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200匹のタイワンリスと触れ合える町田リス園|スタッフが語る“小さい園”だからこその魅力
インタビュー

200匹のタイワンリスと触れ合える町田リス園|スタッフが語る“小さい園”だからこその魅力

小動物が好きな方なら、とにかくたくさんの動物たちに囲まれてみたいと思うことはありませんか?

大きい動物園だと小動物エリアは小さいことも多いですよね。そんななか、東京都町田市にある「町田リス園」は小動物好きが心から楽しめる場所でした!

名前の通り、ここの園の半分はリスたちが住んでいるリス園になっていて、他の動物たちも小動物だけ。ゆったりとしていて素敵な空気が流れてます。

今回のインタビューでは、飼育員の内藤さんと一緒にリス園を歩きながら、園の魅力についてたっぷりと聞いてきました!

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放し飼いになっているタイワンリスたち

柵の上に乗っているタイワンリス

ーーここにいるのは全部タイワンリスなんですか?

内藤さん:そうですね。200匹ほどここにいます。

ーー200匹!フェンスの高いところに集まってますね。

内藤さん:今は高いところに固まっていますが、特に朝とか夕方、お腹空いていたりすると出てきてくれたりします。

構えているタイワンリス

ーー今の時間(11時)でも結構寄ってきてくれますね。触ってもいいですか?

内藤さん:寄ってきてくれるのですが、触りにいくのは危ないです。そのまま噛みついてきたりすることもあるので。餌やり体験のときは、手袋をつけてもらっています。

ーーなるほど。それでも、なかなかこんな体験ができるところは無いですよね...!

内藤さん:比較的、人にも寄ってきてくれますね。餌がもらえると思って、人を全然恐れていない。こんなのはうちの園の子たちだけかもしれませんが(笑)。

戯れる2匹のタイワンリス

ーーこれはシマリスとかだと難しいのでしょうか?

内藤さん:シマリスは冬眠してしまうんです。この子たちタイワンリスは冬眠をしないんです。なので冬のあいだも餌やり体験などができるというところもあります。園で巣箱も自作しているのですが、その中にいろんな巣材を入れてあげたり、自分で集めて巣に集めたりとかするので。それで寒さを凌いでいるんですね。

小さな園だからこその魅力

ーー動物園としても、リスがたくさん住んでいる広場の中を人間が歩きまわる、みたいな構造は珍しいですよね。

内藤さん:はい、ここまで大きいところは多分ないと思います。

筆者を見上げるタイワンリス

ーーユニークな園で素敵だなと思っています。ちなみに、内藤さんはなぜ町田リス園で働かれることになったのですか?

内藤さん:もともと動物の専門学校の実習で町田リス園でお世話をしていた経験があり、いいところだなと思っていたんです。それでずっと「ここに入りたい」と思ってたら、たまたま欠員が出て、勤めることができた、という経緯です。

ーーどういうところが気に入っていたのでしょうか?

内藤さん:ここは飼育している種類も少ないですし、大きい動物園ではないですよね。でも、だからこそスタッフそれぞれが全部の動物を見ることができる場所で。小動物は大きな動物と比べると“花形”の動物ではないですが、だからこそ直接ご飯をあげられたり、近くで関わることができたりして、大型動物ではなかなか難しいことができるところが魅力だと思っています。

スタッフの内藤さんと園内

タイワンリスの生態について

ーーご飯は何を食べるんですか?

内藤さん:基本的にお客様が餌やりをしているひまわりの種だったりとか、それ以外にも穀物類、麻の実とか、コーンや麦もあげたりしています。それ以外にはさつまいもとかかぼちゃ、あとは果物を結構食べてます。

ーー海外とか行くと、リスって結構そこら辺にいたりするじゃないですか。でも日本だとあまり見かけない気がしていて、実際のところはどうなんでしょうか?

内藤さん:北海道にエゾリスがちょっと出てきたりしてるみたいですね。この辺りだとなかなか珍しくはなっていますが、それこそ野生でいるのはこのタイワンリスが多いですね。ただ、食べ物が果物とかそういったものなので農作物食べちゃったり、家の壁をガリガリかじって穴開けちゃったり、人的被害を出してしまうので特定外来生物に指定されてはいるのですが...。

ーーそうだったんですね。

内藤さん:鎌倉とか横浜とか、そっちの方にはもう全然野生でいますね。

ーー脱走とかはしないのですか?

