チンチラは臆病で警戒心が強い動物ですが、正しい接し方と根気強いコミュニケーションで必ず心を開いてくれます。個体差はありますが、早い子で2週間、一般的には1〜3ヶ月程度でなついてくれることが多く、焦らずにチンチラのペースに合わせることが何より大切です。

チンチラはなつく?懐きやすくする方法と信頼を築く期間の目安
チンチラがなつくまでの期間と段階

なつくまでの一般的な期間
チンチラがなつくまでの期間は個体差が大きく、2週間から半年程度かかります。生後2〜3ヶ月の若い個体は比較的早くなつきやすく、成体になってから迎えた子は時間がかかる傾向があります。ペットショップやブリーダーで人との接触が多かった子は、新しい環境でも早く慣れることが多いです。
なついていく段階の変化
チンチラがなついていく過程には、いくつかの段階があります。最初はケージの奥で固まって動かない状態から始まり、徐々に飼い主の存在に慣れていきます。
第一段階では、飼い主が近づいても逃げなくなり、ケージ越しに様子を見るようになります。第二段階では、手から餌を受け取るようになり、飼い主の手の匂いを嗅いだりします。第三段階では、撫でられることを受け入れ、最終的には自分から寄ってきたり、肩に乗ったりするようになります。
なつかせるための基本的な心構え

チンチラの性格を理解する
チンチラは本来、天敵から身を守るために警戒心を持って生きてきた動物です。大きな音や急な動きに敏感で、初めての環境では特に慎重になります。この性質を理解し、チンチラが安心できる環境を整えることが、なつかせる第一歩となります。
焦らず時間をかける姿勢
多くの飼い主さんが陥りがちなのが、早くなついてほしいという気持ちから、無理にスキンシップを取ろうとしてしまうことです。チンチラは押し付けがましい接触を嫌い、かえって警戒心を強めてしまいます。チンチラが自分から興味を示すまで、辛抱強く待つことが大切です。

環境に慣れさせる具体的な方法

最初の1週間の過ごし方
チンチラを迎えた最初の1週間は、新しい環境に慣れることを最優先にします。ケージは静かで落ち着ける場所に設置し、必要最低限のお世話だけを行います。餌や水の交換時も、ゆっくりとした動作で行い、大きな音を立てないよう注意します。
この期間は無理に触ろうとせず、ケージの外から優しく話しかける程度に留めます。「おはよう」「ごはんだよ」など、毎日同じ言葉をかけることで、飼い主の声に慣れていきます。
存在に慣れてもらう工夫
チンチラに飼い主の存在を認識してもらうため、ケージの近くで静かに過ごす時間を作ります。本を読んだり、スマートフォンを見たりしながら、30分から1時間程度ケージの側にいるだけで構いません。この時、チンチラをじっと見つめるのは避け、自然体で過ごすことがポイントです。
また、飼い主の匂いがついた布をケージに入れるのも効果的です。着古したTシャツの切れ端などを、ケージ内の巣箱の近くに置いておくと、チンチラが飼い主の匂いに慣れやすくなります。
手から餌を与える練習

おやつを使った距離の縮め方
環境に慣れてきたら、好物のおやつを使って距離を縮めていきます。レーズンやドライアップルなど、チンチラが好むおやつを指先でつまみ、ケージの金網越しに差し出します。最初は怖がって近づかないかもしれませんが、毎日同じ時間に繰り返すことで、徐々に興味を示すようになります。
チンチラが近づいてきたら、急に手を動かさず、チンチラのペースに任せます。おやつを取った瞬間に手を引っ込めると、次から警戒してしまうので、チンチラが食べ終わるまでじっと待ちましょう。
ペレットでの信頼関係づくり
おやつに慣れてきたら、普段の餌であるペレットも手から与えてみます。毎日の食事の一部を手渡しにすることで、飼い主の手は安全で、良いことが起こる存在だと認識してもらえます。この段階では、まだ撫でようとせず、餌を与えることだけに集中します。
スキンシップを始めるタイミングと方法

