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デグーはどんな餌を食べる?ごはんの与え方と食べてはいけないもの

デグーはどんな餌を食べる?ごはんの与え方と食べてはいけないもの

デグーを健康に飼育するためには、正しい餌の選び方と与え方を知らなければいけません。デグーは特殊な消化システムを持つ草食動物であり、その食性に合った適切な食事を提供することが長寿の鍵となります。

この記事では、デグーの餌に関する基本情報から、牧草、ペレット、野菜の選び方、適切な給餌タイミングまで、デグー飼育者が知っておくべき食事管理のすべてをご紹介します。

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デグーはどんな動物?草食動物としての特性

茶色いデグー

デグーは南米チリ原産のげっ歯類で、活発で木登りも得意な動物です。野生のデグーは主に草や葉、種子などを食べて生活しています。彼らの消化器官は繊維質の多い食物を分解するよう設計されており、盲腸内の特殊な微生物によって植物繊維を消化する能力を持っています。

このような草食動物としての特性から、デグーの食事には高繊維質な食材が必須となります。また、デグーは糖分の代謝が苦手で、過剰な糖分は糖尿病を引き起こす原因になることも知られています。飼育下のデグーが健康に暮らすためには、この自然な食性を尊重した食事を提供することが大切です。

デグーの飼育に必要な餌の種類とは?

木に乗るデグー

デグーの健康的な食事は、主に以下の3つの要素から構成されます。

1. 牧草:食事の大部分を占める主食(約70%)
2. ペレット:栄養バランスを整えるための補助食(約25%)
3. 野菜など:ビタミンやミネラルの補給、おやつとして(約5%)

デグーの食事の基本は良質な牧草であり、これが食事全体の7割程度を占めるべきとされています。牧草は消化器官の健康維持に必要な食物繊維を提供するだけでなく、常に噛む習性を満たし、歯の伸びすぎを防ぐ効果もあります。

ペレットは必要な栄養素をバランスよく摂取するために重要ですが、カロリーが高いため与えすぎには注意が必要です。また、新鮮な野菜などは、天然のビタミン源として少量与えることで食事に変化をつけることができます。

牧草の種類と選び方

デグーに適した牧草の主な種類は以下の通りです。

チモシー:最もポピュラーで消化に優しい
オーチャードグラス:柔らかく食べやすい
アルファルファ:若いデグーや妊娠・授乳中の個体向け(カルシウム豊富)
メドウヘイ:様々な草が混ざった自然な味わい

これらの中でもチモシーは繊維質が豊富でカルシウムとリンのバランスが良く、デグーの主食として最適です。牧草を選ぶ際は、新鮮で緑色が鮮やかなもの、カビや異物が混入していないものを選びましょう。香りが良く、乾燥具合が適切な牧草がおすすめです。

乾燥牧草とチモシーの使い分け

「乾燥牧草」と一般的に呼ばれるものと「チモシー」は混同されがちですが、チモシーは乾燥牧草の一種です。乾燥牧草にはチモシー以外にも様々な種類があります。

成長したデグーにはチモシーの中でも1番刈りと呼ばれる繊維質の多いものが適しています。これは茎が太く硬いため、歯の磨耗を促す効果があります。一方、若いデグーや高齢のデグーには2番刈りや3番刈りといった柔らかい牧草が食べやすいでしょう。

アルファルファはカルシウム含有量が高いため、成長期の子デグーや妊娠・授乳中のメスには良い選択肢です。しかし、成熟したデグーの日常的な食事としては尿路結石のリスクがあるため、避けた方が無難です。

牧草の与え方と適切な管理方法

デグーには常に新鮮な牧草が食べられる環境を整えることが理想的です。牧草用のラックを使用すると、排泄物による汚染を防ぎ、衛生的に保つことができます。

牧草は1日に体重の約5~10%程度の量を目安に与え、減ってきたら追加する形で管理します。湿気やカビに弱いため、保管は風通しの良い乾燥した場所で行い、通気性の良い容器を使用しましょう。