内藤さん:フェンスが貼ってあって、網目のところまでは登れるんですけど、それより上は爪が引っかからないようにネズミ返しになっています。なのでそれより上にはいけないです。

放し飼いになっている園内

ーーよくみると筋肉質ですよね。

内藤さん:木と木の間を移動したりするので、ジャンプ力に優れているんです。

ーー声もすごく特徴的です。

内藤さん:タイワンリスは音声でのコミュニケーションを取るんです。警戒音の中でも何種類かあったりして、鳴き声で仲間に情報を伝えたりします。

ーー社会性があるんですね。リスの中で偉い個体はいたりするんですか?

内藤さん:ボス的なのは多分いないと思います。ただその中で、ちょっとこの子の方が強いとかとかはあると思いますが、圧倒的にこの子が1番、というのは多分ないと思います。

結構筋肉質なタイワンリス

ーータイワンリスを飼育してて難しいことってなんでしょうか?

内藤さん:飼育してる動物園がなかなか無いので、情報交換とかもなかなかできないんです。専門書とか調査もなかったりするので、どんなことでも自分で調べながら発見していかなきゃいけないところですね。

ーーそんなに少ないんですか。

内藤さん:少ないです。園の展示スペースもそれぞれ限られているので、「だったらニホンリスやシマリスの方が...」というところが多いのではないでしょうか。体も小さくて、イメージ的にもかわいいところが確かにあります。

タイワンリスとシマリスの違い

ーーでも、だからこそユニークな園になっていますね。

内藤さん:そうなんです。ここに来ると、子どもたちも「大きい!」って驚いてくれたりするので、それはそれでいいことだと思っています。

モルモットやそのほか小動物もたくさん!

ーーこれがモルモットの小屋ですか!なんかマンションみたいですね。

内藤さん:そうなんです。これもつい最近新しくみんなで作ったものです。この時間帯は日が当たるので、ここに集まれるように置いてみたんです。

モルモットマンション

ーー今何匹くらいのモルモットがいるんですか?

内藤さん:広場に出てるのは60〜70匹くらいです。

ーーモルモットとも触れ合えるんですよね。

内藤さん:土曜、日曜、祝日だけふれあい広場をオープンしてます。それもただ触れ合うだけじゃなくて「モルモットってこういう動物だよ」っていうところを説明して、モルモットのことを知ってもらってから撫でようっていう、教育に近いような感じです。

広々としたモルモットの飼育小屋

ーーストレス対策とか何かされていますか?

内藤さん:もちろんしています。だいぶ昔のころは、好きなだけ触ったり人数も制限しないでどんどん入れたりしていたのですが、それも触る時間は何分までって決めたり、特定の1匹がずっと広場に出ているようなことは起きないようにローテーションするように制度を決めています。ただ、私個人としては、触れ合うことで新たに知れることもたくさんあると思うんです。動物たちの福祉のこともきちんと考えた上で、ルールを作っています。

ーー素敵ですね。

内藤さん:でも、まだまだ改善しなきゃいけないところはあります。さっきのマンション作りなども課題を話し合うところから生まれたもので、常に工夫や改善を重ねています。

日向で温まるモルモットたち

ーー手作り感もあるし、モルモットたちもリラックスしていてとてもいいなと思いました。今日は一緒にまわれてとても楽しかったのですが、普段も飼育員さんとお話とかできるんですか?

内藤さん:そうですね、私たちも飼育しながらこうして接客しています。リスも放し飼いになっているので、事故とかが起きないように見守っています。その時に色々と質問してくれる子供たちもいたりして、その時に「こういう動物だよ」っていうことを知ってもらっていたりします。そういうことが、動物園の役割なんじゃないでしょうか。


インタビュー後編では、インパクト抜群の谷園長が登場!

福祉と動物園の素敵な関係性について、お話を聞きました。

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ユニークな帽子が目印!町田リス園・谷園長が語る、福祉と動物園の素敵な関係性

記事の執筆者

Minima編集部

小動物のかわいさと、ペットとしてお迎えするときに知っておきたい情報を、Minima編集部がお届け。

おうちでの豊かでしあわせな暮らしをサポートします。

なお編集部のペットはクレステッドモルモット。実体験に基づいた、確かな情報をお伝えしていきます。

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