触れる準備ができているサイン
チンチラが撫でられる準備ができているかは、いくつかのサインで判断できます。ケージに手を入れても逃げない、手の匂いを嗅ぎに来る、リラックスした姿勢で近くにいるなどの行動が見られたら、軽いスキンシップを始めても良いタイミングです。
最初の撫で方のコツ
初めて撫でる時は、頭の上から手を下ろすのではなく、横から優しく近づけます。人差し指一本で、耳の後ろや顎の下を軽く撫でることから始めます。チンチラが気持ち良さそうにしていたら、徐々に撫でる範囲を広げていきます。
撫でている最中にチンチラが逃げようとしたら、無理に追いかけず、すぐに手を引きます。嫌がることを続けると、せっかく築いた信頼関係が崩れてしまう可能性があります。

なつきやすい個体の見分け方

ペットショップでの観察ポイント
これからチンチラを迎える方は、人に興味を示す個体を選ぶとよいでしょう。ケージに近づいた時に、奥に隠れずに前に出てくる子、手を差し出すと匂いを嗅ぎに来る子は、比較的なつきやすい傾向があります。
また、店員さんが触っている様子を観察するのも参考になります。撫でられて落ち着いている子や、手から餌を食べる子は、新しい環境でも早く慣れる可能性が高いです。
性別や年齢による違い
一般的にメスよりもオスの方が穏やかでなつきやすいと言われています。ただし、これはあくまで傾向であり、個体差の方が大きいです。年齢については、生後2〜3ヶ月の若い個体の方が新しい環境に順応しやすく、人にも慣れやすい傾向があります。
なついた後の関係性の深め方

部屋んぽでの交流
チンチラが十分になついたら、ケージの外で一緒に過ごす「部屋んぽ」の時間を作ります。最初は10〜15分程度から始め、徐々に時間を延ばしていきます。部屋んぽ中は、チンチラが自由に探索できるようにしつつ、危険な場所には行かないよう見守ります。
慣れてくると、飼い主の肩や膝に乗ってくるようになります。この時も無理に抱き上げたりせず、チンチラが自分から来るのを待ちます。一緒に遊ぶ時間が増えることで、より深い信頼関係を築けます。
名前を呼んでのコミュニケーション
チンチラは自分の名前を覚えることができます。餌やおやつを与える時、部屋んぽに出す時など、良いことが起こる場面で名前を呼ぶようにします。繰り返すうちに、名前を呼ばれると飼い主の元に来るようになります。
日常的な声かけの大切さ
なついた後も、毎日の声かけを続けることが大切です。朝の挨拶、餌の時間の声かけ、寝る前の「おやすみ」など、日常的なコミュニケーションを取ることで、チンチラとの絆はより強くなります。チンチラも飼い主の生活リズムを覚え、決まった時間に待っているようになります。
なつかない時の対処法

原因を見極める
チンチラがなかなかなつかない場合、いくつかの原因が考えられます。環境が落ち着かない、大きな音や振動がある、他のペットの存在でストレスを感じているなどです。まずは飼育環境を見直し、チンチラが安心できる空間になっているか確認しましょう。
アプローチを変える工夫
今までのやり方でなつかない場合は、アプローチ方法を変えてみることも必要です。接触を控えて観察期間を長く取る、おやつの種類を変える、声かけの頻度を調整するなど、その子に合った方法を探していきます。
専門家への相談
半年以上経ってもまったくなつかない場合は、動物行動学に詳しい獣医師に相談するのも一つの方法です。健康上の問題がないか確認し、その子の性格に合ったアドバイスをもらえることがあります。
まとめ
チンチラがなつくまでには個体差がありますが、焦らずにチンチラのペースに合わせることできっと心を開いてくれます。最初の1週間は環境に慣れることを優先し、徐々に手から餌を与え、スキンシップへと段階的に進めていくことが成功の鍵です。
毎日の声かけと優しい接し方を続けることで、チンチラは飼い主を信頼できる存在として認識してくれます。なついたチンチラは、肩に乗ってきたり、名前を呼ぶと寄ってきたりと、愛情深い一面を見せてくれるようになります。時間をかけて築いた信頼関係は、チンチラとの生活をより豊かで楽しいものにしてくれるでしょう。
記事の執筆者
- Minima編集部
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