牧草が湿ったり汚れたりした場合はすぐに交換し、常に清潔な状態を保つことが重要です。デグーが特定の牧草を好まない場合は、別の種類を試してみることも大切です。

デグーに与えるペレットの選び方

器に入ったデグー

デグー用ペレットの価格帯は概ね500g当たり800円~2,000円程度です。品質の良いペレットは決して安くはありませんが、デグーの健康を考えると適切な投資と言えるでしょう。

デグーの健康を最優先に考えると、専門メーカーの低糖質・高繊維質ペレットを選ぶことをおすすめします。

デグー専用ペレットのメリットと特徴

デグー専用ペレットは、彼らの特殊な栄養要求に合わせて作られています。

低糖質設計:デグーは糖尿病になりやすいため
高繊維質:消化器官の健康維持に必要なため
ビタミンC強化:デグーは体内で合成できないため
適切なカルシウム・リン比:骨の健康維持のため

デグー専用ペレットはモルモットやウサギ用のものと比べて低糖質であることが大きな特徴です。チンチラ用ペレットは代用として使えることもありますが、栄養バランスが若干異なるため、可能であればデグー専用のものを選びましょう。

ペレットを選ぶ際は原材料表示をチェックし、主原料が牧草(チモシーなど)であるもの、糖分(糖蜜など)や添加物が少ないものを選ぶことが大切です。

デグーに与える野菜と注意点

野菜

デグーが食べられる野菜一覧

デグーに安全に与えられる野菜には以下のようなものがあります。

葉物野菜:春菊、小松菜、水菜、チンゲン菜など
根菜類:にんじん、カブ
ハーブ類:バジル、パセリ、ローズマリーなど
その他:ブロッコリー、セロリ、パプリカ

これらの中でも葉物野菜は繊維質が豊富で低カロリーなため、デグーにとって理想的な野菜です。にんじんなどの根菜類は糖分が比較的多いため、少量に留めるのが賢明です。

野菜の栄養バランスとビタミンCの重要性

デグーはモルモットと同様に、体内でビタミンCを合成できない動物です。そのため、食事からビタミンCを摂取する必要があります。ビタミンCが豊富な野菜としては、パプリカ、ブロッコリー、春菊、小松菜などが挙げられます。

野菜を与える際は、種類をローテーションさせることで様々な栄養素をバランスよく摂取させることができます。また、急な食事変化は消化不良を起こす可能性があるため、新しい野菜を導入する際は少量から始め、様子を見ながら徐々に増やしていくことをおすすめします。

与えてはいけない野菜とその危険性

デグーに与えてはいけない、または注意が必要な野菜・果物には以下のようなものがあります。

ジャガイモ(特に芽や緑色の部分):ソラニンという毒素を含む
タマネギ、ニンニク、ネギ類:血液障害を引き起こす可能性
アボカド:有毒成分を含む
フルーツ全般:糖分が高すぎる

特に果物は自然なものであっても糖分が多く、デグーにとっては糖尿病のリスクとなります。たとえリンゴやバナナでも、定期的に与えることは避けるべきです。

デグーに餌を与えるタイミングと回数

おっとりしたデグー

デグーの自然な食習慣に合わせるなら、牧草は常に食べられる状態にしておくのが理想的です。野生のデグーは一日中少しずつ食べ続ける習性があるからです。

ペレットについては、一日に2回程度に分けて与えるのが一般的です。朝と夕方など、規則的なタイミングで与えることで、デグーの生活リズムを整えることができます。

野菜やおやつは1日に1回、少量を与える程度で十分です。過剰な給餌は肥満や消化器系のトラブルにつながるため注意しましょう。

餌を与える時間帯と習慣づけのポイント

デグーは基本的には昼行性の動物です。そのため、朝と夕方の活動的な時間帯に合わせて餌を与えると自然な食事リズムを作ることができます。

毎日同じ時間に給餌することで、デグーは餌の時間を予測できるようになり、ストレスの少ない生活を送れるようになります。また、餌を与える時間は飼い主との交流の機会でもあるため、この時間を利用して信頼関係を築くことも大切です。

