伊豆シャボテン動物公園で動物たちのベビーシーズンが到来したようです。
2024年12月30日にアニマルボートツアーズの大池に浮かぶ「ジェフロイクモザルの島」で、ジェフロイクモザルの赤ちゃん1頭が、同じく「ワオキツネザルの島」では2025年1月28日に、ワオキツネザルにも1頭の赤ちゃんがそれぞれ誕生しました。
日向ぼっこをするジェフロイクモザルの母子ジェフロイクモザルの赤ちゃんは、群れのボス「クーロ」と母「1号」の間に生まれました。「1号」はこれまで3回の出産経験があり、しっかりと赤ちゃんの世話をしています。
もうしばらくすると母親におんぶされる赤ちゃんの姿が見られるまた、ワオキツネザルは、子育て経験豊富な「バオシー」が1頭を出産しました。赤ちゃんは、母親に抱きかかえられて順調に成長しています。
母親の袋から出て一人遊びをするまでに成長そして、「カンガルーの丘」では、2025年1月3日に1頭目のパルマワラビーの赤ちゃんが誕生し、1月28日にも1頭の誕生が確認されました。すでに母親のお腹の袋から外へ出て一人遊びをするようになった赤ちゃんと、やっと袋から顔を出し始めたまだほんの小さな赤ちゃんが、「カンガルーの丘」の一部を仕切ったエリアの中でのんびりと生活していますので、離乳して独り立ちするまで温かく見守ってあげて下さい。
母親のお腹の袋から愛らしい顔がひょっこりさらに「カンガルーの丘」では、クロカンガルーも出産のシーズンを迎えています。1月11日にお腹の袋から顔を出した赤ちゃんの姿が確認され、今シーズン初めてのクロカンガルーの誕生となりました(※)。他にも大きなお腹をしたメスが数頭いて、赤ちゃんたちが愛らしい顔をのぞかせる日もそう遠くないようです。
※ 有袋類は非常に未熟な状態で生まれる為、当園では赤ちゃんが初めて袋から顔を出し、飼育員がそれを確認した日を「誕生日」としています
ジェフロイクモザル
ジェフロイクモザルの母親と赤ちゃん。場所: ジェフロイクモザルの島2024年12月30日、父「クーロ」と母「1号」の間に1頭の赤ちゃん(雌雄不明)が誕生しました。
今回の繁殖により、島で暮らすジェフロイクモザルは合計5頭のファミリーとなりました。
<最近のジェフロイクモザルの赤ちゃんの様子>
赤ちゃんの頭胴長:約30cm、尾長:約30cm、体重:約500g。 まだ母親のお腹にしっかりと抱きついていますが、時折かわいらしい顔を覗かせてくれます。
英名:Geoffroy’s spider monkey
学名:Ateles geoffroyi
分類:霊長目 クモザル科
分布:中央アメリカからコロンビア北東部辺りまでの熱帯雨林など
形態:頭胴長:50~75cm、尾長:約90cm、体重:6~9kg
生態:熱帯雨林に生息していますが、常緑樹林だけでなく沼地やマングローブの湿地林、落葉樹林など、様々な環境に適応して主に樹上で暮らしています。木の上では、長い尾を枝に巻きつけてうまくバランスを取り、指を木の枝に引っ掛けて雲梯を渡るように体をスイングさせるなどして移動します。また、太い枝の上や地上では後足だけで歩いたり走ったりすることもできます。
妊娠期間はおよそ7か月半~8ヶ月で、通常は1頭の赤ちゃんを出産します。
ワオキツネザル
母親のお腹にしっかり抱きつくワオキツネザルの赤ちゃん。場所:ワオキツネザルの島2025年1月28日、母「バオシー」に1頭の赤ちゃん(雌雄不明)が誕生しました。ワオキツネザルの島には他にも妊娠中の個体が複数おり、本格的な春に向けて赤ちゃん誕生が続きそうです。
<最近のワオキツネザルの赤ちゃんの様子>
