生き抜くための高性能なセンサーなのです。
さらに足の裏にも毛が生えており、熱く柔らかな砂の上を歩くのに役立ちます。昼間の暑い時間帯は地面に掘った巣穴で休み、夜になると活動。小型のげっ歯類や昆虫、鳥などのほか、果実なども食べます。耳から足の裏、暮らす時間帯まで、体全体が砂漠の環境に適応しているのです。

大きな耳と小さな体を見ると、テトを思い浮かべる人がいるのもうなずける姿です。
一方で、テトの姿にはフェネックだけでは説明できない特徴もあります。
まず目につくのが、背中まで覆いそうなほど大きく、ふさふさした尻尾。これはむしろ「リス」のイメージに近い部分です。

たとえば北海道に暮らすエゾリスも、大きな尻尾とふさふさした毛が印象的な小動物。さらに冬になると体毛が灰褐色に変わり、耳の先にもふさふさとした毛が伸びます。夏と冬でかなり印象が変わるのも面白いところです。

そして、テトの背中に入ったしま模様を見ると、今度はシマリスを連想する人もいるでしょう。

つまり、大きな耳や小さな体にはキツネらしさがあり、ふさふさした尻尾や模様にはリスらしさがある。
こうして実在の動物と見比べてみると、「キツネリス」という名前は、なんとも言い得て妙に思えてきます。
今回確認できた公式情報の範囲では、「テトのモデルはフェネック」という説を裏付ける明言は見つかりませんでした。
けれど、本物の動物たちを見ていくと、大きな耳を持つフェネックにも、ふさふさの尻尾を持つリスにも、たしかにテトと重なる特徴があります。

そして何より面白いのは、テトのかわいらしさを形づくる特徴が、実在の動物にも見られること。フェネックの耳ひとつをとっても、そこには砂漠の暑さをしのぎ、獲物を探すための工夫が詰まっています。
8月14日の『風の谷のナウシカ』を見るときは、ナウシカの肩にいるテトの耳や尻尾にも、ぜひ注目してみてください。
「フェネックに似ている?」「いや、やっぱりリスかも?」
そんなふうに見比べてみると、小さな相棒の姿がいつもと少し違って見えてくるかもしれません。
© 1984 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, H