安全なおやつの選び方

デグーに適したおやつとしては、以下のようなものがあります。

乾燥ハーブ:カモミール、バジルなど
乾燥野菜:にんじん、ビーツ、パースニップ等の乾燥チップ(少量)
フラワーミックス:ヒマワリの花びら、マリーゴールド、タンポポなど

おやつは週に2~3回程度、ごく少量を与えるにとどめましょう。市販のフルーツ入りおやつやヨーグルトドロップなどは糖分が多いため避けるべきです。

また、おやつを与える際は、通常の食事量を調整して総カロリー摂取量が増えないよう注意することも大切です。おやつは主にご褒美やコミュニケーションのためのものであり、栄養補給が目的ではないことを覚えておきましょう。

デグーが餌を食べないときの対処法

暗いデグー

餌を食べない原因と健康チェック

デグーが餌を食べなくなる原因としては、以下のようなものが考えられます。

歯の問題:歯の伸びすぎや不正咬合
消化器系の疾患:腸閉塞、胃炎など
痛みや不調:怪我や内臓疾患
ストレス:環境の変化、同居個体との問題
餌自体の問題:質の低下、カビ、味の変化

食欲不振が24時間以上続く場合は、獣医師の診察を受けることが最優先です。特に体重減少、無気力、糞の量や性状の変化を伴う場合は緊急性が高いと考えられます。

健康チェックのポイントとしては、体温(触って冷たくないか)、呼吸(荒くないか)、目や鼻の分泌物、被毛の状態、糞の量や形などを確認しましょう。

ペレット・牧草を食べない場合の改善策

ペレットを食べない場合の対策は以下の通り。

・新鮮なペレットに交換する
・別のブランドや種類を試してみる
・少量の野菜と混ぜて香りづけする
・ペレットを細かく砕いて食べやすくする

牧草を食べない場合の対策は以下の通り。

・新鮮な牧草に交換する
・別の種類の牧草を試してみる(チモシーからオーチャードグラスへなど)
・牧草の提供方法を変える(床に置く、ラックを変えるなど)
・牧草にハーブを少量混ぜて香りづけする

デグーは新しい食べ物に慣れるのに時間がかかることがあります。餌の種類を変更する場合は、古いものと新しいものを混ぜながら、1~2週間かけて徐々に切り替えていくことが望ましいです。

急に餌を食べなくなったときの注意点

デグーが突然餌を食べなくなった場合は、緊急事態と考えるべきです。げっ歯類は代謝が早く、24時間以上の絶食は深刻な健康リスクとなります。

急な食欲不振が見られた場合は、以下を確認しましょう。

1. 口の中や歯に問題がないか確認する
2. 好物の野菜など、水分含有量の多い食べ物を少量提供してみる
3. 温度環境が適切か確認する(寒すぎると食欲が落ちる)

特に、食欲不振に加えて、うずくまる、呼吸が荒い、目が半開きになるなどの症状が見られる場合は、エキゾチックアニマルに詳しい獣医師のもとへすぐに連れて行くことが重要です。

まとめ

ハッピーなデグー

デグーの食事管理において最も重要なポイントは、**彼らの自然な食性に合った高繊維・低糖質の食事**を提供することです。牧草を中心に、適量の専用ペレット、そして少量の野菜やハーブを組み合わせることで、バランスの取れた食事となります。

適切な食事管理はデグーの健康と長寿の基盤となります。愛情を持って彼らの食事に向き合うことで、活発で健康的なデグーとの生活を長く楽しむことができるでしょう。

記事の執筆者

Minima編集部

小動物のかわいさと、ペットとしてお迎えするときに知っておきたい情報を、Minima編集部がお届け。

おうちでの豊かでしあわせな暮らしをサポートします。

なお編集部のペットはクレステッドモルモット。実体験に基づいた、確かな情報をお伝えしていきます。

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