赤ちゃんの頭胴長:約15cm、尾長:約20cm、体重:約70g。 母親のお腹に一生懸命抱きついていますが、そろそろ背中に移動していろいろなものに興味を示し始める時期になります。
英名:Ring-tailed lemur
学名:Lemur catta
分類:霊長目 キツネザル科
分布:マダガスカル島南部
形態:頭胴長:約40cm、尾長:約60cm、体重:2~3kg
生態:メスが優位の20頭近くの群れを作り、日中は主に地上で生活をしています。 昼行性で朝は日光浴を行う習性があり、気温の高い昼は木陰で休み、朝と夕方は活発に活動します。食性は、木の実・果実・昆虫などを食べる雑食性です。身体的に最も特徴のある長い尾は、黒と白の帯が交互に重なり輪状に見えることから輪尾(ワオ)キツネザルと呼ばれています。
当園では秋から初冬にかけて繁殖期を迎え、妊娠期間は約135日のため2月頃から出産シーズンが始まります。母親は一度に1~2頭の子を産み、胸元に赤ちゃんを抱えて生活します。その後、赤ちゃんは生後2~3週間ほどで母の背に乗るようになり、約1ヶ月で大人と同じものを口にしはじめます。
パルマワラビー
天気の良い日には日光浴する愛らしい姿も。場所:カンガルーの丘2025年1月3日に1頭、1月28日にも1頭の赤ちゃん(雌雄不明)が誕生しました。今回の繁殖により、当園のパルマワラビーは合計50頭となりました。
<最近のパルマワラビーの赤ちゃんの様子>
母親の袋から出たり日光浴したりと、かわいらしい姿を見ることができます。
英名:Parma wallaby
学名:Macropus parma
分類:有袋目 カンガルー科 ワラビー属
分布:オーストラリア南部、パス海峡のキニグ島と他の小島、タスマニア
形態:頭胴長:45~50cm、尾長:45~48cm、体重:4~5kg
生態:森林地帯で単独もしくは少数の群れを作り生活をしている夜行性の動物です。妊娠期間は約30日で、1回の出産で1頭を出産します。生まれたての赤ちゃんは毛もなく目も見えず、1~2cmの未熟な状態で母親の腹部の道を通って育児嚢に入ります。生後約6ヶ月で袋から顔を出すようになり、授乳は生後約1年続きます。
クロカンガルー
母親の袋から出て遊ぶまでに成長。場所:カンガルーの丘2025年1月11日、1頭の赤ちゃん(雌雄不明)が誕生しました。今回の繁殖により、当園のクロカンガルーは合計11頭となりました。
現在、他にも妊娠中の個体がおり、カンガルーの丘のベビーラッシュはまだ続きそうです。
<最近のクロカンガルーの赤ちゃんの様子>
暖かい日には袋から顔をのぞかせる赤ちゃんの姿を頻繁に見られるようになります。その後1ヶ月ほどで袋の外へ出て遊ぶまでに成長します。
英名:Western grey kangaroo
学名:Macropus fuliginosus
分類:有袋目 カンガルー科
分布:オーストラリア南部の半乾燥地帯に属する低木林
形態:頭胴長:80~100cm、尾長:80~100cm、体重:30~50kg
生態:10~12頭の群れを作ります。夜間にイネ科の植物や木の葉を採食し、日中は強い日差しを避けて生活しています。前足よりも後足が発達し、時速約40kmで走ると言われています。妊娠期間は約1ヶ月で、赤ちゃんは体長約2~3cm・体重約1gの未熟児状態で生まれます。すぐに自力で育児嚢に入り、約6ヶ月後にやっと袋から顔を出し、約1年で自立(乳離れ)をします巣穴で通常1~4子を産みます。
伊豆シャボテン動物公園 公式サイト
https://izushaboten.com/
※天候や動物の体調により、赤ちゃんの姿を見ることができない場合があります